VMDガイドラインとVMDマニュアルの違いをお話しします。
まずはガイドラインとマニュアルの意味から。
WEBで拾ってみました。
●ガイドライン
政府や団体が指導方針として示す、大まかな指針。指導目標。
●マニュアル
あることがらに関する事項を一冊の本の形にまとめて書き、日常使用に供するもの。手引き。ハンドブック。
端的に言うと
- ガイドラインはNGルールガイド
- マニュアルは取扱説明書
です。
ガイドラインというと真っ先に思い当たるのが、日米ガイドライン。
こういう場合は敵国にアタックできる!みたいなルールですね。
そして最近は防災ガイドライン。
警戒レベル3になったら、高齢者は避難してください!というもの。
つまり、ガイドラインとは、ここまではいいけれど、ここからは●●できない。
または●●してはいけない、という取り決めのことなんです。
企業でよく活用しているのが、VIガイドラインでしょう。
企業や商品のロゴ・マークの表現の指針のことです。
例えば慶応大学はこんなVIガイドライン。
このようなVIガイドラインに必ずと言っていいほどずあるのが、NG集です。
ロゴやマークのこのような表示はダメですよ。というものです。
ロゴが細長かったり、マークの背景に写真があったり。
マークの色が違ったり、ロゴとマークの位置関係がおかしかったり・・・。
こういう表現はすべてNGですよ、というガイドラインが引かれているんです。
なので、ガイドラインとは文字通り「線を引くこと」と捉えてください。
例えば、あるブランドがディスプレイ制作に「線を引く」とします。
・展示のメイン色は3色以内に抑えてください。
→メイン色が4色になるとNGということになります。
・棚に服を置くときは4列にしてください。
→5列になるとNGということになります。
・プライスカードはグリッドを揃えてください。
グリッドが揃っていないとNGということになります。
こんな感じに線が引かれます。
さて、一方のマニュアルとは何でしょう。
マニュアルとは取扱説明書ですから、このようにしてください、という指示書になります。
例えば、先ほどのディスプレイのガイドラインをマニュアルに置き換えてみます。
・展示のメイン色は赤と黄色と黒にしてください。
→メイン色に緑は使用できません。
・棚に服を置くときは4列にしてください。
→5列でもダメですし、3列でもダメです。
・プライスカードはまっすぐにグリッドを揃えてください。
→弧を描くグリッドや斜めのグリッドもダメです。
こんな感じにルールが厳しいです。
これで、ガイドラインとマニュアルの違いがわかったと思います。
つまり、
ガイドラインは「ここまで自由にやってもいいよ」という「指標」であり、マニュアルは「こうしなければいけない」という「指示」です。
マニュアルが制約バッチリというのに対し、ガイドラインは自由がききます。
図にすると、上記のような感じです。
これを見てわかるのはなんでしょうか?
●マニュアルはMUSTだが、ガイドラインはOK。
マニュアルは指示に従わなければいけないのですが、ガイドラインはこの許容範囲だったら何をしてもOK。ということになります。
●マニュアルは応用の範囲がないが、ガイドラインは応用の範囲がある。
マニュアルはその通りにしないといけなのですが、ガイドラインはあなたにお任せ!!なんです。
これを別の言い方にすると、マニュアルは初心者でもでもできるが、ガイドラインは応用力のあるプロの方が望ましい。ということなんです。
わかりましたか。VMDガイドラインとVMDマニュアルの違い。
VMDインスタラクターの皆さん、ぜひVMDガイドライン作ってくださいね。
これがあると、売場空間のブランドが保てます。
また、ガイドラインを作ったら、これをもとに店舗VMD担当に研修をしなければいけません。
(vmd-i協会事務局)