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VMDインストラクター 川合 直美さんを取材しました2009年12月

自然体の自分がいるからお店も自然に成長する

VMDインストラクター 川合 直美さん

川合 直美さん

株式会社アンティテージ 高島屋バッグ売場店長

VMDインストラクター

 肩の力を抜く。 息をすーーっと吸って、自然にはく。背筋をピンと伸ばす。 すると姿勢がよくなって、肩や腰がこらない・・・。

 朝晩、筆者はストレッチをしている。これをやらないと肩こりがひどくて・・・。

 川合直美さんに取材してみて、そんなストレッチの基本体を思い出した。肩の力を抜いて自然に生活している・・・そんな感じがする人だからだ。背筋をピン!と伸ばさなければいけないところは確かにある。現在、百貨店バッグ売場の店長をしている彼女は、会社から成績を期待されている。新しい売場に配属されて7か月。そろそろ結果を出していかなければならない。しかし、本人はいたって自然体だった。

 「売上達成は確かに大事ですが、自分やスタッフをそういう枠に入れたくないんです。売上○○円がんばろう、というのはいいんですが、数字は後からついてくるもの。枠があると、気持ちがのびのびできないんです」

 社会人になってから、接客の道をひた走ってきた。ウエイトレス、子供服店店員、エステティシャン・・・。バッグメーカーに入社してから今までが一番長く、今は横浜駅前百貨店2階のイタリアブランドバッグ「セコイア」のインショップ店長をしている。

 百貨店の基幹店ともなると、今の時世かなりノルマがきついだろう。そう聞くと、次のような答えが返ってきた。

「売上数字って私の性に合わないですね(笑)。数字はなくてはならないものなのですが、考えたことはありません。あとから自然についてくるものだと思っています」

「押し売りは絶対しない」という信念があるそうだ。それはエステや子供服を売っていた初期のころから体に染みついた。

「エステの売上を上げるには、お客様を体験キャンペーンに誘ったり、施術している時何気なく会話で「営業」する・・・というスタイルがあったのですが、あえてそれをしませんでした。お客様に合わせて自然にふるまうことが私の信条でしたから」

 「説得」より「納得」だという。商品を買うのはあくまで客自身。最後には客自身で決めるように促すという。そんな彼女は、バッグメーカーに入社してから個人売上No.1、店舗売上No.1、期間目標達成率100%・・・と快挙にいとまがない。店長職は役職なので、後進の育成も手掛けなければいけない。店の数字をあげながらスタッフも教育する。高級バッグ売場は年配のご婦人が多いので、接客もシビアに対応しなければいけない。百貨店側主催の接客研修も受けている。

「今まで、いろいろな百貨店の売場を渡り歩いてきてその都度接客研修も受けてきましたが、基本的なことは、いつもいっしょだと思っています。それは顧客本位ということです。お客様の要望にどこまで応えられるか、それが大事だと思っています。このことを販売スタッフにも浸透させています」

町田モディの前で

 この文章だけを読む読者は、キリリッとした女性像を思い浮かべるかもしれない。しかし、彼女はたんたんと話している。アンダートーンでフッと深呼吸しつつ話す物腰はやっぱり自然体だ。アンニュイとはこのことを言うのだろうか。陽が差した昼下がりのカフェが彼女によく似合う。

 そんな彼女もストレスからお店を三か月ほど休んだことがあった。ショッピングセンターの新しい業態店舗を任されてしばらくの頃だった。 「一生懸命になりすぎてしまいました。(笑) 私の性格からして、ガンバリ度80%がいい。療養の後、気を長く持って仕事に向かうようになりました。気が張った状態だと何もいいことがないのがわかりました」

 落ち込んだ時、以前のお店の客が来店した。電車で何駅もかかるのに会いに来てくれた。うれしかった。「買う気がなかったのに来ちゃった!」と言ってくれる客の笑顔を見て、ホッとする自分がいた。「やっぱり接客が好き」というのがわかった。以来、売上よりも客に満足していただくことを優先した。あれほど几帳面に追っかけていた数字はどうでもよくなった。

 真面目な性格だということは、筆者はわかっていた。やると決めたらトコトンやり通す性質だ。VMDの仕事を目指したい、といってVMDの学校「売場塾」に入門。卒業後、自分から率先して研修会の助講師をかって出たり、VMDスクールのアシスタントをしてくれている。公開セミナーにもよく顔を出している。率先して行動に出ているのだ。 VMD研修会で助講師 「会社のVMD担当部署にあこがれの人がいたんです。都合でイタリアへ行ってしまいましたがいつもシャキシャキしていて、見ていて気持ちがいい。こんな職種もおもしろいな・・・と思っていました。」

 会社では、アメリカやヨーロッパのメーカー本国からバッグの展示を示したマニュアルが送られてくる。それを見て、棚にバッグを置いていくのだが、腑に落ちない点もあった。棚に該当商品が欠けている場合や、百貨店の什器や棚の仕様が大幅に違う時もあった。最近はセレクトショップ型店舗も多くなっているので、同じ棚に違うブランドの商品が並ぶ場合もある。

  そんな時は、自分なりに工夫してやりくりしてきた。接客も大事だが、売場も見やすくきれいに保ちたい。デザインや素材にこだわりのあるバッグが多いので、特徴をどう来店客にアピールするか?熟年の方が快く買い物できる売場とは何か?基本を見直すためにVMDに没頭し始めた。

「VMDやるなら今!と思っています。日本でまだ知名度がないバッグも扱っていきますので、それを百貨店の来店客にアピールしていけるようにしたい。目に訴えるしくみはVMDそのものですから、とことん追求していきたいです」

 ウインドウディスプレイの造作もしてみたい。カラーコーディネートの勉強もしたい。MDにも関わってみたい。チャレンジしたいことはたくさんあるが、ガッツで!というのは自分に合わない。一生懸命になり過ぎず、等身大の自分で行おうと思っている。

  筆者がストレッチしているんですよ、と言ったら、「私も、ときどき気功やっているんですよ」と言った。さすがリラックスする術をしっている、話合うな。営業20年やってきた筆者も常に数字と向かい合ってきた。そこも似ているし、何か共感できる。

バックはルミネ町田店

 確かに、今の世の中、積極販売・積極営業がそのまま通用するかというと、違う気がする。かといって完全セルフだと客は物足りなさを感じるだろう。客はワガママで贅沢な世の中になってきたのだ。まさに顧客志向の時代の到来。売場は、顧客が快く買い物できる「快場」にならなければいけない。快場づくりを実践している人がまさにここにいた。

 取材の写真は町田で撮ることにした。彼女は根っからの町田っ子。生まれてから今まであまり町田から出ていない。職場は町田の百貨店やショッピングセンターの店舗が多かった。今の横浜勤務が一番家から遠いという。おかげで、彼女が街に溶け込むような自然な写真が撮れた。これからも「らしさ」を失わずに、なりたい自分を目指していくことだろう。

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