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テーブルディスプレイ

ディスプレイ布の美しい敷き方

0.はじめに

今回は、ディスプレイ布の美しい引き方についてお話しします。

街中のウインドウやお店のテーブルディスプレイに布が使われていますよね。
大半は、テーブルクロスみたいに使っています。

ドラッグストアのディスプレイ悪い例

ドラッグストアでは、こんな感じで展示物に布を敷いています。
でもキレイでないケースも多々見受けられます。

下記は過去の売場塾のワークショップ作品なんですが、やっぱり布の敷き方、工夫していない人多いかな、と思います。
テーブルにふわっと掛けるだけでは、しわも寄るし、リムやドレープも汚く見えてしまいます。

ディスプレイ授業作品悪い例

今日は、美しい布の敷き方についてお話しします。

1.布はレイヤーする

敷き布がレイヤーされていないディスプレイ

まずは上の写真を見てください。
テーマは「贈り物」だったと思いますが、赤い布が敷かれています。
でも敷き方は何の変哲もない、テーブルクロスのような感じ。

敷き布がレイヤーされているディスプレイ

次に上の写真を見てください。
ちょっとした変化が生まれています

中央に金色の布がライナーのように敷かれています。
なんだかアカデミー賞授与式のじゅうたんみたいですよね。

このように、2枚以上の布をクロスすることをレイヤーと言います
オシャレな人はTシャツ2枚をレイヤーしていますよね。
それと同じです。

1枚だと、ただのランチョンマットもしくはテーブルクロスだけど、2枚以上レイヤーするとディスプレイがおもしろくなります。

おもしろい、というのはinterestでして、funnyではないことに注意してください。

2.ただふわりと掛けただけでは趣は出ない

ここでinterestを趣(おもむき)と解釈しましょう。
アートは趣があったほうがおもしろいんです。

敷き布の敷き方の悪い例

上の写真aを見てください。
布ではないんですけど和紙を1枚ふわりと掛けただけの写真です。

ディスプレイ敷き布のよい使用例

次に写真bを見てください。
和紙を2枚レイヤーしたディスプレイです。
青い和紙とピンクの和紙を使っています。

a,bどちらの方が趣ありますか。
そう、bですよね。

どうしてbの方がおもしろいかというと、変化があるからです。
その変化を細かく言うと下記です。

  • 青い部分とピンクの部分が見える
  • ピンクの和紙は波打っている
  • ピンクの波と桜の枝はテーブルをタテに横切っている
  • 青い和紙も裾がやや波打っている

一方、aのディスプレイは、

  • ふわっと和紙をテーブルにかぶせていて、ところどころ盛り上がっている
  • 桜の枝はテーブルに対して横に置かれている

こんなところでしょうか。

a,bどちらも和紙の軽くて淡い質感、ザラメのつぶつぶ感はします。
でも、bのディスプレイの方が、リズム感があります

リズム感とはなんでしょう?
aのディスプレイは、ボワッボワッという感じのリズムですが、bのディスプレイはサラサラ、サラサラと川が流れているような感じがしませんか。

向こうからピンクの波が押し寄せてきていて、手前ではそれが青に変わって波は収まり静寂が訪れる・・・。
しかも、その波に呼応するかのように桜の枝が、波の波紋に添ってリピートしています。
ちょうどピンクと青の境目に桜の枝が来ているので、奥から手前に色がグラデーションしているようにも見えます。

このディスプレイに音を重ねると、向こうから

  • ザザザー ときて、
  • チョロ、チョロ に変わり、
  • ピチョン という音に最後は変化しています。

このリズムの変化をおもしろくしているのが、和紙のレイヤーと言えるでしょう。

売場塾では、ハーモニゼーションとかオーケストレーションとか、音楽の名前の付いたディスプレイスキルを教えていますが、まさしくディスプレイは音楽なんです。
リズムを感じさせるディスプレイ、それが趣のあるディスプレイなんです。

3.どのようにレイヤーを考えればよいのか

さて、レイヤーのつくり方をお教えします。
まずは二つの和紙の重ね方をリハーサルするといいです。
テーブルに商品を載せる前に、どのように和紙を重ねるのか、推敲するんです。

推敲とは文章を寝るときに使う言葉なんですが、私はディスプレイをつくる時にも使っています。
創作や造作、制作などの言葉は似合わないからです。
「考えながらつくる」
まさに推敲なんです。

推敲は下記の2つを念頭に置くといいです。

●構図的なポイント
・重ねる範囲(オーバーラップ)
・敷く向き(グリッド)
・構造線(リニアスキーム)

●テクニック
・ドレーピング(ドレープさせる)
・タッキング(タックを入れる)


まずは構図的なポイントの3つを念頭に入れながら、最低5つ以上は構図を考えましょう
慣れてくれば、テクニックを使ってタックやドレープも取り入れて推敲します。
ディスプレイは三次元ですが、下に敷く布は絵のように二元的に考えるので、この場合は構成ではなくて構図になります。

A,B,C,D4つの敷き布の構図

試しにAからDの、4つ作ってみました。
どれがよさそうか、吟味しましょう。

ディスプレイABの構図

AとBはタックでつくった三角形を取り入れた構図です。
・重ねる範囲はAは大きめ、Bは小さめです。
・敷く向きはAはピンクの右を下げていて、Bは折り畳みの底辺を下に設けています。
・構造線は、Aは左下に角が向かうようにつくり、Bは右上に角が向かうようにしました。

CとDはタックを入れた四角形を組み合せた構図です。
・重ねる範囲はどちらも半分弱にしました。
・敷く向きはCはピンクが上から、Dはピンクが左から斜めに入るようにしました。
・構造線は赤いライン。ピンクの中央に2.3のラインが入るようにしました。

次に展示する食器やプロップスをどこに置けば、効果的な構図ができるか推敲します。
実際に食器とプロップスを置いてみてください。
その際には、構造線(リニアスキーム)を考えながら置くといいです。
結果、採用したのはBとDでした。

Bは上のディスプレイになりました。
もみじ饅頭ディスプレイです。
三角形の部分に桜の枝を入れました。
ブーケで包んだような、おもしろい構成になりました。

敷き布のよい使い方事例

B,Dとも使ったテクニックはタッキングでした。

三角形のテーブルディスプレイの構造線
ディスプレイのまっすぐな構造線

B,Dに構造線を入れる上になります。
Bは三角形を丸く囲うようにコーヒーカップとお菓子を配置しました。
推敲の結果、青とピンクは逆にし、三角形の方向は左上に変えました。

Dは前述のようにさざ波が川下に流れてくる構造線になっています。

こんな感じで、構図とテクニックを駆使して推敲してみてください。

ちなみに、一番上の写真はDに借景を取り入れたものです。
床に波をイメージする布を敷いてみました。
ますますおもしろいディスプレイになりました。

4.構図が複雑になると解釈は多様になる

生八つ橋のディスプレイ

今度は、先ほどのBとDの構図をミックスしたディスプレイを紹介します。
お菓子は生八つ橋にしました。

これをどう解釈するかはあなた次第。
ディスプレイは見る人にとって趣がありおもしろければいいんです。

私の見立ては左から来た川が、やがては滝となってドドーッと右下に落ちていくような様です。
だから一番目が行きつく先は右の生八つ橋になるんです。
三角形が矢印のようになって私たちの視線を導いてくれるからです。

生八つ橋のディスプレイの構造線

構造線を入れると上になります。
三角形と直線に丸が加わり、より複雑になっています。

ディスプレイ鑑賞も絵画鑑賞と同じだと考えてください。
実際、絵画や写真と同じようにディスプレイも複雑な構図から成り立っているんです。
複雑ながらもリズムを感じるから心地よいんです。

テクニックとしては、タッキングの他に相似形を使いました。
皿の上の生八つ橋を見てください。
三角形が三連続していますよね。

生八つ橋

生八つ橋の三角形も考慮して構造線を入れましたのが下記の写真です。
いかがですか。
三角形が8つ繰り返しているのがわかります。
これを三角形の相似形と言います。

人は同じものが連続しているとリズムを感じるんです。
街頭の電柱、ハイウェイの照明、天井の蛍光灯、教室の机・・・。
どれも同じカタチがリピートしていますよね。
これが人間には心地よいんです。

リピートしているもみじ饅頭ディスプレイ

5.まとめ

だいたいわかりましたか。
布ものの美しい敷き方。

構図とテクニックを駆使すれば、個性的であなたらしいディスプレイができるんです。

とはいえ、最初はシンプルにレイヤーしていくといいです。
アーチスト気取りで、いきなり複雑なレイヤーにすると失敗します。

レイヤーのある敷き布

まずは先ほどのこんなディスプレイから始めてください。
慣れてきたら、時と場合によって複雑なアート表現をするといいです。
画家やカメラマンと同じように推敲してください。

私は、ここ10年間、コーヒーを飲むときに毎週違うテーブルディスプレイを作っていて、早や1000回になりました。
こんな風に日常にディスプレイを取り入れれば、本番でも苦になりません。
インスピレーションはいつもひらめくようになります。

参考に下記のブログも読むと、ディスプレイの構造がますます理解できます。
時間あったらディスプレイの知識深めてください。

●リニアスキームと三角構成

●どうして上から見て三角形にするのか

●リニアスキームの種類


また、ディスプレイのスキルもっと得たい方は、9/26のセンスアップセミナー「展示と陳列の法則」にぜひご参加下さい。
実際にディスプレイをつくっていただくオンラインセミナーです。

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(VMDインストラクター協会事務局)

ディスプレイをつくる手

ディスプレイ制作5つのコツ

1.ディスプレイとは何か

今日はディスプレイ制作5つのコツを教えましょう。
本来はサブテーマを入れて6つのコツなのですが、初心者向けにわかりやすくお教えします。
VMDインストラクターの方もばっちり復習してくださいね。

ディスプレイとは狭義で言う「展示」のことです。
ディスプレイ担当者は店内に展示物をいろいろな形でつくっていると思います。

  • Gケースの中のお菓子
  • ウインドウのマネキン
  • テーブルの上の雑貨
  • 棚の上の帽子
  • 突き出し棚のメガネ

など、陳列物と違って、展示物は直接お客様がショッピングカゴに入れてレジに持って行くということはないけれど、

  • 今こんなんが旬ですよ
  • これを買えばばっちりです
  • こんなことで困っていませんか
  • これを贈った相手は喜ぶはず

などなど、展示物を使っていろいろ提案してきます。

そう、ディスプレイって提案するんです。
なので、別名プレゼンテーションと私たちVMDプロは呼んでいます。

そんな提案する展示物を魅力的につくるにはどうすればよいか。
それにはディスプレイ制作5つのコツを覚えるとよいです。

2.ディスプレイ制作5つの要素

コツを要素と言い換えましょう。
ズバリ、ディスプレイ制作5つの要素は下記です。

  • テーマ
  • 商品
  • カラー
  • 構成
  • ディスプレイ用品

この5つを使ってあなたの作った店内展示物をもっと魅力的にすることができます。
VPやPPも見違えるようになります。

それではサンプルを見ながら解説していきます。
下記のディスプレイを見てください。

ディスプレイテーマ 3時のカフェオーレ1

スーパーの店員さんがインスタントコーヒーのテーブルディスプレイをつくりました。
テーマは「3時のカフェオーレ」です。
店員さんはこう言いました。

「女の子がカフェオーレを飲みながら、旅行の話をしている雰囲気でつくりました」

うーん、なんかヘンですね。
確かにシンメトリーになっていてダイナミックだけど、わかりにくいです・・・。

VMD担当であるあなたは、そう思うはずです。
そこで、どこがどう悪くてどう直せばいいのか、前述の5つの要素を使って瞬間的に考えます。
これを想起と言います。

あなたもこの想起、やって見てください。
もう写真を一度じっと見てください。
この5つの要素のうち、どれが悪いですか。

  • テーマ
  • 商品
  • カラー
  • 構成
  • ディスプレイ用品

どんな要素が悪いと想起されますか。

答えは~。

  • 商品
  • 構成
  • ディスプレイ用品

でした。
ディスプレイ制作5つの要素のうち、この3つを直せばディスプレイは完璧になります。
逆に言うと、テーマとカラーはクリアしているということです。
ディスプレイを見るとき、5つに分解して見るということを忘れないでください。

ひとつひとつ解説していきます。

●テーマ
お客様がディスプレイを見て感じること、それがテーマです。
この場合のテーマは「3時のカフェオーレ」ですので、このディスプレイを見てお客様はそう感じるか?
感じなければディスプレイを感じるように直さなければいけません。

この場合、カフェオーレの箱は見えてコップもあるので、「3時のお茶」くらいは感じそうです。
なので、まあOKです。

※テーマのことをもっと知りたい方は下記を読んでください。
○VP,PP,IPについて

 

●カラー
ディスプレイのキーカラーは3色以内で行うのが原則です。
これは服のコーディネートに由来してまして、マネキンに服を着せるときは、下記の3色でまとめるとコーディネートがうまくいくんです。

・ベースカラー ・・・ベースとなる一番面積が大きい色
・アソートカラー ・・・次に面積が大きい色
・アクセントカラー ・・・いわゆる差し色のこと

この写真を見ると、

・ベースカラーはパープル
・アソートカラーはオレンジ
・アクセントカラーはグリーン

こんな感じでまとまっているので、カラーはOKでした。

それでは直さなければいけない商品、構成、ディスプレイ用品を見ていきましょう。

 

●商品
商品のフェイスがきちんと見えているか?商品は適正数量か?
これを念頭に入れて写真を見てください。
すると、あらら。

カフェオーレの顔がよく見えないですよね。
目立つのはコップばかり。
コップは小道具なのにずいぶん目立っています。

これでは本末転倒。
コップの代わりにカフェオーレやクッキーを目立つように置きます。
これをフェイシングといいます。
フェイシングは商品特徴がわかるように置く。これが鉄則です。

※フェイシングを詳しく知りたい方はこちら。
○土産店・キャラクターショップの売場づくりのコツ

 

●構成
ディスプレイ構成のことを言います。
VMDのディスプレイはアート性がなければいけません。
「展示物」というくらいですから、ゴミや物置きのように見せるわけにはいきません。
アートを感じさせるには、審美性・演出性・創造性が備わっていなくてはいけません。
審美性とは短時に言うと美しいこと、人間なら美人のことです。
美人はプロポーションがいいですよね。
同じようにディスプレイが美人だとプロポーション、すなわち構成がいいんです。
美人を見て道行く人が振り返るように、「おやっ」と思ってディスプレイを見てくれるんです。

改めて写真を見ると、このディスプレイは残念ながら美人ではありません。
構成が左右対称になっていますが、グライダーのように横に間延びしています。
もっとキュッとタイトにセクシーに構成し直さなければいけません。

※構成について深く学びたい方は下記をクリックしてください。
○ディスプレイ美的センスアップの秘訣

 

●ディスプレイ用品
ディスプレイ用品とは小道具のこと。
ライザーやプロップスという装飾品のことを言います。
このディスプレイの場合は、カフェオーレとクッキー以外はすべてディスプレイ用品です。
コップやぶどう、ノート、テーブルクロスがそうです。
つまり売り物ではありません。

なのに、コップが堂々と「私を見て」と言っています。
商品であるカフェオーレやクッキーをのけ者にして自分だけ目立っています。

また、後ろに立てかけてあるノートも何のためにあるのか、存在意義さえわかりません。
またノートということもわからないかもしれません。

もうわかりましたか。
この場合の「ディスプレイ用品」とは、それらを適正に使っていないということでした。

※プロップスについて詳しく知りたい方はこちら。
○ディスプレイの装飾品「プロップス」とは

3.アタマの中の引き出しを使ってディスプレイを魅力的にする

さて、お待たせしました。
それでは、下記3つの要素を直したディスプレイを披露します。

 

ディスプレイテーマ 3時のカフェオーレ2

今度はBefore Afterで比べて見てください。

ディスプレイテーマ 3時のカフェオーレ3

もうわかりましたね。
どうディスプレイを直したか解説します。

●商品
商品の顔がくっきり見えるようになりました。
Beforeではコップが主役でしたが、Afterでは商品が主役になりました。

さらに、小包装のカフェオーレと箱がセットで展示されているので、2種類の味があるというのがわかりやすくなりました。

 

●構成
グライダーのように横に広がっていたディスプレイが、キュッとタイトにまとめられています。
同じシンメトリーでも、Beforeがメタボな構成になっているのに対し、Afterでは胸と腰がキュッとしまった美人ディスプレイになっているのがわかります。

しかもAfterでは、展示物が4つのカタマリになっていて、それぞれ三角構成になっています。
とてもりりしい姿になりました。

※三角形の構成はなぜよいか。それはこちら。
○ディスプレイ、なぜ三角形がよい?


●ディスプレイ用品
Beforeでは、プロップスのコップの向きがバラバラだったのに対し、Afterではきちんと前を向いています。
また、ブドウは皿に置きました。
Beforeで背後に立てかけていたノートもそれとわかるように手前に置き直しました。

これで美人ディスプレイは完成です。

 

だいたいわかりましたか。
ディスプレイ制作の5つの要素。
これがアタマの引き出しに入っていれば、どんなPPもVPも魅力的にすることができるんです。

VMDインストラクターはこうした引き出しをアタマの中に持っているので、ディスプレイを5秒見たら、どこが悪いかチェックでき、ディスプレイをつくった店員さんに教えることができるんです。

このディスプレイ要素の引き出しは、全部で55あるVMDの引き出しの一つにすぎません。
引き出しを使って売場を直すことを「フレームワーキング」と言います。
詳しくは下記をご覧ください。

●フレームワーキング(R)

4.今度はあなたの番!

ディスプレイテーマ オフィスのコーヒー1

さて、ディスプレイ制作5つの要素がわかったところで、復習です。
同じスーパーマーケットの店員さんが、今度はインスタントコーヒーのテーブルディスプレイをつくりました。

展示商品はスティック状のインスタントコーヒーで、マイルド味とビター味の2種類あります。
店員さんはテーマを「オフィスのコーヒー」として作り、スーパー近くのビジネス街のサラリーマンに買ってもらうことを想定しました。

でも、このディスプレイ、なんかヘン。
あなただったらどう直す?
下記のディスプレイ制作の5要素を使って店員さんに直し方を教えましょう。
まずはどの要素を直すべきか答えてください。

  • テーマ
  • 商品
  • カラー
  • 構成
  • ディスプレイ用品

答えは~。

  • 商品
  • 構成

でした!!

直したものはこちら。

ディスプレイテーマ オフィスのコーヒー2

改めてBefore Afterを見ながら解説します。

ディスプレイテーマ オフィスのコーヒー3


Beforeを見てください。
「なんだか雑然としているなあ」と思うことでしょう。
でも、店員さんに「キレイにしててくれ」と言っても、店員さんはどうキレイにしたらいいのかわかりません。

そこであなたはこうアドバイスします。

「テーマはなんとなくわかるし、ディスプレイ用品もサラリーマンぽくていいです。
色も黒とグレーと赤で3色以内にまとまっています」

「でも、商品と構成がよくないですね

「商品に関してはBeforeを見てください。半分の商品が寝てます
他のパッケージやコップに隠れて商品が見えていない箇所もありますよ。
パッケージはきちっと立ててデザインと商品名が見えるようにしてください

「今度は構成についてお話しします。
Beforeを見ると、商品がバラバラに置かれています
雑然としていて美しくないですよね。

まずは、ビター味、マイルド味、ビターとマイルド味のセット、スティックのみ、の4つに展示をカタマリとして分割してください
4つのカタマリはタイトに三角構成してくださいね。
そして、カタマリとカタマリの間を5.6cm隙間をつくってください。
その隙間のことをネガティブスペースと言います。
そうしたら、箱の向きを斜めに向かせて繰り返し展示してください。
これをリピテーションといいます」

こうアドバイスすると、Afterになりました。


だいたいわかりましたか。
ディスプレイ制作の5つの要素。

これらをあなたのアタマの中の引き出しに入れれば、いつでもキレイでわかりやすいディスプレイをつくることができるんです。

ディスプレイもっとうまくなりたい、と思うあなた、ぜひオンラインセンスアップセミナーにお越しください。
今月のセンスアップセミナーは8/29(木)11時から。
タイトルは、「VMDの基礎知識」です。

○センスアップセミナー「VMDの基礎知識」

どなた様もお待ちしております。(^^)

(VMDインストラクター協会事務局)

メガネ店のVMD

メガネ店の売場づくりのコツ

メガネ店、あるいはメガネメーカー・卸の方向けに、今日はメガネ売場のVMDフレームワーキングしたいと思います。
メガネ売場を改善するフレームワークは主に下記です。

  • VMD分類
  • ゾーニング
  • リレーション
  • くくり
  • フェイシング
  • 定量
  • ディスプレイ構成
  • ディスプレイ用品
  • サイン編集
  • POP編集

それではフレーム項目に沿って解説していきます。

VMD分類・ゾーニング・リレーション

メガネ店は、特売、メンズ、レディス、ユニセックス、サングラス、キッズなどでフロアが区分されています。
この区分をゾーンと言い、それを考えることをゾーニングといいます。

それぞれのゾーンは、、PB(プライベート)ブランド、ナショナルブランド、海外ブランドなどのグループに分けられます。
グループはさらに、セルフレーム・メタルフレームなど素材別、またはオーバル、ボストンなどフレームのシルエット別に分けられます。

このゾーンやグループに分けるもとになるのがVMD分類
それをまとめると下記になります。

  • ブランド
  • 国内・海外
  • PB・仕入れ
  • 値段
  • 性別
  • エイジ(年齢)
  • フレームの色
  • 素材(メタル・セル・ツーポイント)

そのほかの分類としては、

  • オケージョン(つけるシーン、釣り・読書・スポーツetc)
  • テイスト(服と同じでクラシックとかモダンとか)
  • シーズン(春・夏・冬)
  • トレンド(アドバンス、コンサバなど)

などがあります。

VMD分類項目のどれを優先にするかで、ゾーニングやリレーションが変わってきます。
メンズ・レディス→ブランド→価格→フレームの素材 がいいのか、
メンズ・レディス→価格→ブランド→フレームの素材 がいいのか
メンズ・レディス→フレームの素材→ブランド→価格 がいいのか、
来店客の買い方によりかなり違ってきます。

例えば、レディスゾーンでも価格に敏感な女性が多ければ価格帯優先にゾーンを組むべきですし、ブランドに敏感な女性が多ければブランド優先にゾーンを決める必要があります。

よくあるのが、仕入れ先別ブランドにゾーニングしてしまうこと。
エイジやテイストが優先なのに、コーチ、ハナエモリ、ラルフローレン、カルバンクラインなどと仕入れ先別に売場を分割し、メーカー持ち込み什器で売場が混とんとしてしまうという例があります。

エイジが優先なら

  • ティーン(13-15歳)
  • ハイティーン(16-19歳)
  • ヤング(19-24歳)
  • ヤングアダルト(25-34歳)
  • アダルト(35-44歳)
  • ミドル(45-54歳)
  • マチュア(55歳~)

などと、エイジ別に分け、それにふさわしいブランドを配置すべきです。

その時の隣同士の売場は、必ず年齢が近いブランドを配置するなど考慮しなければいけません。
これをリレーションといいます。

くくり

売場の棚割りレベルの「くくり」に関してもゾーン同様、優先順位というものがあります。
先ほどVMD分類の項目で述べたとおり、

  • カラー
  • 素材
  • シルエット
  • トレンド
  • テイスト

などと分類項目が考えられます。

これもゾーン同様、お客様の購買優先順位を考えてくくります。
素材が優先なのに、フレームのシルエットを大くくりにしてしまい、次にメタル・セルとくくっても後の祭りです。
お客様が買いにくいこと、この上ありません。
本来は、売上データと顧客データを分析し、きちんと優先順位を決めるとベストです。
ただ、それができない場合は推測でもいいのでゾーンごとの優先順位を決めてください。
さらに優先順位は、男性と女性とで違うケースがあるので注意してください。

さて、くくりの仕方ですが、下記に留意してください。

・グリッドライン
シルエット別でも色別でもそれがわかるように、分類と分類の間を空けて、フレームを折りたたんだ場合は、「智」(ヒンジ部分)が一直線に揃うように置いてください。
これをグリッドラインといいます。

・ネガティブスペース
くくりが素材→シルエットでしたら、素材同士のくくりは8cm空けてシルエット同士のくくりは5cm開けるなど、最新の注意を払って陳列させてください。
この5cmとか8cmとかの隙間をネガティブスペースといいます。

定量

多くの一般メガネ店が、いろいろなブランドのメガネを仕入れており、店内に陳列しているその数は200種類を下らないでしょう。
ABC分析やC-C分析もせずに、卸やメーカーが持ってくるものをすべて並べていたら、棚はいろいろなブランドであふれかえってしまいます。

しかも、3万円のブランドも5,000円のブランドも同じようにぎゅうぎゅうに棚に詰めている様は、よろずメガネ店としかいいようがありません。
しかも、4万円のオリバーピープルズのフレームの横に6,000円のMr.JUNCOを置くなどリレーション(隣同士の関連性)も乱れていると言う始末です。

これを解決するために、定量と言って、プライスラインごとに置く数を決めることをお勧めします。

例えば、3万円以上のフレームは6cm間隔でフレームを並べ、1万円以下は3cm間隔で並べるなど、価格帯ごとに並べるスペースを決めます。
すると、価格帯により売場のたたずまいは変わりますので、お客様も「このブランドは高級そうだな」とブライスカードを見ずとも、すぐに認識できるのです。
高級ならブランドの世界観を逸することもなくなります。

フェイシング

メガネが他の商品と違うのは、商品が透明ということです。
これはレンズのことを言っています。
ほとんどのフレームには展示用のレンズがついており、天井のライトを反射してキラッと光っています。

実は透明というのはやっかいで、後の景色を拾ってしまいます。
つまり、フレームの後ろの他のフレーム、壁紙、POP、メガネケースなどあらゆるものが、レンズごしに見えてしまうのです。

するとどうなるか?
それら透過物はフレームのシルエットのノイズとなり、商品がきれいに見えなくなるのです。
特にプロップスの透過にも気をつけましょう。
プラダやグッチなど高級メガネには、こことばかりにみんな装飾を施します。
造花やスカーフ、壺にクリスマスツリーなど、メガネの後に配置しています。
するとそれらがレンズを通してノイズとなり、グッチのフレームシルエットがわからなくなるのです。

モデルのポスターも注意してください。
メーカー供給のポスターやPOPをそのままメガネの背後に置くと、やっぱりフレームのシルエットはわからなくなるのです。
「メガネの後には何も置かない」
このひとことを念頭に入れておいてください。

ディスプレイ構成・ディスプレイ用品

VPやPPなど、売場のフォーカルポイントとなる展示物は、美しいプロポーションが求められます。
そもそもメガネ自体、ノーブルでインテリジェントな感じのする商品なので、ディスプレイも品よく構成するのが望ましいです。

低価格帯のメガネは、一方向に等間隔でズラッと並べていますが、プラダとかバーバリーなどのハイブランドは展示のように置かれています。
ただし、メガネが通常のVP,PPと違うのは、それは見本ではなく売り物だということです
メガネ店ではディスプレイしているメガネはすべて現品です。
そのため、展示する商品は、取りやすく戻しやすくする必要があります

三角構成にする際は、本や辞書のようなプロップスやメガネスタンドを使った方が安定します。
針金やワイングラスを使ったワフティング(宙に浮かせること)も面白いですが、そこにフレームを置いたら不安定になります。
そういう展示はウインドウの中だけにしましょう。

サイン編集・POP編集

この場合のサインとは分類サインのことです。
メガネはその性質上、どれも同じに見えるし、メンズとレディスとを見間違えることもあります。
ブランドの他に、読書用・釣り用・スポーツ用・PCメガネ用など用途を絞ったメガも多数販売しています。

そんなみんな同じに見えるメガネをわかりやすくするために、分類サインや分類POPがあるのです。
分類サインとは、プラカードのようなものを什器上や天井近くに展開するもので、スーパーの「ふりかけ」「コーヒー」のようなプラカードと同じようなものです。

ところが、この分類サインが下記の理由でわからないケースが多いです。

  • サインとPOPの位置関係が逆転している。
  • サインがPOPや商品に隠れて見えない。
  • サインの位置がバラバラ。
  • サインのデザインがバラバラ。

例えば、一つの什器に「レイバン」「サングラス」「ポリス」というサインやPOPがあったとします。
レイバンの大きいPOPが什器の一番上にあって、その下に「サングラス」のサインと「ポリス」のPOPがあったりします。

これでは、サングラスの売場というのはわかるけど、どれがレイバンで、どれがポリスか、わからなくなります。
分類サイン展開の仕方は、天井近くが大分類のサイン、その下が中分類サインと心得ましょう。

POPに関しては、メーカー提供のPOPの扱い方に特に注意します。
POPを適当に置いている売場はどうなっているかというと、「メガネがPOPに埋まった状態」になっています。
スタンド型POPにしろ、プライスカードにしろ、棚でのPOPの位置を決めないと、POPが商品より主役になってしまいます。

ましてやタグ処理を怠っていて、フレームのブリッジやリムにタグが引っかかっていたり、ヨロイに糸がぐるぐる巻きついていたりと、タグがフレームのノイズになっている状態をよく見ます。
これでは、メガネのシルエットがよく見えません
タグは最小限にとどめ、つけたとしてもどの位置にどのようにつけるか決めなければいけません。
こうしたタグ処理とPOPの適正数量、POPの位置と取り付け器具をコントロールして、商品が主役になる売場づくりを心がけます。

■□□■□□■□□■□□■□□■□□■

メガネVMD関係者の皆さん、わかりましたでしょうか、
メガネを心地よくショッピングできる快場つくってくださいね。
ちなみにホームページで私がかけているメガネは、シャルマンのラインアートです。
●オーバルリンク代表 深沢泰秀
さわやか~な感じを醸し出しています。(^^)

メガネのVMDもっと覚えたい、というあなたは、毎月開催している日本橋のセミナーにお越しください。
●VMDセミナー
またはオンラインでもやっています。
●オンラインVMDセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

メガネのディスプレイ

ガムットでバラバラに整然さを加えよう

今回は、ディスプレイ用語「ガムット」の話をします。

ガムットとは「傾きをおさえること」を言います。
リニアスキームとは、ディスプレイの構造線を考える事ですが、構造線を5つ以内に抑えることを「ガムット」といいます。

ガムットとは

トランプで「ガムット」を実験してみます。

まずはこの写真を見てください。
トランプをパーチクル(小さな装飾品のこと)として使います。
バラバラに机の上に置いてみます。

バラバラに置いたので、トランプはいろんな方向を向いています。

今度は、傾きを4つのみに限定してみます。
下の写真がそうです。

改めて上の写真を比べてみてください。
左よりも右の方がなんだか整然さが感じれられます。

やっぱり右の方が少し整然としていますね。
これがガムットです。

パーチクルを散布する際に、ガムットを使えば、ディスプレイは整います。
なので、「このディスプレイ、なんかバラバラだな少しすっきりさせたいな」という時にガムットを使えばよいです。

自然だけど、少し人工的・・・という美的感覚を養うのに便利なテクです。

ガムットの線を写真に引いてみました。
これでこのテーブルディスプレイは4種類の方向の線しか使用していないことがわかります。
構造線を180゜45゜135゜90゜の角度にしたのでわかりやすいと思います。

ガムットの応用

これは、トランプでなくメガネでも同じ。
下の写真を見比べてみてください。
最初の写真がガムットなし、次の写真がガムットありです。

ガムットあり、の方はなるべく等間隔にも置きました。
ガムットと同時に等間隔陳列もすること、これが鉄則です。
すると、ディスプレイは整って見えます。

例えば、あなたがイタリアンで食事しているとします。
テーブルから見える柱が見えました。
ガムットに意識して見てください。

ポスター、メニュー黒板、ボトルの陳列枠、メニューチラシ、これ全部長方形です。
トランプの代わりだと思ってください。
でもキレイなたたずまいには見えないですよね。
なんか、広告物をバラバラに貼っている感じ。
秩序が感じられません。

確かに長方形の傾きは全部で4。
ガムットとしてはセーフですが、モノとモノの間が等間隔になっていないので雑然と感じるんです。
つくった人の失敗は、ポスターやボトルケースとの距離を考えていないことにありました。

ガムットで楽しいディスプレイ

さて、せっかくだから、トランプ・ディスプレイの続きをつくりましょう。
少し整然としているカードは兵隊さんのように見えます。
そこでフォークを使って、このトランプをお城の門番にしてみました。

次にカップを入れました。
ウサギと帽子屋との茶会にしてみましょうか。

となると、怒ったお城の女王様も必要。
もうわかりましね。
テーマは「不思議の国のアリス」でした。

追加した食器の傾きも4種類以内に収まっています。

ディスプレイって楽しいですね。
ぜひセンスアップセミナーでディスプレイセンス磨いてください。

●センスアップセミナー

お待ちしております。(^^)

(VMDインストラクター協会事務局)

マスターパターン ウインドウディスプレイの構図 専門店5

ディスプレイはマスターパターンでキレイになる

今までいろいろディスプレイの構造についてお話してきました。
今回は、等分割のマスターパターンを会得しましょう。
マスターパターンとは、基本的な構図の方法と捉えてけっこうです。

あなたはロールケーキを切るときに等分割しますよね。
また、チョコレートも最初からちょうどいい一口サイズに分割されていますよね。
部屋の窓枠やカレンダーのマス目も等分割。
そう、人間は知らず知らずのうちに等分割に慣れていて、それを見ると気持ちいいんです。

マスターパターンは絵画の世界でよく用いられている手法です。
絵を2分割・3分割・4分割・・・と切り分けることにより、安定した構図が得られます。
そのため、絵を見ると「なんだか気持ちいい~」と感じることができます。

マスターパターンは、ディスプレイにも応用が効き、特にショーウインドウで威力を発揮することができます。

まずはこのウインドウディスプレイを見てください。

マスターパターン ウインドウディスプレイの構図1

Jクルーのウインドウです。
これに等分割ラインを引くことによって、どのように分割されているかがわかります。

これに分割ラインを引いてみます。
この等分割マスターパターンは、タテ6分割、ヨコ2分割です。

マスターパターン ウインドウディスプレイの構図2

画面は左右に二つに大きく切り分けられています。
右側3つのマネキンのカタマリと左側の写真と、雪の結晶のカタマリです。
二つの間には1/6分のスキマが空いています。

また、上下の切り分けについて、
●上は写真とマネキンのトップス、
●下は雪の結晶とボトムス・靴
に分けられています。

服や写真は、上下二つに切り分けられた上の部分に集中しているのに、大きい雪の結晶は下にあるので、上下のバランスがよいです。

さて、ここに斜めの対角線を引いてみます。

マスターパターン ウインドウディスプレイの構図2-2

するとあら不思議。
右のマネキン2つの肩が斜めの線に沿っています。
そして、雪の結晶の下側ラインと重なっています。
さらに、左の写真の女性の肩も斜めの線に沿っています。

このように、マスターパターンの線にリニアスキームを沿えることで、ディスプレイを完璧な構図に近づけています。
※リニアスキーム忘れた人はこちらをお読みください。
●リニアスキームについて

もうひとつ、Jクルー行きますか。

マスターパターン ウインドウディスプレイの構図 専門店5

じっと見てください。
かわいいVPですね。
構図すごくいいです。

マスターパターンを入れてみます。
今度は、上下とも4分割というのがわかります。

スターパターン ウインドウディスプレイの構図 専門店6

真っ二つに分かれた右側はキッズのマネキン3体、左側はツリーのお化けが立っていて、それぞれ、やや中央気味に固まっています。

斜めの線を見てください。
右は女の子の肩、左はツリーお化けの肩にラインが一致しています。
そしてなんと背景の雪山の肩ラインとも合っているんです。

今度は上下のヨコラインに注目しましょう。
このウインドウ、一見真ん中ラインの下側にディスプレイが偏っているではないの?と思いがちですが、違います。
真ん中ラインの上を見てください。
ツリーお化けのスキー帽、雪山の二つの頂上の3つの三角形が、ちょうど真ん中ヨコラインの上、左右タテラインの中央2分割の中に収まっています。
人は、三角形の頂点に注目しますから、ディスプレイのあまりない上の方にも目が行くんです。

この絶妙なマスターパターン。
これをマスターすれば、ウインドウVPにおけるマネキン配置もうまくいきます。
ヨコにズラッと並べたマネキンを、私はよく「三十三間堂になっている」と注意しています。
なんだか、三十三間堂の仏壇みたいで味気ないからです。
マスターパターンは、ワンパタでつまらないディスプレイを変えることができるんです。

マスターパターンは、ウインドウだけでなく日常のディスプレイにも応用できます。
テーブルディスプレイを見ていきましょう。
朝のコーヒータイムに「ミッキーとミニー」をテーマにしたテーブルプレゼンテーションをつくりました。

マスターパターン テーブルディスプレイの構図9

一見ランダムに見えるこのディスプレイも、マスターパータンに則っています。
線を入れてみましょう。
タテ6分割、ヨコ4分割の技法です。

マスターパターン テーブルディスプレイの構図10

中央のタテラインに注目してください。
赤と黒のランチョンマットがペアになって、キレイに左右に分割されているのがわかります。
そして、各々のランチョンのタテラインは1/6分割線に沿っているのがわかります。
食器類は、左右から2つ目のライン以内に集中して置かれており、バランスを取るため、中央ラインよりに一つカップを置いています。

今度は上下のヨコラインに注目してください。
中央ヨコラインの上側は、二つのカップとミルクポット、下側は急須とチーズケーキ皿があります。
つまり、真ん中の線を境に上下に食器を分散させているんです。

マスターパターン、だいたいわかったら次のテーブルディスプレイを見てみましょう。
「今日から海開き」をテーマにつくりました。
あなたなら、どのように分割しますか。

スターパターン テーブルディスプレイの構図11

もうわかりますよね。
今度は上下2分割、左右3分割です。
これは説明する必要ないほど簡単。
6分割にきれいに「絵」が分かれているのが実感できたと思います。

マスターパターン テーブルディスプレイの構図12

このように、一見適当につくったようなディスプレイでも、実はマスターパターンの法則が使われているんです。
百貨店や専門店のウインドウをつくるような方は、マスターパターンを駆使してつくるとよいでしょう。

ただ、家でちょっとしたディスプレイをつくるときにいちいちマスターパターンを気にしてつくるとストレスになりそう!!と思う方。
そんな時はこうしてください。

●ざっとディスプレイをつくってみて、俯瞰で眺めてみる。
●なにかおかしいなと思ったらマスターパータンを調整してみる。

というようにしてください。
すると、ほんの少し食器を動かすだけでも、きれいなディスプレイに仕上がります。

今日は、マスターパターンについてでした。
ディスプレイ実地で勉強したい方は、ディスプレイセミナーを行いますので、お気軽にお越しください。
5月は20日に行います。

●ディスプレイセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)