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陳列は幾何学にするとアートになる

ディスプレイは、展示にしろ、陳列にしろ、これをやればなんとかなるというコツがあります。

それは、
●リピテーション
●シンメトリー

です。

リピテーションというのは繰り返しのこと、シンメトリーというのは左右対称のことです。

さて、このリピテーション、ディスプレイ以外にはどんなところに見られるのでしょうか。それは、音楽、演劇、料理、スポーツ、自然界など。
何かを繰り返すというのは巷にすごくあふれていて、寄せては返す波のように、自然に思えるからこそ、なじみがあると言えます。

一方、シンメトリーは自然界をベースに、建築、商品でたくさん見られます。
世の中の生物はほぼシンメトリーにできていますし、観光地の建築物はシンメトリーが多いです。
商品に至っては、圧倒的にシンメトリーが多く、いまこれを書いているデスクまわりでも、パソコン、マウス、時計、電話機、コンポ、箪笥、ペン、マグカップ、ティッシュ・・・これらはすべてシンメトリーになっています。

早い話が、リピテーションとシンメトリーは、身の回りになじみがあるからこそ、見ていて気持ちいいディスプレイと言えましょう。
なので、陳列に困ったら、とにかくこの二つを行うと解決します。

ただ、この二つはディスプレイの基本中の基本。
VMD担当なら、さらに陳列のアート性を高めたいものです。
ただ棚に商品を並べるだけでなく、芸術性を感じるように並べれば、壁面やアイランド売場が楽しい空間に変わります。

アートな陳列にするためには、この二つを組み合わせた幾何学デザインをベースにするとよいです。
幾何学デザイン(いわゆる幾何学模様)とは、直線や曲線をシンメトリーかリピテーション形式で組み合わせたデザインのことです。
人工的に思われるかもしれませんが、ハチの巣やタコの吸盤など自然界でも見られます。

このシンメトリーとリピテーションを組み合わせた幾何学模様は、多くの専門店がIPに取り入れています。
国内では、ジョーマローン、無印良品、ゴディバのオーケストレーションやテーブルフーレゼンテーション。
海外では、M&S、ウイリアムソノマ、ホールフーズ、シュガーフィナといった専門店でよく見られます。

それではどうやってリピテーションとシンメトリーをベースに幾何学模様をつくったらよいのでしょうか。
それは大よそ下記にするといいです。

  • ウエーブ状にする
  • チェッカー型にする
  • ストライプ型にする
  • プラス型にする
  • バイヤス(斜めのストライプ)型にする
  • トライアングル型にする
  • これらを、私はよく「カッコつけ陳列」と言っています。
    やってみると、文字通り、売場がカッコよくなります。

    私のリバイス・コンサルの仕事では、最近は土産店が多いので、壁面やアイランドの商品を陳列するのにこれらの手法を使って、幾何学模様に展開するように指導させていただいています。

    商品をただ整然と並べるだけでなく、幾何学に並べるとアート性がでてきて、お客様から「何このお店、オシャレ」という声が漏れてきます。
    フツーのコンビニやドラッグストアならやる必要はありませんが、化粧品店、バラエティストア、高級洋菓子売場、キャラクター売場など、来店したお客様をワクワクさせたい店はぜひ使ってください。

    売場塾ディスプレイ指導講座でも教えていますが、VMDインストラクター協会のインスタグラムでも幾何学的なアメリカのディスプレイを紹介しています。
    時間ありましたら、ぜひ見てください。
    (ただ、最近はカフェテーブルのマテリアル・コーデばかりアップしているので、前半にしかありませんが)

    ●VMDインストラクター協会インスタグラム
    shop_space_stylist

    VMD関係者の皆さん、幾何学模様の陳列、ぜひトライしてくださいね。
    リピテーションとシンメトリーをやってみたい方は、今月26日のセミナーでワークショップやっていますので、お気軽にお越しください。

    参考リンクはこちら。
    ●リバイスとは

    (vmd-i協会事務局)

POPはディスプレイの一部と考える

家電量販店やドラッグストアなど商品がたくさんあるお店ではおびただしい数のPOPが売場を埋め尽くしています。
小売店制作のPOPはもとより、メーカーや卸会社のPOPの供給など、種類もたくさんあります。

POPで売場を賑わすのはいいかもしれませんが、これではお客様がモノを選ぶのに時間がかかってしまいます。
POPが他のPOPを隠したり、商品を隠したり、色とりどりのPOPが売場の迷彩色になっていて、どこに何があるのか、わかりにくくなっているからです。

原因は、売場をつくる際にPOPのスペースをあまり考えず、大量に商品を置き、空いたスペースにPOPを貼るからです。
POPは空間の埋め合わせになってしまっています。
そうならないためにはどうすべきか。

それには、POP設置を商品陳列やディスプレイと同等に考え、POPがセットインされた売場をあらかじめ想定すればよいです。
つまり、POPのスペースを確保しておくのです。

さらに、小売店側がメーカーや卸のPOP制作に対して、POPの設置スペース、サイズ、設置器具、色・素材などの一定のルールを課せばよいのです。

このように、POPによる売場づくりのルールを明確に守っている小売店の売場は、とても買いやすい売場になっています。
しっかりVMDを考えているお店は機種が豊富に展示されているケータイ電話売場でも、キャリア別、機種別、用途別にPOPが編集・制作され、見やすくわかりやすい売場になっています。

POPは快場をつくるための重要な要素と言っていいでしょう。

(vmd-i協会事務局)

寒色・暖色・中性色のディスプレイテクニック

寒色・暖色・中性色。
これらは、色物を扱っている店では常識の色です。
寒色とは、寒い色のことを言います。
青、白、水色、青緑、これら全部寒色です。
アナと雪の女王の色ですね。

暖色とは、暖かい色のことをいいます。
赤、オレンジ、黄色、ピンク、これら全部暖色です。
Jリーグのエスパルスカラーの色ですね。

中性色とは、寒くも温かくもない色。
緑、青紫、紫、赤紫、黄緑、これら全部中性色です。
中間色とは言わないので、注意してください。
中間色とは、茶色、グレーなど渋く濁った色をいいます。

あなたがアパレル店VMDなら色に敏感になりましょう。
店内ディスプレイで、季節に合わせた色を表現するように心がけます。なぜなら、VMDの世界では、「季節には季節の色を」が鉄則だからです。

春が近づいているのに、寒色だと寒いかなて気がしますね。
確かに今日は大寒だし、寒い日が本格的になりますが、それでも 季節は春に向かっているんです。
寒色は出していてもいいけれど、春らしい色をたくさん出しましょう。

都内の一部の百貨店はいつもよりも1か月品揃えを早くしていてそこに行くと春気分になりますよ。
やっぱり春の訪れ感じるなんて楽しいですよね。

もう一度いうと、 寒色・暖色・中性色って季節の色を指すのです。
春には春の色、つまり暖色をたくさん出してください。
出す場所は、フェースアウト、VP,PP、ホールデッドの一番上、T字売場のどん突きが定石。
ここならすごく目立ちます。
ブランドの中ではIPの色の配列が決まっているので。
お客様の目につく場所に「暖色が一番目立つように並べて」 ください

そして、GWが近くなったら中性色の黄緑、緑を出しましょう。
季節は新色なんです。
季節が高まるにつれて、トーンを彩度高くしてくださいね。
今はペールトーンでいいけれど、夏はビビッドトーンです。

ということで、明日はオレンジの暖色着ていきます。
明日も寒そうなので、気分はるんるんでいきます。 それではまた。

(vmd-i協会事務局)