「手書きPOPが流行っているから使ってみよう」、皆さんはこう考えてはいませんか。
それはノンです。
手書きPOPはあくまでフォントのひとつと考えてください。
POPのフォントを選ぶには理由が必要なんです。
それでは手書きPOPを選ぶ理由はなんでしょうか。
主な理由を列記します。
●企業やブランドとしてではなく、一個人としてお客様に伝えたいとき。
例えば、書店の店長がある本の書評をPOPに書くとします。
書評が手書きだと、見たお客様は実感がわきます。
店長が直々にコメントした雰囲気が醸し出されているからです。
また家電店で、IH炊飯ジャーの説明POPとして料理家の手書きコメントPOPを置いたとします。
「象印で炊いたごはんは柔らかいので、これでつくった赤飯はすごくふわっとするんです。作り方は・・・」などと料理家本人の体験に基づいたコメントにするとお客様は納得します。
メーカーの広告部がつくった文言ではなくて、その商品を使ったプロフェッショナルの言葉だからです。
●手書きのテイストがお店のトンアンドマナーに合うとき
黒板などに書いた手書きPOP、手書きメニュー表など、ショップデザインのトーンアンドマナーに合うなら例えそれが商品スペックでもOKです。
手書きPOPに合うテイストのお店とは下記です。
- プロの職人が創った商品を販売している店/ 刃物店、食器店、てぬぐい店、着物店 etc
- 手作りのよさが感じられる商品を販売している店/ 菓子店、カフェ、ピザ店、ワイン店 etc
- 伝統的な商品を販売している店/ 漆器店、鰹節店、判子店、人形店、 畳店、茶店 etc
- ナチュラルな商品を販売している店/ 生花店、木製家具店、漢方薬局、コーヒー店 etc
●制作者側の意向をストレートに伝えたいとき
現代は、「誰が作った商品なのか」、「どこで作られた商品なのか」、「どんな人が仕入れた商品なのか」など、商品に直接かかわった人の言葉を信じる傾向にあります。語りかけ口調の文章は、まるで本人にインタビューしているように見えて現実味があります。下記のようなケースを想定してください。
- フランスの田舎にあるワイナリーと直接交渉して仕入れたワインPOPの、バイヤー・オススメの一言。
- 生鮮コーナーの採れたて野菜で、その野菜をつくっている提携農園の農園主のこだわりの一言。
- 食器コーナーで、能登半島で50年漆器づくりをしている職人が語る、モノづくりにかける思い。
●口語調で語りたいとき
ジャパネットたかたのように、口語調で語りかけるPOPに手書きは有効です。身内のように語る口調は親しみやすく、リラックスして聞けます。こんな時、フォントを手書き文字にすれば、いっそう親近感は高まります。ハーブティの効用、ストレッチ器具のダイエット効果など何でも有効です。
いかがでしょうか。
流行だからと言って手書き文字を採用してもダメなんです。
手書き文字を使う理由を明確にしてから採用してください。
それがお店のブランドをキープできる秘訣です。
POPのこと、詳しく勉強したい方はぜひ売場塾のPOP指導講座で学んでくださいね。
●売場塾 POP指導講座
(vmd-i協会事務局)