ディスプレイ」タグアーカイブ

売場のデコボコを改善しよう

売場が乱雑に見える原因に什器があります。

什器のデザインとレイアウトがバラバラだと、売場がきたなく見えます。
これ、どうしてそう見えるのか考えてみましょう。
色やサイズ、素材、高さ、棚の奥行きなど、隣同士の什器のデザインが違うことが挙げられます。

売場のデコボコは特にサイズが影響している場合が多いです。
什器は性格上、什器を隣同士にくっつけて繋げて、売場という空間をつくります。
なので、什器の高さや奥行きのサイズが違うと文字通り、売場はデコボコに見えるんです。

なんか売場が乱雑だな、と思ったら、什器を見ればよいです。
デコボコだということがわかります。
なおデコボコの原因は什器デザインだけではありません。
商品やPOP、ディスプレー用品にもあります。

例えば、最下段に置いている在庫の段ボール箱が
7cm前に突き出ているだけでも、デコボコに見えます。
在庫に布を掛けて隠しても、布そのものが通路にでっぱるのでデコボコに見えます。

その他、商品が什器の背板より高く棚に置かれていてもデコボコに見えますし、POPが什器より外れて突き出して貼ってあるとき、デコボコに見えます。

ジャンブル什器もそうです。
特売のワゴンやメーカー持ち込みの什器など、通路にはみ出して置いている追加の什器のことが、これらも売場がデコボコに見える要因です。

このように、売場のデコボコは、店内のきれいな佇まいを害してしまいます。
デコボコを防ぐにはどうしたらよいのでしょう。
それはカンタン。
空間規制をすればいいんです。

什器のサイズは縦横奥行き、そろえる。
POPやプロップスなどのディスプレイ用品は什器の中に収める。
もちろん、展示や陳列している商品も什器の中に収めます。
まずはこれにつきます。

商品を含めたすべてのディスプレイ用品がきっちり什器内に収まっているお店はきれいに見えます。
什器の色や素材を統一すると、さらにきれいに見えるでしょう。

あなたのお店の什器はデコボコになっていませんか。
今一度点検してみましょう。

(vmd-i協会事務局)

マネキンに関する知識

今日はマネキンのお話をします。

世界中でマネキンレンタルしているのは日本だけなんです。
欧米は販売なんです。中国からも世界に安いものが出回っています。
日本はマネキンメーカーがたくさんあり、そこが各社にマネキンをレンタルしているんです。
ヨーロッパは、小さい制作事務所があり、仕事はアートのようなもので、クライアントの注文を受けて、個性的なマネキンを作っています。
すると、服のブランドやショップランドを低下されることにもなってしまいます。
きちんと回収しメンテナンスできるレンタルシステムの方が都合がいいんです。

例えば、毎年この時期にアメリカ行っていますが、いついってもみんなおんなじマネキンを 使っているんです。
飽きるなーーと思いつつも、日本の目まぐるしいレンタルシステムに敬意を表しています。

さて、このレンタルのローテーションは、1か月単位から。
標準レンタルは、運送費は取らないメーカーも多いです。
催事やイベント等の短期レンタルは配送料とること多いです。
短期だと割高になる。1日でも1週間でも、1か月と変わらない料金になるんです。

レンタルのいいところは、毎年、次々と新しい作品が出て来るところ。
それらを好きに選ぶことができるのはレンタルのメリットです。
さっきみたいなに、「いつ来てもいっしょのマネキン」になりません。

さらに特別注文もできるんです。
色、メイク、ポーズなどその時期に合った最適なマネキンをレンタルしてもらえます。
かといって、古いマネキンも十分使うことができます。
古いマネキンは、新しいマネキンにリメイクできるんです。
例えば、平和マネキンのGINAというマネキンがそう。
顔の輪郭を変えたりしてバージョンアップできるんです。

さて、マネキンはどうやってつくられているんでしょう。

マネキンはボディは合成樹脂、FRPでつくられています。
そしてそのボディは原型作家という人がつくっています。
マネキン造作のアーチストと言っていいでしょう。
一種の彫刻家ですね。

原型は粘土原型とマスター原型があります。
マスター原型をマネキン工場で拝見しましたが、FRPと比べて少し重いです。
このマスター原型が大事で、量産のマネキンの元となります。

マネキンには種類があり、リアルマネキン、抽象マネキンがあります。
抽象マネキンは、顔がのっぺらぼうが多いですが、髪をほんのり入れて女性らしさを表現している ものもあります。
首・腰・あし・手など四肢で分解できるので、体系のバージョン変更なども簡単にできます。
ただし、首を首なしボディにつけることはできません。

マネキンの目ですが、白目にするということはまずありません。
たいてい瞳を入れます。白めだと気持ち悪いだけですもんね。
このマネキンの目、目がお客様目線になっているということはありません。
マネキンは視線をお客様にあわせないのです。お客様が気にしてしまうからです。
なんかこわーい感じになりますものね。お客様が気にしてほしいのでは、マネキンじゃなくて服なんです。

マネキンは無国籍につくってあります。何人ということはないんです。
だから、アメリカ人でもないですし、日本人でも、英国人でもフランス人でもないです。
いろんな国に当てはめられるので、どんな洋服にもマッチするんです。

それから、マネキンは年齢不詳なんです

特に女性のマネキンは年齢の幅は広いです。
大まかに言ってティーンと大人の二つはあります
そして、中高年は、マネキンの年が分かってほしくないんです。
オバサンのマネキンなんていやですよね。
ただし、男性はシニアのマネキンがあります。男性と女性はマネキンの見方が違うのです。
昔からシニアの男性はロマンスグレートいい、かっこいいんですが、シニアの女性は世間一般にはオバサンですもんね。
なんか男尊女卑みたいですみません。

さて、マネキンの素材なんですが、ボディはFRPですが、手は塩ビで制作してあります。
FRPはバリがでてしまうので、手には不向きなんです。
なお、ボディはガラス繊維でできています。
なぜかというと、リサイクルしやすいようにです。
都道府県条例で破棄するマネキンはバラバラに砕かなくてはいけないんです。
この解対物は粉上にもできますので 再利用できるんです。

いかがでしたか。
自分たちが使うマネキン、こだっわって 選びたいですね。
(vmd-i協会事務局)

寒色・暖色・中性色のディスプレイテクニック

寒色・暖色・中性色。
これらは、色物を扱っている店では常識の色です。
寒色とは、寒い色のことを言います。
青、白、水色、青緑、これら全部寒色です。
アナと雪の女王の色ですね。

暖色とは、暖かい色のことをいいます。
赤、オレンジ、黄色、ピンク、これら全部暖色です。
Jリーグのエスパルスカラーの色ですね。

中性色とは、寒くも温かくもない色。
緑、青紫、紫、赤紫、黄緑、これら全部中性色です。
中間色とは言わないので、注意してください。
中間色とは、茶色、グレーなど渋く濁った色をいいます。

あなたがアパレル店VMDなら色に敏感になりましょう。
店内ディスプレイで、季節に合わせた色を表現するように心がけます。なぜなら、VMDの世界では、「季節には季節の色を」が鉄則だからです。

春が近づいているのに、寒色だと寒いかなて気がしますね。
確かに今日は大寒だし、寒い日が本格的になりますが、それでも 季節は春に向かっているんです。
寒色は出していてもいいけれど、春らしい色をたくさん出しましょう。

都内の一部の百貨店はいつもよりも1か月品揃えを早くしていてそこに行くと春気分になりますよ。
やっぱり春の訪れ感じるなんて楽しいですよね。

もう一度いうと、 寒色・暖色・中性色って季節の色を指すのです。
春には春の色、つまり暖色をたくさん出してください。
出す場所は、フェースアウト、VP,PP、ホールデッドの一番上、T字売場のどん突きが定石。
ここならすごく目立ちます。
ブランドの中ではIPの色の配列が決まっているので。
お客様の目につく場所に「暖色が一番目立つように並べて」 ください

そして、GWが近くなったら中性色の黄緑、緑を出しましょう。
季節は新色なんです。
季節が高まるにつれて、トーンを彩度高くしてくださいね。
今はペールトーンでいいけれど、夏はビビッドトーンです。

ということで、明日はオレンジの暖色着ていきます。
明日も寒そうなので、気分はるんるんでいきます。 それではまた。

(vmd-i協会事務局)

ディスプレイ構成を直そう

ウインドウを見て歩くと、バランスのよくないディスプレイに当たります。
特に服飾小物とマネキンとのバランスですね。

多いのが、バッグとマネキンとのバランス。
バッグを肩に掛けずに床に置いているケースが目立ちます。
これはバランスあまりよくないです。
ボストンやビッグトートーは確かに重量感があって、床に置きたいのはヤマヤマですが、ぺったんと床に置くと服との距離が高すぎてヘンです。

中にはハンドバッグを床に置いたりしています。
これはクリンリネスの観点からいってもペケですね。

遠いと、バッグと服とのコーディネートの統一感がないですし、だいいちバッグが目立たないです。
床に置いたグリーンとバッティングして隠れたりしています。

こんなときはスツールを使って、ぐいーーーっとバッグを上げましょう。
バッグをマネキンの手の高さまで上げると、コーディネートも ピッタンコです。

ディスプレイ構成はアシンメトリー構成がおススメです。
普通はマネキンを2.3体固めてトライアングルをつくるんですが、この場合は2.3体を離して真ん中に谷間をつくるんです。

その谷間にスツールを置いて、その上にバッグを置きます。
靴やショールも一緒においてもいいですよ。

スツールは左右どちらかのマネキンにピッタリつけます。
これでアシンメトリー構成の完成です。

自分の店のウインドウやVP台に置いたディスプレイのバランスが ヘンだなと思ったら、服飾雑貨とのバランスがおかしいケースが多いです。
そんな時は、スツールを使ってアシンメトリー構成にしてみましょう。
きっと美しいディスプレイになりますよ。
(vmd-i協会事務局)

アパレルディスプレイテクニック

フォーミングや小手先のアパレルディスプレイは普段から着こなしを自分でやっていないと、ディスプレイに表現することはできないと思います。

アパレルの小手先のディスプレイってなんでしょう。
コツはこれです。

  • フォーミング
  • ポージング
  • ロールアップ
  • ドレーピング
  • レイヤード
  • とぐろ巻き
  • タッキング
  • ピンワーク
  • フライング

●フォーミング
服の中に、エアクッションやライスペーパーを丸めたものを入れて、ふくらみをつくります。アームホールやレッグホール、胸などに詰めてまるで人間が着ている様に表現します。

●ポージング
腕や足が動かせる自在マネキンの場合、腕と足にしぐさをつけることにより、シーンが表現できます。友達と談笑しているシーンは腕を上げたり、走っているシーンは、腕と足を振っているしぐさにします。また、マネキンでなくても、上記のフォーミングでポーズをつけることができます。よくやっているのが、上着のポケットに手を入れているしぐさです。

●ロールアップ
いわゆる腕まくりのこと。その他、足まくり、腕まくり、裾まくりのこともいいます。マネキンの華奢な腕や細く長い足を露出することにより、スタイルよく見せる。シェルビングやハンギングでもできます。

●レイヤード
いわゆる、チラ見せのことです。アウターの服の裾からインナーがちらっと見えたりアウターを、腕まくりをさせてインナーを見せる方法です。これはVP,PPだけでなく、IPでもできます。ポロシャツの下にTシャツを入れてシェルビングするなどしてできます。

●ドレーピング
シルクという素材やピケという織り方で、とろみ感あふれるデザインができ、それを売り物にしたアイテムがあります。ワンピース、ドルマンスリーブシャツ、フルレングススカートなどがそうです。これを表現するには、レイダウンといってテーブル上に広げて見せる方法があります。平たく置くのではなく、わざと軽く曲げて、しなやかさと光沢感を出します。T字スタンドを使用して、ふんわりかけても表現できます。

●とぐろ巻
ネクタイやショールなどで使うディスプレイ方法です。蛇のとぐろのようにして巻きます。立体的に見え、テーブルの上などに置けます。

●タッキング
タックをつけて展示する方法です。例えば、パンツを6cmずつジグザグに折ってレイダウンします。トップスでもネクタイの様な服飾雑貨でもできます。

●ピンワーク
虫ピンで服をコルクボードに留めるディスプレイ方法です。PL法施行後、百貨店、GMSでは全面禁止になりましたが、一部の専門店ではまだ使っています。ピンの差し方で、アクティブな表現ができます。デコレーターが行います。

●フライング
テグスという釣り糸を使って、空中に服を漂わせるディスプレイ方法です。袖や裾、襟等にテグスをかけてもう一方の端を、天井や床にS管やペグでクリッピングします。すると、服が生きている様に、アクティブな表現をします。素人では難しく、デコレーターが行います。

これら小手先のテクニックは、自らがいつも服を着る際に気を付けて行うことで 身に着けることができます。
つまり、ただ着るだけの毎日では、なにもアパレルのディスプレイ、特にマネキンへのウエアリングスキルが発達しません。

オシャレに気を使い、いつも自分を格好よく見せる着こなしをしてこそ、マネキン、アウトフィッティング、フェイスアウトのウエアリングスキルがついていくことでしょう。
例えば、私の場合は365日、同じコーデはしていません。
同じ服装でもどこか変えていますよ。(^^)

アパレルスタッフの方、店舗VMD担当の方、「小手先のディスプレテクニック」の勉強がんばってください。

 

 

(vmd-i協会事務局)