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フォルダー中の写真

タイパ!売場写真整理術

1.店舗や売場の写真を撮る機会とは

VMD担当の皆さんは、売場や店舗を撮影する機会がたくさんあると思います。

自社チェーン店の臨店指導や期ごとのリバイス(売場編集)の記録として撮っているケースが多いと思いますが、下記の撮影機会もありますよね。

2のテーマハンティングというのは、ーマを持って街中に事例写真を撮りに行くことを言います。
例えば、下記のような場合です。

  1. 話題の店がオープンしたとき
  2. テーマハンティングをしているとき
  3. あるお店を定点観測しているとき
  4. 海外視察に行ったとき

2のテーマハンティングというのは、テーマを持って街中に事例写真を撮りに行くことを言います。
例えば、下記のような場合です。

●今研究しているテーマ
・ショップインショップ形態の什器レイアウトのタイプ
・ゴールデンデーンにおける商品のローテーション変遷
・カテゴリ別プライスカードのデザインとテキスト表現

●研修に活用できそうなテーマ
・1カセット1テーマの売場と、1カセット2テーマの売場
・ウォールウォッシャーがある売場とない売場
 ※ウオールウオッシャーとは壁面照明のこと
・陳列がヨコくくりになっている売場とタテくくりになっている売場

●ベンチマーキングしている店舗
・リブランディング中の「ファンスタイル」店舗
・「ツタの道書店」の新業態店舗
・リサイクルショップ「ファンファーズ」の大型店
 ※店名は架空です3は競合店などが対象になると思います。

1から4以外でも、今はスマホの時代。
街中歩いていても買い物中でも、気になった売場や店舗はカシャカシャ撮影していると思います。

それに今では、ヨドバシカメラのように店内撮影OKを公に謳っている店舗や、伊勢丹や島忠のようにSNS撮影コーナーを設けている店がたくさん出てきています。
フロアはみんなフツーにスマホで撮影する環境になっており、SNSにはたくさんの店内写真がアップされています。

※ただ注意しておきたいのですが、基本的には店内写真は撮影禁止になっています。

2.写真の整理の仕方

撮影した写真をあなたはどうしていますか。
よくある話が、スマホで写真を撮ってずっとそのままにしているケース。
写真はまったく振り返えられることなく、スマホの中に置き去りになっています。
これではもったいないと思います。

上記のようなVMDの参考写真のみではなく、レストランの料理、買ったスイーツ、紅葉の景色などもスマホに収まったままでは、そのうち忘れてしまうますよね。

私は、折に触れてスマホやデジカメの写真を整理しています。
その手順は下記です。

  1. スマホまたはデジカメのデータをパソコンに移す
  2. ツカエル写真は残して、ツカえないものはゴミ箱に入れる
  3. ツカエル写真にキャプションを入れる
  4. 写真をフォルダーに突っ込む

順を追って説明します。


1.スマホまたはデジカメのデータをパソコンに移す

スマホの場合は、USBのケーブルを使ってスマホとPCをつなげて写真データをフォルダーごと移しています。
スマホのメモリは2.3枚の写真を残してスッカラカンになります。
デジカメはメモリカードからデータをPCへ抜き取って完全に空にしています。

こうすると本当に気持ちいい!
スッキリしますよ。(^^)


2.ツカエル写真は残して、ツカえないものはゴミ箱に入れる

ぼけている写真、構図がイマイチの写真、たいして必要ない写真はすべてデスクトップ左上のゴミ箱に捨てます。
iPhoneの場合は、自動的に動画がセットで静止画に添付されているので、動画もすべて削除します。


3.ツカエル写真にキャプションを入れる

ここが一番大事なところ。
ツカエル写真にキャプションを入れます。
JPEGのナンバーになっているキャプションを日本語にするんです。

そのキャプションは下記のタグキーワードで構成されています。

  • 撮影した日にち 例)2024.11.16
  • 撮影した場所 例)銀座 上野 広島など
  • 撮影した商業施設 例)伊勢丹 イオン京都店 ルミネ新宿 丸井上野店
  • 撮影した店 例)プラザ キッチン212 セオリー
  • フレームワーク用語 例)オーケストレーション ディスプレイ構成 什器デザイン
  • VMD用語 例)VP PP IP ゾーニング 定数 定量 グリッド ネガティブスペース
  • その他のキーワード 例)みやげ店 家電 雑貨 コンビニ スーパー スペイン

1つの写真に対して、これらのワードを1角スペースを入れて下記のように羅列します。

例)2024.11.18 上野 丸井上野店 プラザ オーケストレーション PP IP 三角構成 雑貨

これでキャプション明記は完成、あとはひとつのフォルダーに放り込むだけです。

3.写真を探す時間が劇的に減る方法

こうして、ひとつのフォルダーに写真を放り込んだらどうなるか。
写真を探す手間が劇的に減るんです。

例えば、VMDの勉強会をあなたが行うことします。

「あしたは、みんなにオーケストレーションのよい例を紹介したいな」
「ハワイで撮ってきた写真にいいのがあったな」

と思ったら、写真を収納したフォルダーを開いて下記のよう検索窓に入力します。

「ハワイ」
「オーケストレーション」

すると、ハワイで参考になったオーケストレーション写真がすべて出てきます。(下写真)

「カラーが絞り込まれた店の写真を見せたい」

と思ったら

「ハワイ」
「カラーライゼーション」

と入力すると下のように写真が出てきます。

これを

「アパレルに絞ろうかな」

と思ったら

「ハワイ」
「カラーライゼーション」
「アパレル」

と入力し検索します。
すると下のようになります。

ここから「いいな」と思った写真を抜き取れば作業終了。
簡単です。

いかがですか。
スマホやデジカメの写真を面倒くさがらずにちゃんと整理していれば、あとあとタイパになるんです。

昨今ほとんどのセミナー講師が、セミナー前日に半日かけて写真を探しているのではないでしょうか。
私だったら1分で済みますよ。(^^)

4.ポイントはVMD用語とフレームワーク用語

写真のキャプションは長くなっても大丈夫。
思いつくまま、どんどん単語を入れましょう。
このやり方は、データにタグを付けるのと同じなんです。

売場塾生は特に、タグとして「フレームワーク用語」を入れるといいです。
フレームワーク用語はいわゆるVMDの型を表す単語です。
55あり、
・ディスプレイテーマ設定
・スペーシング
・フロアレイアウト
など多岐の用語に分かれています。

売場塾のテキスト巻頭にはフレームワーク用語の表があり、どのページでどの用語を解説しているか明記しています。
キャプションに「スペーシング」と書き込むと、スペーシングに長けた売場写真を見つけることができ、それを見ながらテキストの該当ページを紐解くと、効果的な復習になります。

フレームワークにつきましては、売場塾のメソッドになっているので、下記を参考にしてください。
●フレームワーキング(R)

売場塾受講していない人は、単純に VP PP IP とか 三角構成 リピテーションなどを検索語とすればいいんですが、用語の引き出しが少ないと効率は下がります。

例えば、「オーケストレーション」という用語を知らなければ、「壁面のきれいなディスプレイ」または「PPとIPが一緒になっている壁のディスプレイ」などと検索することになります。

これでは写真すぐに出てこないですよね。
専門用語をたくさん知ってボキャブラリーを増やす努力をしてください。

5.写真でショップスタッフを理解させる

キャプションによる写真整理の利点はまだあります。
本部のVMDインストラクターがお店のスタッフに売場づくりを教えるのに一役買います。

本部のインストラクターの方は、店から写真を送ってもらって売場やディスプレイをチェックしています。
その時、下記のようにテキストで、報告シートまたはメールに書き込んでいると思います。

A「壁面カセットのMDテーマが2テーマになっているので1テーマにして下さい」
B「オーケストレーションのキャッピングをシンメトリーにして下さい」

※キャッピングとは

その時に、参考写真を添付してあげると、現場スタッフは理解しやすくなります。
Aの場合ですと、1カセット1テーマの写真と1カセット2テーマの写真を添付するといいです。
Bの場合ですと、キャッピングがシンメトリーになっている写真を添付するとよいです。

Aの場合ですと、検索窓に「カセット」を入力するだけ、
Bの場合ですと、検索窓に「キャッピング」を入力するだけで写真が出てきます。

私の場合はさすがに22年VMDの会社やっているので、写真は1万枚以上保存しています。
キーワード検索すれば、すぐに該当写真は出てきます。

コンサル契約したクライアントにアドバイスするとき、よく参考写真を送っています。
国内よりも海外で撮影した写真が多く、惜しみなく送っています。
分かりやすいと好評です。

6.キャプション整理テクは趣味にもツカえる

実は、こうしたキャプション整理テクニックは、日常のプライベートにも活用できます。

私は、お菓子や飲み物が好きなので、買って食べたお菓子・弁当・パン、飲んだワイン・ビール・コーヒー・紅茶などはすべて写真にキャプションを入れて整理しています。

このことは、下記ブログでも紹介しました。
●買うのにわかりにくい商品をどうVMDでわかりやすくするか

ワインとビールは上記ブログにある通り、ワインブックとビールブックを作って整理しています。
他の飲み物やお菓子は、VMD写真整理と同じで、キャプションを書いてフォルダーに放り込んでいます。
下記の様な感じです。

試しに「クリスマスケーキ」で検索してみましょうか。
こんな感じで、今まで買ったクリスマスケーキが出てきます。

キャプションには、下記のような感想が書かれています。

「味がはちみつやクリームなど幾層にもなっている」
「レーズンがたっぷり入っていて食べ応えあり」

これを参考にすれば、クリスマスケーキを買う時ハズレも少なくなります。

コーヒーに関しても同様です。
コーヒーは見た目よりも味と香り、産地が肝心なので、大いに買う時の参考にしています。
今はいろいな店のマンデリンを飲み比べています。

 

いかがでしょうか、写真整理テク。

面倒くさがらずに習慣化すれば、あなたの貴重な宝になりますよ。
ぜひトライしてみてください。(^^)

なお、キャプション写真を使った店舗スタッフトレーニングや教材制作などは、売場塾「VMD教育指導講座」でみっちり教えています。
興味ある方はぜひお越しください。(^^)
オンライン講座も併設しています。

●VMD教育指導講座

※今回の関連ブログリンク

●テーマハンティング型店舗視察
●日常からVMDの法則をつくる方法

(vmd-i協会事務局)

陳列の整理整頓は get thigs square

整理整頓とは、ものを四角くすること

英語でget thigs squareとは整理整頓するという意味です。
これ、直訳するとものを四角くするという意味です。
とても理にかなっている言葉だと思いました。

例えば、子供がメイプルマニアのバタークッキーを食べていたとします。
(上の写真)
外国人のあなたは子供にこう言うでしょう。
「Get thigs square!」(テーブルの上を整理しろ!)
慌てて子供は下の写真のように直しました。

写真を比べてみてください。
机の上のものが四角になっています。
下の写真を見てください。線を引きました。こんな感じです。
要はバラバラの方向を向いていたものを四角く固めたということです。

ディスプレイを整理整頓しよう

これはVMDのIP(商品陳列)に当てはめることができます。
上図を見てください。
あなたはインテリアショップの店長です。
テーブルの上の小物を見て嘆いています。
「なんだか商品がバラバラだな」。

何とかしたいですよね。
そこで、get thigs squareを応用します。
そこで、まずは商品をタイトにします
タイトとは、「寄せる」という意味です。
下図のように商品を寄せて商品のカタマリをつくります。

商品のカタマリの周りは隙間をつくってください。
この隙間のことをVMD用語でネガティブスペースといいます。
ネガティブスペースがあると、カタマリがわかりやすくなります

でもまだこのままでは、整理整頓は道半ば。
これを四角くしないといけません。
下図のように各々のカタマリを四角くしました。
これをくくりと言います。

陳列は四角く商品をかためることにより、整然としてきます。
線を入れると下図のようになります。

これはただ四角く固めただけではありません。
グリッドラインが合っているんです。
赤い点線がグリッドラインです。

グリッドとはタテヨコの線を揃えることを言います。
グリッドラインを揃えることにより、よりカタマリは整理整頓されます。
グリッドライン①は各カタマリの頭が揃っています。
グリッドライン②は各カタマリのタテ中央が揃っています。

まとめです。
改めてBefore Afterを見てみましょう。
整理整頓の仕方は次の順序。

  1. タイトに商品を固める。
  2. ネガティブスペースを各カタマリの間につくる。
  3. カタマリを四角くする。
  4. グリッドラインを揃える。

棚の陳列を整理整頓しよう

今度は実戦です。
コンビニのオーラルケアの売場を見てみます。(上の写真)

きれいな整理整頓ですね。
商品が四角くくくられているのがわかります。
しかもグリッドラインがピターーーーとあっています。
下の写真を見てください。
これが本当の整理整頓ですね。(^^)

アメーバは厳禁

今度はダメな例を見てみましょう。
一見、きれいな四角になっているように思います。

線を引いてみます。
あれれ、なんか気になるところが・・・。
そう、右のパイナップのトレーがアメーバになっているんです。(下の写真)

くくりが四角くなく、アメーバになってしまうと陳列は乱れてしまいます。
せっかくの壁面陳列が台無しですよね。
この場合は、アメーバの元凶になっているパイナップル1台をサーフボードに変えるだけでいいんです。
すると、壁面ディスプレイはきれいになるし、お客様も選びやすくなります。

アパレルショップの応用

あなたがアパレル店スタッフだとします。
4段ある棚に3色あるTシャツを畳み置きするとします。
サイズ別に上段からS,M,Lと並べていきました。
色でタテくくりになりました。
きれいな四角ですよね。

でも途中で本部からもう1色黄色の追加が来ました。
すると、「青はあまり売れないから黄色をいれちゃえ」と、あなたは無理矢理1色を追加して下図のようにしてしまいます。

あらら、見事なアメーバ。

これではきれいに見えないばかりか、お客様が選びにくくなってしまいました。
「青のLはどこにあるの?」
「黄色はSはないの?」
お客様はすぐに選べないので、あなたは質問攻めに。
ますます忙しくなってしまいました。

このように陳列をアメーバにしてしまいますと、デメリットの方が多くなります
この場合、あなたがやるべきことは、青を全部下げて黄色と変えること。
週ごとに様子を見て、色をローテーションしていけばいいのです。
つまり、いつも3色を保つということです。

それでも、どうしても4色出したいという場合は、他の什器や棚と調整がつかないか、試してみることです。
リレーション(隣に違う商品を入れてみること)、定数(什器の棚数を変えること)、VMD分類(各棚にサイズ別でなく色別に並べ替えるなど)などを駆使すれば、陳列は調整でき、すべてが丸く(四角く)収まります。

わかりましたか。
get thigs square!!
売場のたたずまいを美しくするには、get thigs square。
これを覚えてくださいね。

陳列もっと覚えたーーい、というあなたは、ぜひ「商品陳列」セミナーにお越しください。
7/28にオンラインで開催します。
●センスアップセミナー「商品陳列」

(VMDインストラクター協会事務局)