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売れない商品のカットの仕方

「ほこりをかぶっている」動かない商品が陳列されている小売店は多いはずです。

小売店にVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を導入するときに当社が必ずやることは、死に筋商品を見つけ、そしてカットすることです。

商品点数の10%、20%どころか、40%をカットして違うカテゴリーの商品に入れ替えたこともあります。

商品が棚から少なくなって、店員さんは困るかも知れませんが、お客様は一向に困りません。

困るどころか、お店が売りたい商品がわかるようになり、また商品もわかりやすく探しやすくなって、逆に買上率は向上するのです。

当社は過去3年VMDによって品揃えの見直しを図っていますが、商品をカットして売上が下がった事例は一度もありません。

さて、売れない商品をどのように見つけるか?

まずひとつは単品の売上推移から。
月々の単品の売上推移を見ます。

  • 売れていないのに、棚面積を大きく維持している商品はないか
  • 売れていないのに、ずっと置きっぱなしの商品はないか
  • どのカテゴリーにも当てはまらない、売上の上がらない商品は ないか
  • 付き合いで置いているような商品はないか

などに当てはまる商品を抽出していきます。

そのとき、注意しなくてはいけないのは

●プライスラインの端にあって、売れないがプライスゾーンの形成に役立っている商品。特に価格の大きい商品などは、お店の顔になっている場合があるので気をつける。

●お店のイメージを形作っている商品。
例えば、パソコン店がパソコンが収益悪いからと商品を少なくすれば何屋かわからなくなる。

など、単純に売れ行きが悪くなるからと言ってカットしては、他に影響が出る商品は売場を縮小こそすれ、維持していきましょう。

売れない商品を紐解いて、いろんな観点から検証すると売れないカテゴリーがあることに気がつきます。

そんなときはカテゴリーごとカットするかVMDのカテゴリー分類を再考します。

売場の商品を40%とか30%カットするお店はカテゴリーごとの見直しを行っているのです。

例えば、雑貨店で照明部門が弱ければ部門ごとカットしてバス用品を揃えるといった具合。 リビング用品というよりもサニタリー用品が強い雑貨店にするためにはその方がいいでしょう。

このように、単品の死に筋商品をカットしていくときは同時にカテゴリーの再編成を考えていきます。

そうすれば、このお店は●●部分を強く打ち出しているな、ということが来店客にわかるようになります。

それはお店の特徴にもなります。

(vmd-i協会事務局)

MD分類とVMD分類の違い

VMDの分類には、MD分類とVMD分類の2種類があります。

MD分類とは、仕入れの目安にする分類のこと。
VMD分類というのは、仕入れた分類を売場に展開する時の分類をいいます。

例えば、あなたが百貨店のバイヤーでハンカチを仕入れるとします。
通常は、メーカー別に仕入れますからバーバリー、カルバンクライン、レノマ、マークジェイコブス・・・などメーカーの取り扱いブランド別に仕入れるでしょう。
これをMD分類と言い、その際の切り口は、商品ブランドになります。
でも、実際に売場に並べるとなると、勝手が違います。

・柄別に分ける。
・色別に分ける。
・素材別に分ける。
・・・
となると、必ずしも、仕入れたMD分類と同じ分け方ではなくなります。

これをVMD分類と言って、売場に来たお客様の目線で分類をし直したことになるのです。

例えば、レノマでも、チェックがあったり、水玉があったりするし、カルバンクラインでもチェックがあったり、水玉があるでしょう。
その場合、水玉模様のハンカチの売場にはレノマとカルバンクラインが同居する形になります。

だから、売場のVMD担当は、バイヤーが仕入れた通りの分類で売場に並べなくてもよいことになるのです。

MD分類とVMD分類をわかりやすく言うと、MD分類は、バックヤード分類。VMD分類は、店頭分類。
と言えます。

バックヤードの在庫置き場が商品ブランド別でも店頭にいざ置く時は、柄別に早変わりします。

だから、店頭VMD担当者は、お客様の買い方をいつも注意深く観察して、臨機応変に柄別
・色別・サイズ別・性別・価格別・・・
というように店頭分類を変えていかなければいけないのです。

でないと、もしお客様が価格別でハンカチを選択購入している場合に、売場が柄別になっていると、1500円のハンカチを求めて売場を右往左往しているお客様の姿が露見してしまうでしょう。
これでは、お客様を思いやった売場と言えません。

MD分類は一度仕入れたら1からやり直すことは手間が多分にかかるが、VMD分類は、機転を利かせればすぐに再編成できます。

だから、売場のVMD担当者は、常日ごろからお客様の買い物行動を観察することが大切。

お客様の買い方に合った分類を心がけていくと売れる売場になることは間違いありません。
(vmd-i協会事務局)

寒色・暖色・中性色のディスプレイテクニック

寒色・暖色・中性色。
これらは、色物を扱っている店では常識の色です。
寒色とは、寒い色のことを言います。
青、白、水色、青緑、これら全部寒色です。
アナと雪の女王の色ですね。

暖色とは、暖かい色のことをいいます。
赤、オレンジ、黄色、ピンク、これら全部暖色です。
Jリーグのエスパルスカラーの色ですね。

中性色とは、寒くも温かくもない色。
緑、青紫、紫、赤紫、黄緑、これら全部中性色です。
中間色とは言わないので、注意してください。
中間色とは、茶色、グレーなど渋く濁った色をいいます。

あなたがアパレル店VMDなら色に敏感になりましょう。
店内ディスプレイで、季節に合わせた色を表現するように心がけます。なぜなら、VMDの世界では、「季節には季節の色を」が鉄則だからです。

春が近づいているのに、寒色だと寒いかなて気がしますね。
確かに今日は大寒だし、寒い日が本格的になりますが、それでも 季節は春に向かっているんです。
寒色は出していてもいいけれど、春らしい色をたくさん出しましょう。

都内の一部の百貨店はいつもよりも1か月品揃えを早くしていてそこに行くと春気分になりますよ。
やっぱり春の訪れ感じるなんて楽しいですよね。

もう一度いうと、 寒色・暖色・中性色って季節の色を指すのです。
春には春の色、つまり暖色をたくさん出してください。
出す場所は、フェースアウト、VP,PP、ホールデッドの一番上、T字売場のどん突きが定石。
ここならすごく目立ちます。
ブランドの中ではIPの色の配列が決まっているので。
お客様の目につく場所に「暖色が一番目立つように並べて」 ください

そして、GWが近くなったら中性色の黄緑、緑を出しましょう。
季節は新色なんです。
季節が高まるにつれて、トーンを彩度高くしてくださいね。
今はペールトーンでいいけれど、夏はビビッドトーンです。

ということで、明日はオレンジの暖色着ていきます。
明日も寒そうなので、気分はるんるんでいきます。 それではまた。

(vmd-i協会事務局)

ディスプレイ構成を直そう

ウインドウを見て歩くと、バランスのよくないディスプレイに当たります。
特に服飾小物とマネキンとのバランスですね。

多いのが、バッグとマネキンとのバランス。
バッグを肩に掛けずに床に置いているケースが目立ちます。
これはバランスあまりよくないです。
ボストンやビッグトートーは確かに重量感があって、床に置きたいのはヤマヤマですが、ぺったんと床に置くと服との距離が高すぎてヘンです。

中にはハンドバッグを床に置いたりしています。
これはクリンリネスの観点からいってもペケですね。

遠いと、バッグと服とのコーディネートの統一感がないですし、だいいちバッグが目立たないです。
床に置いたグリーンとバッティングして隠れたりしています。

こんなときはスツールを使って、ぐいーーーっとバッグを上げましょう。
バッグをマネキンの手の高さまで上げると、コーディネートも ピッタンコです。

ディスプレイ構成はアシンメトリー構成がおススメです。
普通はマネキンを2.3体固めてトライアングルをつくるんですが、この場合は2.3体を離して真ん中に谷間をつくるんです。

その谷間にスツールを置いて、その上にバッグを置きます。
靴やショールも一緒においてもいいですよ。

スツールは左右どちらかのマネキンにピッタリつけます。
これでアシンメトリー構成の完成です。

自分の店のウインドウやVP台に置いたディスプレイのバランスが ヘンだなと思ったら、服飾雑貨とのバランスがおかしいケースが多いです。
そんな時は、スツールを使ってアシンメトリー構成にしてみましょう。
きっと美しいディスプレイになりますよ。
(vmd-i協会事務局)

売場コンテスト・売場づくりコンテストの仕方

売場コンテストまたは売場づくりコンテストは、メーカーの対小売店施策のひとつです。

目的は、なんといっても自社製品の売場面積を広げること。

  • ワゴンエンド展開やアイランド展開で自社専用売場を確保できる
  • 店頭や主通路沿いに、目立つ売場を確保できる
  • コンテストを通じて、小売店と太いパイプを つくることができる
  • 定番売場の他にもうひとつ売場を設けることができる
  • チラシやCMなど小売店の宣伝に便乗できる

など、メリットたくさんの企画です。

当協会は、売場コンテストを主催するメーカーのコンテスト評価基準書等VMDマニュアルを作っていますが、簡単にできる評価基準をお教えしましょう。

■店頭または主通路から見える位置に売場が設けられているか?

せっかく新しく設置した売場が、来店客に認知されないと意味がない。
店舗入り口、主通路沿い、コーナー突き当たり、ワゴンエンドレジ付近など、多くのお客様が通過するところ、客ダマリのあるところにコンテスト用売場を設置しなくてはならない。

■ディスプレイのテーマが一瞬でわかるか?

きれいで豪奢なディスプレイを施しても、そのディスプレイが何の意味を表しているのか一瞬で客にわからないと意味はない。
これからクリスマスの季節だが、単にツリーやオーナメントを飾るだけでは意味がないのである。
クリスマスで、その商品を使ってどういう生活ができるか?それが大切なのだ。

■商品のグルーピングがすぐに見てわかるか?

単一の商品ならいいが、多くの商品はシリーズ展開や関連商品と組み合わせてある。
シリーズごとの商品の違いは、容量・テイスト・価格・使用用途などで小分類されているはず。
または、他商品と組み合わせたセット販売になっているはずだ。
商品のくくり方をわかりやすくして、お客差に買いやすくしなければいけない。
商品を積み上げるだけでは意味がないのだ。

■売場のカラーは3色以内に収められているか?

コンテスト売場は、パッケージの色も合わせて、豪華絢爛・彩色豊かな売場になっているかもしれない。
でも、それは逆効果で、遠くからは濁色になっているだけである。
売場のメインカラーを3色以内に絞ってみよう。
そうすると、遠くからでも目立つ売場になる。

■ディスプレイ構成は、タイトに集約されているか?

シンメトリー、リピテーション、トライアングルといったディスプレイ構成はもとより、ディスプレイがタイトに集約されているかが重要。
ディスプレイが、ワゴン棚の中、ワゴンの上、ワゴンの足元などいろいろところに点在している・・・・ようなディスプレイ部分と陳列部分がごった煮になっている売場は魅力がない。

おわかりいただけましたでしょうか。

売場コンテスト用の売場を確保したものの、たくさんの種類の商品を積み上げ、POPや装飾用品をゴマンと飾り付けるだけでは、顧客視点の売場にはなりません。

メーカーの売場コンテストのもうひとつのメリットは、自社商品の売場づくりの基準をつくりだすことができ、かつ売場づくりのノウハウを蓄積できることなのです。

(vmd-i協会事務局)