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POPの種類と場所を知って売場をブランド化しよう

POPには種類があり、種類によって設置する場所が決まり、設置する仕様が決まります。
POPがうまく活用されていないと思うお店のほとんどは、POPの種類がバラバラにいろいろな場所に貼られています。
家電量販店しかり、ドラッグストアしかり、お土産店しかりです。
このようなPOP混とん店舗では、POPは売場のノイズになり、販促になるどころか売場の佇まいを汚してしまっています。
売場を整然とさせ、かつ正しい情報(POP)を正しい場所で、商品の販促になるようにするには、まずPOPには種類があるということを知りましょう。
そして種類ごとに設置する場所が決まるということを知りましょう。
以下にPOPの種類と設置するときの注意点をお話します。

■案内POPの注意点
営業時間やセール情報など、お店の情報を発信するのが案内POPです。
来店するお客様全員へ案内することが多いので、すべてのお客様が通過したり、滞留する場所を選びます。
売場のデッドスペース、トイレへの通路に貼っても見る人は少ないので注意しましょう。また、シール仕様の場合はガラスにたくさん貼ると外からの視認性が悪くなるのと、クリンリネスに差し障りが出てきます。

■演出 POPの注意点
演出POPとは文字通り、商品やブランドを演出するPOPです。
モデルのポスターや景色などの情景描写の写真をフレームに入れたPOPなどです。
ショップブランドや商品ブランドの世界観を醸成させるのが役割なので、他の種類のPOPを隣接させすぎると、それがノイズになってしまいます。
例えば、霧のかかるスコッチウイスキーの醸造所のポスターを使った、ウイスキーギフトのディスプレイの棚に、「18歳以上は飲酒禁止」という赤文字ででかでか書かれた注意POPがあると、ブランドイメージは損なわれます。
また、ディスプレイの一部に組み込む場合は、展示全体の構成に留意します。

■告知POPの注意点
告知POPとは、セール、フェア、イベントなどを告知するPOPです。
告知POPを店内にポツンと1つだけ設置しても賑わいはありません。
数をたくさん用意しましょう。
等間隔、高さ、グリッドラインは必ず守ってください。
その時、同じデザインのPOPを最低3つは連続させるとよいです。
違うデザインのPOPを連続させても、情報が多すぎてノイズになるだけです。
また、メイン通路を歩いている通行人や幹線を走っているドライバーから見える位置に配置させます。
のぼりのように風になびくものは見えるようにします。
お客様から見えないPOPは意味がありません。

■誘導 POPの注意点
誘導POPとは、お客様を売場に誘導するPOPで、ブランド名やアイテム名などが書かれた札などを指します。
分類POPなどもこの中に含まれます。
売場を見ただけで、大分類POP→中分類POP→小分類POPが適正配置されていなければいけません。
デザイン、グリッドなどにも気をつけます。大→中→小の順に高度を下げ、サイズも小さくして設置します。
これを怠ると、どこに何があるのか、商品くくりがわかりにくくなります。

■説明POPの注意点
プライスカードやショーカードなど商品やブランドを説明するPOPです。
POPが商品から遠く離れていたり、グリッド配置・リピート配置をしないと、どのPOPがどれを指しているのか、わからなくなります。
例えば、棚にプライスショーカードを配置する際は、タテヨコのラインを合わせてPOPを置いていきます。その時、POPは必ず商品の左側(あるいは右側)に置きます。
また、カウンター上にメニュー表やスペック表をたくさん置くと、カウンターが煩雑に見えてしまいます。
その場合はファイルブックにし、ブックスタンドに立てかけるなどします。

■注意 POPの注意点
注意を促すPOPです。
「火気厳禁」「20歳未満の方は購入できません」「冷暗所に保管ください」など。
このPOPは目立たなければ意味はありません。
なのでサイズはある程度大きい方がよいです。
特性上、赤などの目立つ色を使いますが、あまり数が多すぎると、ブランド演出・ディスプレイ演出の妨げになるので注意が必要です。

あなたのお店をぐるりと見まわしてみましょう。
まずはどんな種類のPOPのあるか見分けをして、種類ごとにきれいに固めておこなうことから始めるとよいてじょう。
売場が見やすくわかりやすいスペースに変身できる第一歩となります。

なお、このPOP活用体系はオンラインセミナーで詳しくやっています。
年に2回開催しています。
●POP店舗診断ゼミ

(vmd-i協会事務局)

POPは貼るのではなく、設置する

私たちは、「POPを貼る」という言葉を気軽に使います。
「POP」は「貼るもの」という認識が強い証ですが、「POPを貼る」という概念で売場をつくると、どうなるのか?考えてみましょう。

壁がポスターで埋め尽くされている旅行代理店の店頭。
実機とモックとパンフレットとPOPがごちゃごちゃになっているスマホ売場。
有名ブランドのメイク用品売場は、プライスカードがPOSレールを大きくはみ出し、「サマーフェア」の告知POPとケンカしています。モデルの雑誌キリヌキPOPがそれに参戦していて、肝心のメイク商品が見えません。

こんな光景は、専門店や量販店でよく見られることでしょう。

このように、売場の空いているところに、セロテープでせっせとPOPを貼ってしまうケースが後を絶ちません。POPは本来、商品や売場をわかりやすくするものですが、POPで売場が埋められ、逆にわかりにくくなってしまっています。

POPは貼るものでなく、設置するものなのです。
貼る用途に使うセロテープは、単なるPOP器具のひとつでしかありません。
紙とマジックとセロテープがあればPOP設置は完成すると思っている方が多く、その考えは間違っています。
正しいPOPの設置の仕方は下記になります。

  • 演出POP、説明POP、案内POP、告知POPなど、どの場所にどんな種類のPOPが必要か考える。
  • 売場を構成している、什器、柱、壁、床、天井などの環境とデザインを把握する。
  • それぞれの種類のPOPを、どんな器具でどのように設置するか考える。
  • POPのデザインを考え、作る。サイズ、色、素材、フォント、余白などを決める。
  • POPのトーンアンドマナーにあったPOP器具を選定する。またはオリジナルで作る。
  • 商品を展示または陳列する。
  • POPを設置する。

このような順番でPOP設置を行うと、売場は整理整頓され、商品は見やすくわかりやすく、そして選びやすくなります。
POPとPOP器具のデザイントーンアンドマナーは売場にフィットしてるので、ブランドの世界観を損なうこともありません。

POP器具を知り、売場の適材適所に応じた正しい付け方を習得することは、売場の立ち寄り率、商品の買い上げ率にも大いに寄与します。
まずは、POP器具の種類と使い方を学習しましょう。

(vmd-i協会事務局)

POPはディスプレイの一部と考える

家電量販店やドラッグストアなど商品がたくさんあるお店ではおびただしい数のPOPが売場を埋め尽くしています。
小売店制作のPOPはもとより、メーカーや卸会社のPOPの供給など、種類もたくさんあります。

POPで売場を賑わすのはいいかもしれませんが、これではお客様がモノを選ぶのに時間がかかってしまいます。
POPが他のPOPを隠したり、商品を隠したり、色とりどりのPOPが売場の迷彩色になっていて、どこに何があるのか、わかりにくくなっているからです。

原因は、売場をつくる際にPOPのスペースをあまり考えず、大量に商品を置き、空いたスペースにPOPを貼るからです。
POPは空間の埋め合わせになってしまっています。
そうならないためにはどうすべきか。

それには、POP設置を商品陳列やディスプレイと同等に考え、POPがセットインされた売場をあらかじめ想定すればよいです。
つまり、POPのスペースを確保しておくのです。

さらに、小売店側がメーカーや卸のPOP制作に対して、POPの設置スペース、サイズ、設置器具、色・素材などの一定のルールを課せばよいのです。

このように、POPによる売場づくりのルールを明確に守っている小売店の売場は、とても買いやすい売場になっています。
しっかりVMDを考えているお店は機種が豊富に展示されているケータイ電話売場でも、キャリア別、機種別、用途別にPOPが編集・制作され、見やすくわかりやすい売場になっています。

POPは快場をつくるための重要な要素と言っていいでしょう。

(vmd-i協会事務局)