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紳士服店のPP

アパレルVMDはセレンディピティ

アパレルVMDって難しいと思っている人が多いと思います。
今ある売場のどこがいいのか悪いのかわからない。
服はみんな同じに見え、なんでもいいような気がする。
だから今まで適当に売場をつくってきて、何が正しい売場なのかわからない・・・という悩みがあります。ではどうしたらいいか。

アパレルショップが他のお店と違うのは、お客様は確固とした目的買いというよりは、なんとなく服を見るということが多いことです。
お客様は、店内を歩いているときに、自分に合った感覚のものに出会えるとうれしいです。
それは 「こんなのが好き」という感覚です。

ただ、服に関心ある人ならともかく、「どんなものが好き?」と聞かれても明確に答えられないと思います。
それだけ漠然としたものが服なんです。

その上、服というものケータイや野菜と違ってジャンルが多くて広いということです。
選択肢が多すぎるんです。
アイテム、ブランド、オケージョン、年齢という違いの他に色、柄、素材、トレンド(流行りか懐古的か)、マインド(若いか落ち着いているか)、ディティール(ポンポンがついている、アシンメトリー)など、これでもか!!というほど選択肢があるんです。

上記のことから、お客様の 「こんなのが好き」という感覚が合致する出会いをつくるのがアパレルVMDと言えます。
これをセレンディピティといいます。
セレンディピティとはもともと、探してもいなかった宝を偶然発見することをいいます。

「こんなのが好き」というのは漠然とした潜在意識ですので、お店はお客様をうまくセレンディピティに出会えるように売場づくりをしなくてはいけません。
そうして、お客様が店内で素敵な服に出会えたら・・・買うつもりのなかったお客様に服を買っていただくことができるんです。

さて、お店がセレンディピティを意図的につくるなんてできるのでしょうか。
VMDならそれができます。
アパレルVMDはシステムなんです。
システムをお店に組み込むことができれば、店内を歩いているお客様のこんなのが好き、というセンサーに対して売場や商品がフィットしてきます。
すると、セレンディピティが店内ここかしこで発生し、お客様は「この服試してみようかな」と思うわけです。
セレンディピティ・システムのおかけで、お客様も店舗スタッフもウインウインになるわけです。

このセレンディピティ・システムを導入するには、やはりVMDを学ばないといけません。なぜならセレンディピティ・システムとは、VMDのことなんです。

アパレルVMDを学んで、ぜひ店内にお客様と商品の素敵なセレンディピティをつくってください。

●売場塾 アパレル基本講座

(vmd-i協会事務局)

タイムマーチャンダイジングを考えよう

お店というものは、昔は10時から夜7時でだいたい閉まるものでしたが、今は、コンビニは24時間は当たり前、大型スーパーでも夜0時まで開いているのが普通の時代となりました。

ところで、お店は毎時間同じような客層が訪れるものなのでしょうか。
一日を見ても、早朝・午前中・お昼・午後・夕方・夜・深夜・・・・と時間によって実にさまざまな客層がお店を訪れているのがわかります。

早朝は近所の年配の女性、昼になると主婦全般、午後は年配と主婦、夕方は学生、夜は勤め帰りのOL、深夜は学生や単身赴任者・・・とスーパーひとつを見ても時間によって客層は変わります。

ところが肝心の売場は、時間軸どころか平日と週末ですら、同じ売場展開をしているお店が多いでしょう。

客層はまったく異なるのに売場はいつも同じ・・・ということは、潜在的な顧客ニーズを売場が捉えていないので、販売機会喪失ということになります。

時間軸で、売場を可変できれば販売機会を逃さずにお店の売上はアップするはずなのに、なんとも惜しい限りです。
ちょっとした工夫で、その時々のお客様のニーズに合わせた売場展開をしましょう。

例えば、商品は同じでもPOPのキャッチフレーズを時間によって変えます。

そこがチョコレート売場なら、昼間は主婦用に「リラックスチョコは午後の紅茶に合う」 夜は社会人用に「チョコレートは残業の疲れを癒します」とか、ターゲットにあわせて夕方6時になると店員がPOPを変えるとかします。

また、PP(売場の小さな目に付くディスプレイ)も時間によって変えます。

上記のチョコレート売場なら、昼間は紅茶に合うブルボンのチョコレートをディスプレイに掲げ、夕方6時以降は、グリコのGABAというギャバが多量に含んだ眠気に強い残業向けのチョコをPPに掲げるとかするわけです。

棚をいきなりすべて変えるのは難しいので、POPやディスプレイ、可能ならエンドなどを変えて、その時間に訴求したいお客様に合うVMDを心がけましょう。

それがタイムマーチャンダイジングなのです。

 

(vmd-i協会事務局)