オリジナル什器のつくり方

オリジナル什器のつくり方について解説します。
どこの売場でも什器がなんか違う・・・ということがありますよね。
什器をどうやって作ったからいいか、解説します。

要素として下記があります。

  • 目的
  • トーンアンドマナー
  • 背後の処理
  • 什器サイズ
  • 棚サイズ
  • 背後の処理
  • 展示の有無
  • 照明の有無
  • 機能
  • オリジナルor加工オリジナル
  • コスト

 

順に解説しましょう。
●目的
什器をつくる目的を決めます。什器デザインのフレームワークから導き出してもOKです。
●トーンアンドマナー
ショップブランド、プロダクツブランド等に合ったトーンアンドマナーを考えます。
→素材 素材の選択により、ブランドの世界観をつぶしもしますし、拡げもします。
→デザイン 形状、色、柄等什器デザインの要素をブランド・トーンアンドマナーに合わせます。
●背後の処理
キャビネットの形状を決めます。扉・スライド戸・引出し・カーテン・アコーディオンetc
●什器サイズ
店頭、壁面、アイランド島の立地、商品の定量、見通しに合った什器サイズを決めます。
●棚サイズ
商品の定量とフェイシングに合った棚サイズを決めます。
●展示の有無
最上段や最下段に展示固定棚をつくるかどうかを決めます。
●照明の有無
棚照明、展示照明、意匠照明をつくるかどうか決めます。
●機能
下記の各種機能を選定します。
→透過性 ガラス棚にすると、下段まで天井のライトが透過できます。
→可動性 什器脚にキャスターを付けると、什器移動が楽にできます。
→転化性 後々、他のアイテムの商品棚に転用できるような機能を持たせます。ラックをハンガーに、等。
→販促機能 POPを取り付けられる機能をつけます。ボード取り付け棚、プライスカード設置棚等。
→在庫保管機能 什器上段または下段にキャビネットやトロッコ、コンテナ機能を持たせ、在庫が保管できるようにします。
●オリジナルor加工オリジナル
まったくオリジナルで造るか、既存什器を加工するか決めます。後者は安く仕上がります。
●コスト
什器メーカーに見積もりを依頼します。

以上です。
(vmd-i協会事務局長)

施工会社への店舗デザイン発注方式

あなたが、商業施設に入居しているテナントの本部VMD担当だとしましょう。
あなたのショップデザイン能力で、3つの発注スタイルが存在します。

それは、

  • ゼネコン方式
  • コストオン方式
  • 分別発注方式

この3つです。

必凸一つ解説します。

■ゼネコン方式
ゼネコン会社とは、施工会社、建築メーカー、内装業社、マネキンメーカー等いろいろ存在します。
設計から施工まで丸投げでき、一括決済できますが、コストが高くなります。設計・施工会社の担当者(営業) に依るところが多くなるので、担当者の出来・不出来で仕上がりに差が出ます。
販促・備品のような細かい対応ができないところも あります。

■コストオン方式
発注者が直接設計者と専門業者に発注するスタイル。
設計者とは監理契約を結び、設計の他に、業社の選定、素材、デザイン、仕上がりのクオリティ、安全性、商業施設への図面提供などをしていただきます。そのため、監理料が派生します。
専門業社とも直接やりとりする機会が多くなるので、こだわりのある方や業界知識に長けている方に向いています。
決済も直接やりとりするので、ゼネコン方式より安くなります。
ただ、打ち合わせが多くなるので、時間がかかります。

■分別発注方式
発注者が直接専門業者に発注するスタイル。
発注者自体に店舗デザイン能力がある方向きです。
発注者は、まず設計や意匠といったソフトの部分を重視して、設計者を選びます。
設計者からは実施設計図買取の形で、直接各種専門業者に発注します。
もちろん、設計者は建築素材・部材・デザイン・什器・備品の指定はします。
ただ、設計者は助言や書類提出のみなので、発注者は各専門業者と打ち合わせから監理までやらなければいけません。
コストはかかりませんが、時間がかかります。

わかりましたでしょうか、3つの発注方式。
ショップデザインは、店舗をつくる際に必要な能力です。
VMDインストラクターの方は、少なくとも図面は読めた方がいいです。
床・壁・天井のデザインや什器の仕様、素材やデザイン、安全性など、いろいろ監修するのが役目です。
施工会社に丸投げしたらダメですよ。
店舗デザインにこだわらないと、いいお店はできないですし、プランドの世界観演出に支障をきたします。

打ち合わせする業社は、設計会社、施工会社、内装会社、什器メーカー、電機・配線業社、サイン業社、マネキンメーカー、展示業社、販促・備品会社など。
これだけの人と渡り合わなければいけません。

VMDはショップデザイン、ディスプレイ、店頭販促、MD。
これら4つの基本構成で成り立っています。
VMD担当の皆さん、お店のデザイン監理がんばって下さいね。

(vmd-i協会事務局長)

ショップブランドの世界観表現

ショップブランドの世界観表現について話します。
つまり、社内や得意先に自社のショップブランドの世界観をプレゼンするときに使うテクです。

それは下記になります。

  • コラージュボード
  • ロゴシート
  • パースボード
  • ペルソナ企画書

ひとつひとつ解説します。

■コラージュボード/

世界観の広がるシーン写真やイラストをマス媒体からピックアップ。ボードに切り 貼りして表現します。
ショップコンセプトを提案するのに使います。
写真は雑誌や本、ネットから拾います。
ピンタレスト、インスタグラム、検索エン ジンなどですぐに入手できます。
ただし、著作権がありますので注意しま しょう。

■ロゴシート/

店舗ロゴやショップ・キャッチコピーを変更する場合のプレゼンシートです。
コンセプトに基づいたキャッチフレーズ案や時によっては、ロゴ変更の提案に使用します。

■パースボード/

大まかなショップデザインを提案するときに使います。CADソフトを使う ことが多いです。
外観や内観、メーカー売場の場合は什器を含めた床・壁デザインになります。

■ペルソナ企画書/

どんな人にショップを利用してほしいか、を提案する企画書です。ペルソナという 登場人物を描きます。マンガタッチ、イラストタッチ、モデル写真などの表現があります。
実際に商品を使っているシーンなども 提示します。

わかりましたでしょうか。
こんな風にオーバルリンクは、 お得意先にプレゼンしています。
当社VMDサービスとしてはも下記が該当します。

●リモデル

(vmd-i協会事務局長)

タイムマーチャンダイジングを考えよう

お店というものは、昔は10時から夜7時でだいたい閉まるものでしたが、今は、コンビニは24時間は当たり前、大型スーパーでも夜0時まで開いているのが普通の時代となりました。

ところで、お店は毎時間同じような客層が訪れるものなのでしょうか。
一日を見ても、早朝・午前中・お昼・午後・夕方・夜・深夜・・・・と時間によって実にさまざまな客層がお店を訪れているのがわかります。

早朝は近所の年配の女性、昼になると主婦全般、午後は年配と主婦、夕方は学生、夜は勤め帰りのOL、深夜は学生や単身赴任者・・・とスーパーひとつを見ても時間によって客層は変わります。

ところが肝心の売場は、時間軸どころか平日と週末ですら、同じ売場展開をしているお店が多いでしょう。

客層はまったく異なるのに売場はいつも同じ・・・ということは、潜在的な顧客ニーズを売場が捉えていないので、販売機会喪失ということになります。

時間軸で、売場を可変できれば販売機会を逃さずにお店の売上はアップするはずなのに、なんとも惜しい限りです。
ちょっとした工夫で、その時々のお客様のニーズに合わせた売場展開をしましょう。

例えば、商品は同じでもPOPのキャッチフレーズを時間によって変えます。

そこがチョコレート売場なら、昼間は主婦用に「リラックスチョコは午後の紅茶に合う」 夜は社会人用に「チョコレートは残業の疲れを癒します」とか、ターゲットにあわせて夕方6時になると店員がPOPを変えるとかします。

また、PP(売場の小さな目に付くディスプレイ)も時間によって変えます。

上記のチョコレート売場なら、昼間は紅茶に合うブルボンのチョコレートをディスプレイに掲げ、夕方6時以降は、グリコのGABAというギャバが多量に含んだ眠気に強い残業向けのチョコをPPに掲げるとかするわけです。

棚をいきなりすべて変えるのは難しいので、POPやディスプレイ、可能ならエンドなどを変えて、その時間に訴求したいお客様に合うVMDを心がけましょう。

それがタイムマーチャンダイジングなのです。

 

(vmd-i協会事務局)

ブランディングの利点って何だろう?

ブランディングは、他社との差別化に有効なマーケティング活動だということは 別の項目でお話しました。 今回は、ブランドを確立すると企業や個人にとってなんの旨みがあるのか、お話します。

それは主に下記の4点です。

  • 客が好んでリピート客になってくれる
  • 大量に広告をしなくても口コミで広がる
  • 安売りせずに定価を維持できる
  • 企業の付加価値が増える

企業の付加価値が増える・・・ということは、その会社に入りたいという人が増えたり、株価が上がったり、提携したい企業が増えたり、なにかの賞をもらったり・・・ といろいろあります。それらは、企業にとってとてもいいことなのです。