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サービス店舗にもVMDを教えていきましょう

ショッピングセンター、ショッピングモールに関しての基本知識をまずはお教えしましょう。
ここ数年で勢いがあるテナント種目は、食品、飲食、サービスです。
特にサービスの比率が高く、出店数から退店数を引いた店舗数は500~600テナント数で、種目中では断トツです。
サービス店舗と言うのは、物販ではなくサービスを売り物にしている店舗のことです。
クリーニング、カフェ・レストラン、エステ、マッサージ、ヘアサロンなどです。
一方、ファッションは-800~-1000テナント数で、激減しているといっていいでしょう。
それほどファッションに勢いがなくなっています。

さて、もともとVMDはファッション中心になっていたのですが、以上のことからサービスに対応できるVMD理論に移行する必要があります。
VMDインストラクターは、SCに出向いてVMDセミナーを開くことが多いのですが、200あるSCでもすべてのテナントが出席しているわけではありません。
出席者はアパレル、食品、雑貨などの物販の方中心です。
テナントの半分近くを占めるサービス店舗の方にもぜひVMDセミナーに参加してほしいです。
なぜなら当VMDインストラクター協会のVMD理論は、サービ業にも十分使える理論だからです。

サービス店舗のVMDとはなにか?
特徴として、サービス店舗は、サービスを売っていますので、店内にあまりなく、エステのメニューサービスとか、マッサージの料金表とか、写真の仕上がりプリントとか、ポスター等POPとかが、ビジュアル物になります。
また商品を陳列することはできないので、イメージ展示をしなければいけません。例えば、レストランならテーブルに食品サンプルと食器を展示するとか、旅行代理店ならハワイのビーチサイドの雰囲気の展示をつくるとか・・・になります。

このように、空気を売っているようなサービス店舗に対して、通常の物販店舗のVMDをそのまま教授しても、あまり役には立ちません。
モノはないりので当然です。サービス店舗に即したVMDを教えなければいけないです。
それはどんなVMDでしょうか、ズバリお教えします。

  • MDカレンダーとそれに付随した展示ローテーション
  • 展示のテーマと演出方法
  • POPの種類とコンテンツのつくり方
  • 販促ツールの企画とつくり方
  • 体験プロモーションの企画方法

各々をもう少し深堀してみます。

・MDカレンダーとそれに付随した展示ローテーション

サービス店舗は、季節や社会行事の変化によって、通年サービスを強調しなければいけません。
カフェだったら、いつものコーヒーを宣伝してもしょうがありません。春夏秋冬とは打ち出し方を変えるべきですし、オフィス、アウトドア、ホームというようなオケージョンをベースにして考えても、打ち出し商品は違いますし、パーティやギフトというモチベーションによっても訴求方法が違います。
それを考え見て、時系列による打ち出しのメリハリを教えていかなくてはいけません。

・展示のテーマと演出方法
サービスを打ち出すコーナーをつくり、そこに上記MDカレンダーに合わせた展示を入れていきます。
展示形態は、テーブルディスプレイにするのか、入隅什器のコーナーをつくるのか、柱周りぐるりにするのかなどの、環境づくりが必要です。
次にそこにどんなテーマでどんなディスプレイをつくっていくのかを教えます。

・POPの種類とコンテンツのつくり方
POPには告知POPや演出POPなどの種類がありますので、どんな種類のPOPをどのようにデザインし、どのような器具でどこに配置するのか教える必要があります。

・販促ツールの企画と実施
POPの他に、パンフレットやチラシなどの補助ツールが必要な場合、それらも作らなくてはいけません。
特にメーカーの場合は、テレビや新聞、ネットなどと連携したツールが必要です。
これらのツールのつくり方を教えるとよいでしょう。

・体験プロモーション
来店したお客様にどのように体験させるかの企画が必要です。エステならお試しや肌の悩み相談など。カメラプリントだったら、短時間のスクラップブッキング教室を開くとかの施策になります。
これらのプロモーションの組み立て方を教えるとよいでしょう。

サービス店舗のVMDの教え方を言うと、ざっとこんなところです。
ちなみに、売場塾では、POP指導講座やディスプレイ指導講座などでこれらの要素を入れた授業を行っています。

VMDインストラクターの皆さん、これからのVMDは、モノを売っていないサービス店舗にも適応できるスタイルを築いてくださいね。
SCの半分を占めるようになってきたサービス店舗にもVMD広げていきましょう。

(vmd-i協会事務局)

漏れがない店舗診断には想起法が利く

店舗診断はVMDインストラクターだけではなく、中小企業診断士などの経営コンサルタントがよくしているコンサルティング手法です。

店舗診断の方法で、よくあるのがチェックリスト法です。
チェックリストを持って短時間で売場を回り、加点方式や○×式で記入するものです。
チェック項目は、採点範囲により10~40位と幅がありますが、毎回同じ項目をチェックすることによって、項目ごとに改善の進行具合を確かめることができます。

VMDを初めて導入した会社や、VMDコンサルタントとして独立したばかりの方にとって、チェック法は採用しやすく、ミステリーショッパーなどの調査会社でもなじみがあります。
私が教鞭をとっている売場塾でももちろん、基本講座でチェックリスト演習をしています。フィールドワークではチェックリストをもとにお店をオリエンテーリングしています。

ただ、このチェックリスト方式、実は漏れがたくさんあるんです。
例えば、下記のチェックリストをつくったとしましょう。

  1. 店内見通しはいいか。
  2. 店頭VPのテーマはわかりやすいか。
  3. 店頭から見て、売場の区切りは明確にわかるか。
  4. 陳列は正しく分類され、くくられているか。
  5. 商品のフェイスは見やすくなっているか。
  6. 店内PPのテーマはわかりやすいか。
  7. マグネット売場は店内に設置されているか。
  8. 通路幅は来店客に適した広さになっているか。
  9. POPは規則正しく売場に設置されているか。
  10. お店のクリンリネスは保たれているか。

と、とりあえず10項目書きましたが、じゃあこれをすべて守れば、うちのお店のVMDはパーフェクトかというと、そんなことはありません。
漏れがやたらあるんです。

例えば、

  • 照明が暗い個所があるが、それはチェック項目にない。
  • 字が読めないPOPがたくさんあるが、それはチェック項目にない。
  • そのブランドらしからぬ什器のデザインだが、それはチェック項目にない。
  • ディスプレイ構成がバラバラな箇所があるが、それはチェック項目にない。
  • トイレットペーパーの横に高級化粧品が来ていて売場のつながりが変だが、それはチェック項目にない。

などと、数え上げればキリがありません。

じゃあ、チェック項目を100位にしてそれを毎回チェックすればいいんじゃない?ということになるとします。
それでは1週間しか持たないでしょう。
毎回、チェックに時間がかかりすぎ、継続的ないからです。

そこで、想起法の登場です。
想起法とは一言でいえば、VMDの六法全書の中からルールに違反している項目を抜き取り、「この売場はここがルール違反になっていますよ」と、改善点を指摘する方法です。
VMDのプロであるVMDインストラクターは、頭の中に売場づくりの六法全書が入っているので、売場を見ただけで「ここが悪い」というのがわかります。
この六法全書、どのくらいのルールが入っているかというと、基本55のルールが入っています。
さらに基本の進化系として、追加したルールがあり、その数は100位。
しかも項目は毎年更新・追加しています。

なんだ、結局100じゃん、と思うかもしれませんが、想起法というのは、売場を見て、頭の中の100項目のうち、必要と思うものを取り出しさえすればいいのですから無駄がありません。
100のうち、20だけ改善項目が必要かもしれないし、50あるかもしれない。
毎年、いろいろな店舗診断を遂行していて、「これは項目に入れたほうがいいな」という新しいルールを作り続けているので、今のところ、漏れはないようにできています。

例えば、最近照明の問題に関しては、下記のルールを設定しました。

・全体照明
→明るさ
→色
→照明器具
→健康・安全性
・部分照明
→明るさ
→色
→照明器具
→健康・安全性
・店外照明
→照度・輝度
→意匠
→健康・安全性

売場塾では、改善項目のことをフレームといい、別名「売場づくりの型」と言っています。
余談ですが、最近は「きれいさ」もフレームに入れました。
以前は売場をきれいにしておくのは当たり前のこと、で改善項目に入れなかったのですが、けっこう汚いお店も多いことから、スタイリング・クリンリネス・快適性という型を追加しました。

話をまとめると、想起法とは下記です。

  • 売場づくりの六法全書を頭の中の引き出しに入れておいて、それから売場を見る。
  • 売場の悪いところを頭の中の六法全書の該当項目から取り出す。
  • それをスタッフなり、クライアントに、わかりやすくまとめて指摘する

こんな感じです。
すると漏れはありません。
このしくみを当社は「フレームワーキング」と呼び、商標も取っています。

最後にひとこと。
売場づくりの六法全書のことをガイドラインといい、ブランドごとにガイドラインは違う、つまり売場づくりのルールは違う・・・ということを念頭においてください。

(vmd-i協会事務局)

プロトタイピングでモデル店舗を作る

プロトタイピングとは、プロトタイプのお店をつくることです。
プロトタイプとは標準的なお店のことです。
実験店のようなものです。

チェーン店は、新規のショップブランド店を出す時や、今までの芳しくない店をリモデルする時に、お店を一から作り直します。
その時、もしこれが成功したら水平展開して他のお店も替えようということになります。
これがプロトタイピングの始まりです。

ユニクロやMUJIのお店がどんどんいい方向に 変化して行っているのかは、このプロトタイピングを常にしているからなんです。

例えば、MUJIの一昨年新しくオープンした、大阪グランフロントの店はプロトタイプです。
これまでにない、新しい店でした。

ショップデザインやMD、体験スペース、ディスプレイ等、VMDの4つのジャンル全てが変わった新しい展開でした。
このプロトタイピングがうまくいったので、他店も徐々にこの業態に変えていっているのです。

プロトタイピングは単に店舗をカッコ良く リニューアルするのではなくて、リモデルするのがポイントです。
売り方を一から変えるのです。

VMDインストラクターはこのリモデルの業務が多く、リモデルを企画運営実施できるノウハウやスキルをもっている方は1級といっていいでしょう。

このプロトタイピング、一つ欠点があって、実験店なのでお金がかかることです。お金をかければ、そこそこいい店はできるのですが、水平展開できなければ意味がありません。

すべてのチェーン店にお金をかけるわけにはいかなので、店舗改装費、維持費、人件費が全店にかからないようにしなければいけません。
だから、「改装するからお金かけてもいい」ということでプロトタイプ店をつくってしまうと、チェーン店展開が難しくなるのです。

もちろん、最初はイニシャルコストと言って、プラン・コンサルティング費、マーケティング費などがかかります。
しかし、2軒目以降はこの負担が少なくなります。

あと、プロトタイプの売上がダメだからといって、もうそれをやめてしまう会社も多いです。

プロトタイピングは、プロトタイプ1店つくったら終わりではなく、検証しながら徐々にいい方向へ変えて行くのです。

プロトタイピングにおける最初の店はうまく行かなくて当たり前。
なんせ実験店なので試行錯誤が必要なんです。
だから、最初の店を著名な建築家に頼んだだけでは意味ないんですよね。

プロトタイピングはプロジェクトチーム化が必要で、人員の振り分けと予算、そして経営幹部の容認が必要です。
だから、独立しているVMDインストラクターは、プロトタイピング1店限りの契約でなく、プロジェクトとして最低半年は契約することをお勧めします。
(vmd-i協会事務局)