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VMD初心者が覚えたい13の課目

VMD初心者が覚えたい13の課目についてお話します。
これを覚えれば、自分のお店や他店を見ると、どこがよくて悪いのかがわかるようになります。

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ゾーニング
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それではゾーニングから。
ゾーニングとは、店内レイアウトのことです。

  • リレーション

売場と売場のつながりのことです。
例えば、キッチン用品では茶碗の横は箸が合います。
これをリレーションがいいといいます。
服店でエレガンステイストの売場横にロックテイストの売場は合わないです。
これをリレーションが悪いといいます。
売場と売場のつながりがよくないと、お客様の店内回遊率が減ります。

  • 売場の見通し

店頭から、店内奥まで見渡せるか確認してください。
奥の壁まで見えるのが正解。
手前の什器が林立していると奥は見えなくなります。
奥が見えないと、お客様は奥まで行こうという気がなくなってしまいます。

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IP
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次はIP。陳列のことです。

  • くくり

陳列をパッと見て、商品分類がわかりやすいか、確認してください。
色別、サイス別、柄別、香り別、値段別など、商品くくりがわかりやすい状態を、くくりがよい、といいます。
くくりとは、目で簡単に認識できる商品のカタマリのことをいいます。
アメーバのようなくくりはご法度です。
くくりが悪いと、商品を選びにくくなるので、不親切な売場といえるでしょう。

  • オーケストレーション

壁面の集合陳列のことです。
店は四方が壁でできていて、これがお客様に目立ちます。
そのため、お客様は店内に入るとき、自然と壁を見ます。
この壁の集合陳列がきれいでないと、店内全体が汚く見えてしまいます。
まさに、オーケストレーションはお店の鏡というわけです。
棚の並び方、PPとIP、商品のくくりなどがバランスよく配置されている状態を、オーケストレーションがよい、と言います。

  • フェイシング

特徴が一目瞭然にわかるように、商品を置くことをいいます。
お客様が商品を見てすぐ、商品の形、柄、機能などがわかるようにすること、これがフェイシングです。
文字通り、商品の顔をわかりやすくします。
パッと売場を見て商品が分かりにくかった場合、わざわざ商品を持って確かめる人はいません。
商品を見たら、魅力的な部分がすぐお客様にわかるように、商品は置かないといけません。

  • 商品同品番のアレンジメント

商品をわかりやすくきれいに陳列することをいいます。
色・柄・サイズ・重さなど種類がたくさんある商品の、わかりやすくきれいな並べ方です。
コツは、自然ぽく陳列することです。
重たいもの、大きいものは下に、軽いもの、小さいものは上に置くと自然です。
色についても同じ。
傘をグラデーションに並べたり、Tシャツを虹色順に陳列したりすると、きれいな売場に様変わりします。

  • 定量の設定

1つの棚やパイプに何枚・何個商品を並べるか、量を設定することをいいます。
特に、高額なブランドは比較的少なく置き、廉価なブランドは多めに置きます。
定量はお店の佇まいに影響を与えます。
伊勢丹サローネとユニクロの、お店の佇まいに差があるのは、こういう理由からなのです。

  • 色の絞り込み

売場の色や展開する商品の色を絞り込むことをいいます。
春先はセーターや食器の色を暖色に絞り込む。7月はブルー系のアクセしか出さない、などのことです。
ショッピングモールを歩いていて「きれいなお店だな」と思う店は大抵、商品の色を絞って展開しています。
ZARAやH&Mなど外国のファストファッションなどもそうです。

  • カラー商品展開

色の順番を決めて商品を並べることを言います。
シャツを虹色順に並べる。マカロンを対照色相でコントラストをつけて並べるなど、色の順番を決めます。
虹色順は色相配色といい、カラー展開の基本です。
コントラスト配色は、お菓子やくだものなどにオススメです。
おいしそうに見えること、間違いなしです。

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ディスプレイ配置
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最後は、効果的なディスプレイ配置の仕方です。

  • PP・IPの配置方法

展示と陳列がわかるように、メリハリをつけて商品を並べることをいいます。
PP(展示物)を棚のトップに置き、IP(陳列物)はその下にきれいに置く、などします。
雑貨店は壁にPP用の専門棚を作る傾向があります。
高さ170cm以上のところにPP棚を置き、下部のIPと区別しています。

  • PP・VPの配置方法

お客様を立ち止まらせ、店内で回遊させる展示物の置き方のプランです。
VPは店頭や店内ゾーンの入口に置き、PPはコーナーや突き当りに置くのが通常です。
80坪以上の大型店は、店内の各ゾーンの入口にもVPを置いていくとよいです。

  • マグネット売場

目立つ売場、マグネット売場をつくって、店内回遊を促進させましょう。
ディスプレイがキレイ、人気のブランドがある、什器のデザインが目を引く、など、マグネット売場のつくり方はさまざまです。
試飲・試食コーナーをつくるなどもマグネット売場の一例です。
マグネット売場がないと、単調な売場の連続になります。
目的買いのお客様には問題ないのですが、店内をブラつくお客様にとってはマグネットがあった方が、歩きまわる理由ができるので、店内滞在時間が長くなります。

(vmd-i協会事務局)

瞬殺!!VMD5秒トレーニング で売場づくりを鍛える

瞬殺!!VMD5秒トレーニングについてお話します。
これ、VMDのゲームみたいなもので、去年からわが社で
取り入れている研修コンテンツです。

瞬殺というのは、サッカーに例えるとサドンデスみたいなものです。
点が入るとゲームセット!!っていうやつですね。

同じように、5秒で売場のどこが悪いか言えないと失格!!
というやつです。

これ、受講生にけっこうウケていて、楽しいっていう人も多いです。
VMDインストラクターの方はぜひやってくださいね。

ご存知の通り、VMDインストラクターは、55のフレームワーク
という引き出しがあって、売場づくりを指導する際に、
それをいかんなく発揮しています。
つまり、売場づくりの欠点を瞬時に見抜き、頭の中の引き出しに
収納しているフレームワーク用語を使って、売場スタッフに
指導します。

フレームワーク用語があると、抽象的な言葉ではなく、詳細で正確な
指導ができるというわけで、VMDインストラクターの武器になっています。

例えば、壁面の陳列状態を見て、
●IPとPPのメリハリ
●フェイシング
●くくり
●カラーライゼーション
などの用語がポンポン頭の中の引き出しから飛び出て来る・・・
というわけです。

それを現場スタッフに伝えればいいのです。

もちろん、売場スタッフにVMD習熟度がない場合は、やさしい言葉に
置き換えて指導しますが、ある程度VMD教育がなされている売場は
これら専門用語で十分通用します。

これを写真でやるのが、瞬殺!!VMDトレーニングなんです。
やり方は下記です。

  1. 直しがいのある売場の写真をひとつスライドに出す。
  2. 「どこを直せばいい? 5秒見てから、なるべくフレームワーク用語で言って」
    と講師は言う。
  3. 講師は5秒、声に出してカウントする。
  4. 受講生はまずフレームワーク用語を言ってから、直し方の詳細を言う。
  5. 講師はそれを聞いて正す。

こんな感じ。
特に4がおもしろいです。
受講生は、「ええっと」とか言いながら、
「くくりが不鮮明ですね」と言い、
「紅茶売場のくくりがわからないので、どこがアッサムでダージリンなのか
カタマリをつくって、カタマリとカタマリの間に
ネガティブスペース10cmほど空けるといいですね」
などと言えば、瞬殺は勝利!!

「次はPOP編集が違うかな・・・」
「というのは、プライスカードと商品説明POPが混ざり合って、
どの商品を指しているのか、わからないので」
「プライスカードは商品のカタマリの真ん中に設置、
商品説明POPは、カタマリの左側に立てます」

などと言えば、瞬殺は受講生の勝利!!です。
(ここまで言えると一級モノです)

これ、最近のVMD初心者研修でもやり始めていて、
自分たちの売場の写真を瞬殺!!トレーニングに使うと、
「あー、やられたなー」みたいに現場スタッフは納得してくれます。

そして、研修終わった後も、受講生が
「ネガティブスペース!!」
「PPとIP!!」
「リピテーション!!」
と口ずさみながら暗唱している風景を見ます。

こういう初めての用語を自在に使えると言うことは、
受講生にとっておもしろいんです。
用語は専門用語なので、研修のやった~!!感も醸成できます。

確かに、「専門用語覚えても、意味はない」とおっしゃる方も
いると思います。

しかし、専門用語を覚えると、生徒はわかった気になり、
専門用語を現場で口ずさむことによって、いつまでもフレームワークを
覚えてくれます。
さらに、本部やスタッフ同士のいつもの会話の中に入れていただくと
効果が増し、売場はVMDがキープされた状態を続けることができます。

たかが専門用語、されど専門用語。
そもそも専門用語がないと、VMDだけでなく釣りもヨガも上達しません。

VMDインストラクターの皆さん、ぜひVMD研修で
瞬殺!!VMD5秒トレーニング やってくださいね。(^^)

ちなみに、瞬殺は当社のメソッド「フレームワーキング」が
ベースとなっています。

●フレームワーキング

(vmd-i協会事務局)

ディスプレイ構成を直そう

ウインドウを見て歩くと、バランスのよくないディスプレイに当たります。
特に服飾小物とマネキンとのバランスですね。

多いのが、バッグとマネキンとのバランス。
バッグを肩に掛けずに床に置いているケースが目立ちます。
これはバランスあまりよくないです。
ボストンやビッグトートーは確かに重量感があって、床に置きたいのはヤマヤマですが、ぺったんと床に置くと服との距離が高すぎてヘンです。

中にはハンドバッグを床に置いたりしています。
これはクリンリネスの観点からいってもペケですね。

遠いと、バッグと服とのコーディネートの統一感がないですし、だいいちバッグが目立たないです。
床に置いたグリーンとバッティングして隠れたりしています。

こんなときはスツールを使って、ぐいーーーっとバッグを上げましょう。
バッグをマネキンの手の高さまで上げると、コーディネートも ピッタンコです。

ディスプレイ構成はアシンメトリー構成がおススメです。
普通はマネキンを2.3体固めてトライアングルをつくるんですが、この場合は2.3体を離して真ん中に谷間をつくるんです。

その谷間にスツールを置いて、その上にバッグを置きます。
靴やショールも一緒においてもいいですよ。

スツールは左右どちらかのマネキンにピッタリつけます。
これでアシンメトリー構成の完成です。

自分の店のウインドウやVP台に置いたディスプレイのバランスが ヘンだなと思ったら、服飾雑貨とのバランスがおかしいケースが多いです。
そんな時は、スツールを使ってアシンメトリー構成にしてみましょう。
きっと美しいディスプレイになりますよ。
(vmd-i協会事務局)