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ドラッグストアの化粧品売り場

ドラッグストア・化粧品店の売場づくりのコツ

ドラッグストア業界、このところますます勢いづいていますね。
コンビニやスーパーマーケットの機能を付加させ、流通の覇権争いの中心業態になっています。

一方、化粧品店はメーカー別チャネルの整理が進んでいて、お店や売場のブランディングが進んでいます。
特に自然派化粧品、高級化粧品のブランドVMDが盛んです。

VMDの学校{売場塾」では化粧品メーカーの受講率が高く、売場自体をブランド化する目的で勉強されている方も多いです。

●ハリウッド化粧品のVMD

そんなドラッグストアと化粧品店のVMDについて今回はお話しします。
化粧品店やドラッグストアでよく使う売場づくりのフレームワークは、下記です。

・POP編集・制作
・フェイシング
・リレーション(売場のつながりのこと)
・くくり
・テーマ設定
・PP・IPの配置方法
・マグネット売場

それでは個々の直し方を説明しましょう。

●POP編集

化粧品店の店内にはたくさんのPOPがあふれています。
メーカーの販促物としてのPOP、お店の制作したPOP、卸会社の持ち込みPOP・・・。
これらが入り乱れている売場が多いんです。

基礎化粧品売場を見てください。

メイベリン、マキアージュ、KATE、雪肌精、SK-Ⅱ、コスメデコルテ・・・。
こういったブランドサインが売場のあちこちにありますが、ほとんどPOPで隠れていると思います。

目薬売場を見てください。

スマイル40、サンテPC、マイティアCL、アイボン・・・。
薬のパッケージの商品名が見えない、効能のキャッチフレーズが読めないと思います。
それはPOPがパッケージに覆いかぶさっているからです。

まだあります。

有名なタレントのPOPが化粧瓶を隠しています。
POSレールは4.5cm幅なのに、8cmくらいの大きなPOPがニョッキっと出ていて、シャンプーのラベルが隠れている売場があります。
格安表示の大きなプライスカードは、商品説明POPの上に覆いかぶさっています。

結論から言いましょう。
POPは読めなければ意味がありません。商品は見えなければ意味がありません。
POPがきちんと読めて、商品がきちんと見えるように陳列してください。

それにはまず、POPと商品陳列を含めた棚割りを考えることです。
棚の空いた隙間にPOPを貼る・・・こんな考えではいけません。

●フェイシング

ブランド商品はパッケージ自体もブランド。
お客様が棚をパッと見てブランドらしさがすぐわかるようにフェイスをつくってください。

ネピアの鼻セレブは、ちゃんとペンギンの顔が見えていますか。
キンチョーの蚊取り線香は、鶏のマークが見えていますか。

Agプラスは、ニオイ鑑定人のオバさんシールが見えていないとCM想起はされません。
ユンケルはやっぱり、イチローの顔が隠れていてはブランド感が減退します。

化粧品や薬は、パッケージそのものがPOP。
商品名はもとより商品の特徴を表しているコピー、テレビCMのタレント、商品のシェイプ・・・それらがきちんと見えるように陳列してください。
それをフェイシングといいます。

●くくり

いろいろなメーカーの商品が並んでいる売場はにぎやかさがありますが、探しやすくないとお客様のためになりません。
メーカー別に陳列商品をくくっていると思っても、アメーバのようにくくっていては探しにくいです。
つまり、タテヨコの商品のグリッドラインを揃えて陳列しないと、どんな種類の商品がカタまっているのか、お客様にはさっぱりわからないのです。

エッセンシャル、TSUBAKI、いち髪、パントーン、キュレル・・・。
こうした商品が、ブランド別にくくられて、さらに香り別にくくられて、さらにシャンプーとリンスとにくくられて、さらに詰め替えとボトルにくくらなければいけません。
フェイスはまっすぐ列数もそ揃えて、くくりもタテヨコにグリッドラインを揃えましょう。

●テーマ設定

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」「夏の紫外線を撃破」「雨の日でもサラサラいい気分・・・」。
ワゴンエンドにその週のMDテーマ展示をしているお店は多いのですが、テーマに見合わない商品が棚にまぎれていないか、チェックしましょう。

「赤ちゃんのようなつるつるお肌」の棚に肌をつるつるにする入浴剤を集めたのに、「温泉の素」がまぎれている。
「夏の紫外線を撃破」のエンドに日焼け止めや乳液などを置いたのに、カラフルマニキュアがまぎれている。

こんなことがないように、テーマに沿った商品が展示・陳列されているかチェックしましょう。
ワゴンエンドは、ひとつのテーマに絞り込むとわかりやすいです。

●PP・IPの配置方法

PPは展示のこと、IPは陳列のことですが、これが同じ棚にバラバラに置かれていませんか。
PPはポイント・プレゼンテーションといい、IPはアイテムプレゼンテーションといいます。

※IPとPPは当社ホームページ「VMDのディスプレイ」参照

SK-Ⅱの棚、コスメデコルテの棚、トワニーの棚、クレ・ド・ポーの棚・・・。
こうした高級化粧品は、POPと展示物と展示台を一体化させた「展示」が必要なんです。

もちろん、テスターやカタログ・パンフも「展示」の中に入ります。
そして、隣接して「陳列」を置き、そこで商品を買い上げてもらうようにします。
つまり、展示は商品をアピールする場所、陳列を商品を買う場所と、メリハリをつけてディスプレイするんです。

ところが、展示と陳列をごっちゃにして「空いた棚に適当に置いている」店は、展示と陳列がバラバラになり、在庫置き場のように見えてしまいます。
これでは高級化粧品のブランドは瓦解してしまいます。

そうならないように、たとえひと棚のディスプレイでも、ひとつのブランドに限定し、展示と陳列のメリハリをつけたものにすることです。

化粧品の売場って、とくにクリスマス時期になったら大変。
美容部員さんがツリーやリースを自社売場に展示するのはいいのですが、先ほど言ったように、展示と陳列の区別をつけないで適当に置いた場合は、あわれなブランド空間になります。
ツリーのようなプロップスを含めたすべてのディスプレイ用品をどう配置するか、ディスプレイ構成を考えてディスプレイしてください。

●リレーション

ドラックストアは、ラックを単調に並べてその中に商品を入れ込みます。
ラックは、アイテムごとに並べられており、店内は大きく、化粧品、薬、エチケット用品、健康器具、健康食品、・・・などと大分類されています。

そして化粧品が、メイク、基礎化粧品、ヘアケアなど。
薬が頭、目、口、体、皮膚、胃腸など。
エチケットが、アロマ、バス、ボディ、オーラル、マスクなど。
健康器具が、ボディ、フェイス、家庭用品、服飾など。

と中分類に分かれています。
その下に、小分類、小々分類と細かく棚が分かれています。

各々の大分類・中分類・小分類・・・の隣通しの分類群や商品群がリレーション、つまり関連性がないと、お客様にとって不便極まりない売場になってしまいます。
それどころか、ついで買いが誘発されないため、買い上げ率が少なくなってしまいます。

中分類では、メイクのヨコに目薬が来る、健康器具のヨコにエチケットが来る。
基礎化粧品のヨコにマスクが来る。
こういう並び方では、ついで買いも誘発されず、お客様は買いにくいままです。

メイクのヨコがたとえ薬ゾーンだとしても、皮膚関連薬にすべきですし、基礎化粧品のヨコがたとえエチケットゾーンだとしても、バス・ボディなどのリラックス商品にすべきでしょう。

●マグネット売場

マグネット売場とは、目立つ売場のことです。
あなたのお店は、とにかく棚に商品を詰め込んでしまい、倉庫のようなお店になっていませんか。

倉庫のようなお店だと、すべての売場が同じように見えてしまい、踵が動きません。
つまり、「あっちの売場、おもしろそうだから行ってみようかな」という視覚的に魅力的に見える売場がないと、お客様は店内を回遊してくれないのです。

店内回遊時間が少ないと、買い上げ率も少なくなり、1人当たり買い上げ単価も少なくなります。
なので、魅力的に見える売場をそこかしこにつくりましょう。

商品的には、大量にCM打っている商品、特売商品、梅雨対策などを一カタマリにしてマグネットにしましょう。

展示的には、タレントの等身大ポスター、大きなマスクをつけたヘッドマネキン、すだれなどの風物的なプロップスを使用して飾りつけをしましょう。

店舗デザイン的には、木製什器とナチュラルな壁紙を使って「ナチュラルダイエット」というコーナーをつくりましょう。

体験販促的には、酵素の試飲コーナーをつくったり、梅雨の洗濯対策プロモーションを行って人を引き付けましょう。

このようなマグネット売場をフロアのそこかしこにつくることによって、お客様の回遊率をアップさせ、店内滞在時間を長くできるんです。

だいたいわかりましたか。
化粧品店・ドラッグストアの売場改善の仕方。

以上お話ししたフレームワークは、売場づくりの基礎セミナーもしくは、売場の改装・改善セミナーで具体的にお話ししています。

興味ある方はぜひお越しください。

●売場づくりの基礎セミナー

●売場の改装・改善セミナー

お越しをお待ちしております!!

(vmd-i協会事務局)

VMDコンサルティングに役立つ売場撮影のコツ

VMDインストラクターの皆さん、売場の写真撮っていますか?
売場の写真はVMDコンサルの生命線、たかが写真、されど写真なんです。
売場の写真はどんな時に活用できるかというと下記です。

  • 店舗診断シートをつくるとき
  • セミナーをスライドで行うとき
  • 営業時にクライアントに実績を見せるとき
  • コンサルティングするとき

写真で売場をコンサルする最大のメリットは、診断漏れをなくすることなんです。
現場で立って「あれがダメ、これもダメ」というコンサルするのもいいのですが、それだと、どうしても診断漏れが派生しています。
だから、写真で撮って、会議室の椅子に座ってパソコンを開き、ゆっくりと写真をクライアントに見せながら改善点を説明する必要があります。

写真によるVMDコンサルの仕方は、売場塾のVMD教育指導講座で教えています。
受けた人は実践していて、メキメキ腕を上げていますよ。(^^)

●VMD教育指導講座

私はフリーランスのVMDインストラクターにクライアントのOJTを任すことがよくあります。
その時は改善する売場の写真を撮っていただいているのですが、皆さん意外とケータイで撮っている方が多いです。

中にはiPadで撮影している方もいます。
iPadは私も使っていましたが、広角にならないので苦労しました。
店舗診断の際、広角カメラだと撮影枚数が倍になるので苦労します。
iPadは避けた方がいいでしょう。

私はケータイをカメラとして使ったことがないのですが、なるべくデジカメを使った方が性能がいいし、画面も明るいかなと思います。
ケータイのカメラは躍進目覚ましく、デジカメに引けを取らなくなりましたが、それでもなるべくしっかりしたものを使用したほうがいいでしょう。

今までいろいろなデジカメ試しましたが、キヤノンS120を2台、今まで使ってきました。
28mmレンズと広角な上、レンズが明るいので解像度いいですよ。
富士フイルムやパナソニックは解像度が荒く暗かったりするので、室内向けに適していません。(7年前の話なので今はよくなっているとは思いますが)

ちょうど昨日、PowerShot G9Xを買ったのでS120をこちらに切り替えました。
この新しいカメラの画素数は2010万画素になったので、さらによい写真でコンサルできると思います。
クライアントの皆さん、期待してくださいね。

いいカメラを用意したら、後は撮り方です。
売場の釣り方のコツを下記にまとめました。

●Before Afterの写真は同じ角度から撮る
この当たり前がなかなできていない人、多いです。
例えばBeforeが正面で、Afterが斜めからの写真だと、見た人は違いがよくわかりません。

●Before Afterの写真は同じサイズにトリミングする
スライドセミナーや診断シートで見せるBefore Afterの写真は、同じ距離から見たように画面をトリミングします。
画角が同じでも、Beforeが近目でAfterが遠目だと、見た人は違いがわかりにくいです。
Afterの写真をズームした後、Beforeと同じサイズにトリミングすると、同じ距離から見たbefore Afterになるので、受講者は違いが理解しやすくなります。

●オーケストレーションやIPを撮る時は正面から撮る
棚割りがわかりやすい写真は正面です。IPとPPの位置、くくり、グリッドライン、ネガティブスペース、分類などは正面から撮った写真の方がわかりやすいです。
売場が壁面の場合、背の低い人は通路の斜めからしか撮れないということもありますが、その時は上記のイラストのようにして、正面から撮るようにしてください。

●サイズを大きくして撮る
私は6Mの2816×2112サイズで撮影しています。
これはA3のプリントにしたときに、画質に耐えうるサイズです。
このくらいで撮影すれば、スライドレクチャーした時も、きれいな写真を受講者に見せることができます。
ジュエリーを撮影する時などもこのくらいのサイズだと、ビジューの形状がわかりやすく、診断しやすいです。

●大きな容量のSDカードを使う
SDカードも128Gとか512Gとか多くなってきました。
店舗診断の際は1店舗500枚撮影するのもザラなので、なるべく大きいデータ容量のSDカードを使いましょう。

わかりましたでしょうか。
写真撮影はVMDコンサルの生命線。
VMDインストラクターの皆さん、いいカメラを使いましょう。
キレイでわかりやすい写真を店舗診断やセミナーに役立ててくださいね。

ちなみにオーバルリンクの店舗診断サービスは下記です。
●店舗診断

(vmd-i協会事務局)