VMD全般」カテゴリーアーカイブ

モデルの写真

演出POPでブランド空間を演出する

以前、このブログでPOPの種類は6つあるといいました。
商品・演出・告知・誘導・注意・案内の6つですが、今回はそのうちの「演出POP」について講義します。

※参考/POP6つの種類

1.演出POPとは

演出POPとは、商品やブランドを演出するPOPのことです。
下記の様なものが演出POPです。一つ一つ解説します。

●タレントのポスター 

タレントのポスター
  • 雪肌精の新垣結衣や大谷翔平
  • SKⅡの綾瀬はるか
  • CWXのイチロー
  • スカイナーの浅田真央
  • ソフトバンクの「お父さん」 etc

これらはテレビや新聞の広告と連動してることが多いです。
タレントをアイキャッチに、商品写真は小さめにレイアウトしています。
タレントが商品やブランドの推奨役になっています。
タレントのキャラクター性を商品やブランドに刷り込んでいます。

●モデルのポスター

モデルのポスター

下記の店内に掲示されているモデルのポスターがこれに当たります。

  • ユニクロのようなSPA
  • ルイ・ヴィトンのようなブランドショップ
  • ゼビオのようなスポーツ用品店
  • ヤマダ電機のような家電量販店
  • テンピュールのような寝具店 etc

これらの店ではモデルが商品を使用しているシーンが多いです。
服を着てゆったりした生活を送っているシーン、アスリートがランニングしているシーン、キャンバスでケータイを使っているシーンなど。
ライフスタイル、ステイタス、テイスト、トレンド、エイジなどを商品やブランドにスライドさせています。

●絵画・風景写真ポスター

絵画・風景写真ポスター

これはファッション店でよく見ると思います。
服と直接関係ない、海や山の風景、鳥や動物、都会の街並み、部屋のインテリアなど、風景を切り取った写真がフレームに入れて飾られています。
これは、服を着たシーンを切り取った一コマの場合もありますが、多くはブランドや商品の世界観を表している抽象的な写真です。
例えば、サーファーの店なら、ビーチや波のうねり、海の家、駐車場のオープンカーといった風景写真になります。

また、インテリアディスプレイと呼ばれるもので、スターバックスにあるような絵画フレームも演出POPです。

  • コーヒー店、レストランなどの額縁
  • 保険ショップ、ブライダルショップなどの壁面の額縁
  • ヘアサロン、マッサージ店などの壁面の額縁
  • 百貨店、ショッピングモールの待合いスペースの額縁
  • 歯医者や耳鼻科などクリニックの待合いスペースの額縁 etc

●商品ポスター

商品ポスター

これは商品を説明する説明POPではなく、商品を拡大してドラマチックに見せるためのPOPです。

  • ケータイショップにおけるiPhoneのポスター
  • カーディーラーにおける車のポスター
  • ジュエリーショップにおける結婚指輪のポスター
  • 食器店におけるワイングラスのポスター
  • ハンバーガー店や回転ずし店におけるメニューポスター
  • 家電店における家電品のポスター
  • 旅行代理店による旅行先の風景ポスター etc

2.演出POPの注意点

演出POPは文字通り、商品やブランドを演出するPOPなので、貼り方を間違えると、ブランド台無しになってしまいます。
注意点を述べましょう。

  • 空いているからといって貼らない
  • フレームに入れる
  • 商品の近くに置く
  • グリッドラインを揃える
  • アートになるように貼る

などです。
ひとつひとつ解説していきましょう。

●空いているからといって貼らない

POPの貼り方悪い例

ドラッグストアやスーパー、家電店のタレントポスターはほとんどメーカーの持ち込みです。
そのため、商品陳列の空いたスペースに演出POPを張るのが常になっています。

  • 棚の空いたところ
  • 壁の空いたところ
  • 天井近くの空いたところ
  • カウンターの下
  • トイレの入り口
  • ドアのガラス面
  • 商品陳列の後ろ

などなど、売場が商品とPOPでごちゃまぜになっているケースが多いです。
これだと、モデルやタレントがかわいそう。
シャンプーに押しつぶされている美人のポスター見たくないですよね。
「赤札市!!」のPOPに押し切られそうになっている野球選手のポスターも見たくないですよね。
トイレりサインの横に貼られているハリウッドモデルも見たくないはず。

演出POPは家のインテリアと同じ。
優雅に貼られることによってその価値を発揮できます。
お客様が見やすいところに、そのためのスペースを取って、きちんと貼りましょう。
一度、ラルフローレンやユニクロ、無印良品のお店を見に行くといいです。

●フレームに入れる

フレームPOP

演出POPはフレームに入れましょう。
額縁にいれることによって価値が高まります。

セロテープや画鋲、ホチキスで貼ると、ビラのように見えてしまいます
大きい演出POPは額に入れると様になります。
額といっても、おおげさに考える必要はありません。
モナリザを飾るわけではないので、プラスチックの薄いフレームでよいのです。
ほとんどのポスター用額縁はネットやディスプレイ用品店、ホームセンターで買えてしまいます。

例えば、マクドナルドやケンタッキー、ガストやミスタードーナツの壁面のポスターを見てください。
「月見バーカー」や「ガーリックホットチキン」のポスターはポスター用フレームに入っています。
壁面に等間隔で並んでいて、とてもきれいです。
これらが、カウンターの下やレジの仕切り、ドアのガラスにセロテープで貼られていないですよね。

大きなものは額、小さなものはアクリルスタンドに入れて掲示することを心がけましょう。

●商品の近くに置く

ウイリアムソノマのPOP

演出POPは商品を演出することが多いです。
商品の持つ世界観を醸し出すことができます。
例えば、ウイスキーのディスプレイ背後に、富士山の雄大なポスターを設置するとします。
すると、お客様は「このウイスキー、富士山の恵みでできているんだな」「このウイスキー、おいしい富士山の水でできているんだな」と感心してくれます。

ところが、この富士山のポスターがウイスキーから1m離れた場所に置いてあると、お客様はもう富士山とウイスキーを結びつけることができません。

演出POPは商品の近くに置くことを心がけましょう。

●グリッドラインを揃える

ホノルルクッキーのPOP

演出POPは家の額みたいなものです。
グリッドラインを揃える、等間隔展示にするのが基本です。

JTBのお店にあるハワイの写真のように展開しましょう。
これはフレームのサイズが違っていも同じです。

等間隔、グリッドラインフィックスが基本です。
写真上は額の底のラインにグリッドを合わせています。
写真下は、額の中央にグリッドを合わせています。

線を取ってみましょう。
ほら、きれいに壁に展開しているのがわかりますよね。

●アートになるように貼る

DFSのPOP

ブランドショップやセレクトショップのような店は、インテリアディスプレイとしてポスターを掲示しています。
風景ポスターや絵画をお店を家と見立てて文字通り、額として壁に掲示します。
住宅展示場やモデルハウスで見るように、センスよくアート的にPOPを掲示します。

これ、下記のブログで詳しく写真入りで解説していますので参考にしてください。

●演出POPでアートな売場をつくろう

3.まとめ

わかりましたでしょうか。演出POPの種類と注意点。
演出POPがあると、売場にブランド空間を作ることができ、商品も魅力的に見えます。
ぜひあなたのお店に演出POPを掲示してみてください。

なお、POPの活用方法に関しましては、センスアップセミナー「POP活用体系」で詳しく講義しています。
●センスアップセミナー「POP活用体系」
7月に行う予定ですのでその時はぜひご参加ください。

(VMDインストラクター協会事務局)

買い物客の手2

VMDとは何か?

VMDとは、当社ホームページに定義してありますが、今回はさらに掘り下げて解説します。
●VMDとは
それでは行ってみましょう~。

1.売場づくりには手法がある

VMDとはビジュアル・マーチャンダイジングの略で、売場づくりのノウハウを言います。
一般の人にとっては、売場づくりには手法がある、というと何それ?という人も多いと思います。

お店のこと?それとも商品が棚に収まっている陳列のこと?
いろいろな解釈があるでしょう。

端的に言うと、売場は「売る場」です。
だから店員さんがいる空間で、店員さんがモノを売っている空間、と解釈できます。

売場に手法なんているの?
仕入れた商品をただ棚に置けばいいんじゃないの?
そんな風に思っている人も多いと思います。
事実、流通業以外にいる方に「VMDって知ってる?」と聞くと、ほとんど「知らない」と言います。
自分たちが普段行くコンビニやドラッグストアは、仕入れた商品を単純に棚に置いている、と思っています。

私は、以前広告会社にいました。
モノを売る前段階の、モノをPRする側にいました。
20年いた広告会社をやめて、オーバルリンクというVMD会社をつくろうとしていました。
「売場づくりの広告会社つくるんですよ」と同僚に行ったところ、「何それ」「売場づくりなんてどうでもいいんじゃないの」と返してきました。不信そうな顔です。

モノを売る、というのはマーケティングといってとても大事な経済活動です。
モノを売る行為があるから広告会社が存在する、と言っても過言ではありません。
広告はマーテケィングの重要なツールです。
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌はもとより、SNSなども大事な広告です。

しかし、VMDという新しいマーケティングもあるんです。
売場で商品をPRする、それこそがVMDだと思って起業しました。

でも、皆さんはこう思うでしょう。
マーケティングなのに、なんでマーチャンダイジングなの?

マーケティングとは、モノやサービスを売るための企業・団体や個人の販売活動を言います。
マーチャンダイジングは、品揃えのことを言い、仕入れてモノを売る企業・団体や個人の商業活動をいいます。
マーチャンダイジングは、マーケティングの部分集合と考えてよいでしょう。

2.ビジュアル・マーチャンダイジングとは

なので、広義のビジュアル・マーチャンダイジングは、「どんなモノを売っているのか、目で見てわかるようにしろ」ということになります。
ところが売りモノというのは、季節や場所、売る対象者、トレンドなどによって目まぐるしく変わります。
通常の売場というのは、1年中ずっと同じものを置いているわけではありません。
MDの5適とは、1.その時期に、2.その場所で、3.そのお客様にふさわしい商品を、4.適正量と 5.適正価格で売る ことを言います。
ビジュアルマーチャンダイジングは、この5適を目で見てわかるようにしなければいけないのです。

VMDの最大のメリットは、目的買いでなく衝動的に買わせること。
例えば、タバコはほとんどの方が目的買いです。
衝動的にタバコを買うというよりも、切れたら買う、というものです。

  • 買うつもりがなかったのに買っちゃった。
  • 入るつもりがないのに、お店に入っちゃった。

これが、流通業者が一番求めていることかもしれません。
もともと買うつもりのなかった客に、自社の商品を即買わせるということは、自社の売上に貢献すること大です。
特に食品や化粧品・服を含めた日用品などは価格は比較的安いので、その場その時が勝負です。

高価な時計・家電品・インテリア・自動車・住宅なども同様。
今は買うつもりがないけど将来的に買うといいかも、を演出できるでしょう。
価格の安い日用品と違い、熟考に掛ける時間が必要ですので、その場で買うということはあり得ません。

  • 今の自分、将来の自分にプラスになりそう。
  • いつか買うといいかも。

と、ビジュアル・マーチャンダイジングできっかけを与えることはできます。

こう考えると、VMDは人々の生活を瞬間的にも、将来的にも豊かにできる売場づくりのノウハウと言えます。
生活を快くできる機会を与えてくれる売場、それが「快場」へつながる一歩になります。
本来、快場は「心地よくショッピングできる売場」を意味しましたが、これに加えて上記の意味も含まれるんです。

3.VMDの4大要素

VMDをもう少し掘り下げていきましょう。
VMDには下記の4つの要素があり、それが快場をつくる源になっています。

  1. ショップ空間
  2. 品揃えと展開
  3. ディスプレイ
  4. 体験販促

個々に解説します。

1.ショップ空間

商品は店というハコの中で売られています。
コンビニというハコ、スーパーというハコ、百貨店というハコ。
ハコとは、床・壁・天井で囲まれた空間です。
大概の商品はハコの中に収まっています。

この空間には、ブランドの世界観というものがあり、それぞれ店名というブランドネームがついています。
無印良品、伊勢丹、マツモトキヨシ、カインズなどなど。
ハコの中はショップブランドの世界観で充満しています。

※空間のブランドの考え方は下記を読んでみてください。
●VMDとは空間のブランディング

例えば、無印良品に入ると、白い床に木材でできた背の高い什器、商品が整然とボリューミーに並んだ棚、廃材でできたカウンター、などなどシンプルで自然を重んじる無印良品の世界観が広がっています。
銀座や梅田にあるような旗艦店ほどブランドの世界観を強く打だしています。
インターネットでも同じ商品は買えますが、ブランドの世界観を感受することは、お店に行かなければ得ることはできません。

2.品揃えと展開

品揃えとは、先ほどお話ししたマーチャンダイジングそのものです。
品揃えは売れればなんでもいいかというとそうではありません。
流行っていてみんな買っているから自店の品揃えに追加する、というものでもありません。
商品はショップ空間の中にありますので、ショップの世界観に沿った品揃えが基本です。
先ほどの例ですと、無印良品はハコがナチュラルでシンプルにできていますので、そこで売られてい商品もまたシンプルでナチュラルなんです。
ユニクロのように派手な色のTシャツやパーカーなどないですよね。

さて、「展開」というのは、入荷した商品をどこに置くか?ということです。
商品は段ボール箱に入って店に入荷されます。
そしてあなたは商品を段ボール箱から出して棚に並べるはずです。
これを「展開」と言います。
展開は、ゾーニングというフロアの区分、展開分類というお客様目線の仕分け、棚に置く数量を調整する定量、などが作業内容になってきます。

回遊しやすくて、どこに何があるのかすぐわかり、商品が比較検討しやすい、歩いて苦にならない。
そういうお店は展開がうまいです。

3.ディスプレイ

ディスプレイとは、商品を展示したり陳列したりすることを指します。
大昔の店は、陳列自体ありませんでした。
客が来ると注文を聞いて奥から商品を持ってきて売りました。
つまり店とは、商品は言わないと出さない、という空間でした。
何年か経ち、人前に商品をズラーと並べて売るようになったのは、イスタンブールのバザールが最初だったそうです。
トルコ旅行の時に学びました。
今でいう青空市のような感じです。什器はほとんどありません。
しかし、自分の買いたいものが目で見ることができる、これこそがディスプレイの効能です。

現代のディスプレイは大きく分けて展示と陳列があります。
展示というのは、商品の見本展示のことです。
アパレルショップのウインドウや壁の上部分に飾られているディスプレイが展示です。
ドラッグストアやスーパーなど陳列主体で棚にぎっしり商品を置いている店舗でも、棚のわずかなスペースに展示をつくり訴求するケースがあります。
例えば、雪肌精やSKⅡ、モエエシャンドンやメルシャンの棚などが展示をしています。

このディスプレイ、テーマというものがあります。
単に商品を置いて見せるだけでなく、どんな時に使用するのか、どんな気分になれるのか、どんな効果があるのかなどが、テーマでわかるようになっています。
それが前述の衝動買いを促進させる力になっています。

陳列に関しては、商品を整理整頓して、わかりやすく選びやすいようにする力があります。
同じ商品でも、メーカー別、味の違い、色の違い、価格の違いなどいろいろあります。
それらが一目でわかり、選択比較でき購入しやすいようにディスプレイしなくてはいけません。
お客様にとってはほしいものがすぐに見つけられますので、時間の節約この上ありません。

4.体験販促

いまは昔と違い、ネットで当たり前に買い物をする時代になりました。
今年は「タイパ」が流行語になりました。
映画鑑賞や読書だけでなく、買い物もタイムパフォーマンスが当たり前になり、ネットでモノを買う「買い物タイパ」が当たり前になりました。
そしてリアルの売場は、客がわざわざ来てくれる場所になりました。
売場は今以上に、客に体験をしていただく場になっています。

商品が試せることはいうまでもなく、店員がアドバイスしてくれる、学習できる、人と集えるなど、リアルだからこそできる体験販促が店にとって必要になりました。

体験販促で古くからあるのは、試飲・試食・試乗・試着などがそう。
イセタンミラーのような誰でも相談できるカウンセリングカウンター、高島屋家具売り場のような、バーチャル3D間取り体験など体験販促の進化は著しいです。

特に今は「売らない売場」が百貨店では流行っていて、モノを試す、店員と話すなどショールーミング化しているのも体験販促の表れです。

今年は、当社も人がいないセルフワインバーでイベントを行いました。
ゲーム感覚でワインが飲めるワイパーは、買い物そのものを楽しむ体験の場になっています。
●wine@EBISU

4.VMDで売場を快場にしよう

売場づくりには手法があると、ということ、分かったと思います。

日本にVMDの考えが伝わったのは1970年代。
前後、マネキンメーカーが米欧に刺激を受け、マネキンとともに日本にやってきたのがVMDです。
その歴史的背景もあって、VMDは百貨店やブティックのウインドウづくりの技術という考え方が長い間席巻していました。
でも今は違います。
日用品を扱っているコンビニ・ドラッグストアはもとより、家電量販店やホームセンターもVMDを導入しています。
そして、カーディーラーやバイクディーラー、住宅展示場などと言ったショールーム型店舗もVMDを活用しています。
さらに、不動産、保険、レストラン、カフェと言った物販ではなく、サービスを提供する店舗もVMDを導入するに至ります。

そして今、VMDはバーチャルVMDの時代へ。
ネットで店舗や商品空間を体験できる、メタバースの時代が到来しました。
VMDをバーチャルに生かす技術をこれからも考えていきたいと思っています。

●バーチャル・マーチャンダイジングとは

VMDを詳しく知りたい方は、当社セミナーへお越しください。
毎月オンラインで開催しています。

●オンラインVMDセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

メガネ店のVMD

メガネ店の売場づくりのコツ

メガネ店、あるいはメガネメーカー・卸の方向けに、今日はメガネ売場のVMDフレームワーキングしたいと思います。
メガネ売場を改善するフレームワークは主に下記です。

  • VMD分類
  • ゾーニング
  • リレーション
  • くくり
  • フェイシング
  • 定量
  • ディスプレイ構成
  • ディスプレイ用品
  • サイン編集
  • POP編集

それではフレーム項目に沿って解説していきます。

VMD分類・ゾーニング・リレーション

メガネ店は、特売、メンズ、レディス、ユニセックス、サングラス、キッズなどでフロアが区分されています。
この区分をゾーンと言い、それを考えることをゾーニングといいます。

それぞれのゾーンは、、PB(プライベート)ブランド、ナショナルブランド、海外ブランドなどのグループに分けられます。
グループはさらに、セルフレーム・メタルフレームなど素材別、またはオーバル、ボストンなどフレームのシルエット別に分けられます。

このゾーンやグループに分けるもとになるのがVMD分類
それをまとめると下記になります。

  • ブランド
  • 国内・海外
  • PB・仕入れ
  • 値段
  • 性別
  • エイジ(年齢)
  • フレームの色
  • 素材(メタル・セル・ツーポイント)

そのほかの分類としては、

  • オケージョン(つけるシーン、釣り・読書・スポーツetc)
  • テイスト(服と同じでクラシックとかモダンとか)
  • シーズン(春・夏・冬)
  • トレンド(アドバンス、コンサバなど)

などがあります。

VMD分類項目のどれを優先にするかで、ゾーニングやリレーションが変わってきます。
メンズ・レディス→ブランド→価格→フレームの素材 がいいのか、
メンズ・レディス→価格→ブランド→フレームの素材 がいいのか
メンズ・レディス→フレームの素材→ブランド→価格 がいいのか、
来店客の買い方によりかなり違ってきます。

例えば、レディスゾーンでも価格に敏感な女性が多ければ価格帯優先にゾーンを組むべきですし、ブランドに敏感な女性が多ければブランド優先にゾーンを決める必要があります。

よくあるのが、仕入れ先別ブランドにゾーニングしてしまうこと。
エイジやテイストが優先なのに、コーチ、ハナエモリ、ラルフローレン、カルバンクラインなどと仕入れ先別に売場を分割し、メーカー持ち込み什器で売場が混とんとしてしまうという例があります。

エイジが優先なら

  • ティーン(13-15歳)
  • ハイティーン(16-19歳)
  • ヤング(19-24歳)
  • ヤングアダルト(25-34歳)
  • アダルト(35-44歳)
  • ミドル(45-54歳)
  • マチュア(55歳~)

などと、エイジ別に分け、それにふさわしいブランドを配置すべきです。

その時の隣同士の売場は、必ず年齢が近いブランドを配置するなど考慮しなければいけません。
これをリレーションといいます。

くくり

売場の棚割りレベルの「くくり」に関してもゾーン同様、優先順位というものがあります。
先ほどVMD分類の項目で述べたとおり、

  • カラー
  • 素材
  • シルエット
  • トレンド
  • テイスト

などと分類項目が考えられます。

これもゾーン同様、お客様の購買優先順位を考えてくくります。
素材が優先なのに、フレームのシルエットを大くくりにしてしまい、次にメタル・セルとくくっても後の祭りです。
お客様が買いにくいこと、この上ありません。
本来は、売上データと顧客データを分析し、きちんと優先順位を決めるとベストです。
ただ、それができない場合は推測でもいいのでゾーンごとの優先順位を決めてください。
さらに優先順位は、男性と女性とで違うケースがあるので注意してください。

さて、くくりの仕方ですが、下記に留意してください。

・グリッドライン
シルエット別でも色別でもそれがわかるように、分類と分類の間を空けて、フレームを折りたたんだ場合は、「智」(ヒンジ部分)が一直線に揃うように置いてください。
これをグリッドラインといいます。

・ネガティブスペース
くくりが素材→シルエットでしたら、素材同士のくくりは8cm空けてシルエット同士のくくりは5cm開けるなど、最新の注意を払って陳列させてください。
この5cmとか8cmとかの隙間をネガティブスペースといいます。

定量

多くの一般メガネ店が、いろいろなブランドのメガネを仕入れており、店内に陳列しているその数は200種類を下らないでしょう。
ABC分析やC-C分析もせずに、卸やメーカーが持ってくるものをすべて並べていたら、棚はいろいろなブランドであふれかえってしまいます。

しかも、3万円のブランドも5,000円のブランドも同じようにぎゅうぎゅうに棚に詰めている様は、よろずメガネ店としかいいようがありません。
しかも、4万円のオリバーピープルズのフレームの横に6,000円のMr.JUNCOを置くなどリレーション(隣同士の関連性)も乱れていると言う始末です。

これを解決するために、定量と言って、プライスラインごとに置く数を決めることをお勧めします。

例えば、3万円以上のフレームは6cm間隔でフレームを並べ、1万円以下は3cm間隔で並べるなど、価格帯ごとに並べるスペースを決めます。
すると、価格帯により売場のたたずまいは変わりますので、お客様も「このブランドは高級そうだな」とブライスカードを見ずとも、すぐに認識できるのです。
高級ならブランドの世界観を逸することもなくなります。

フェイシング

メガネが他の商品と違うのは、商品が透明ということです。
これはレンズのことを言っています。
ほとんどのフレームには展示用のレンズがついており、天井のライトを反射してキラッと光っています。

実は透明というのはやっかいで、後の景色を拾ってしまいます。
つまり、フレームの後ろの他のフレーム、壁紙、POP、メガネケースなどあらゆるものが、レンズごしに見えてしまうのです。

するとどうなるか?
それら透過物はフレームのシルエットのノイズとなり、商品がきれいに見えなくなるのです。
特にプロップスの透過にも気をつけましょう。
プラダやグッチなど高級メガネには、こことばかりにみんな装飾を施します。
造花やスカーフ、壺にクリスマスツリーなど、メガネの後に配置しています。
するとそれらがレンズを通してノイズとなり、グッチのフレームシルエットがわからなくなるのです。

モデルのポスターも注意してください。
メーカー供給のポスターやPOPをそのままメガネの背後に置くと、やっぱりフレームのシルエットはわからなくなるのです。
「メガネの後には何も置かない」
このひとことを念頭に入れておいてください。

ディスプレイ構成・ディスプレイ用品

VPやPPなど、売場のフォーカルポイントとなる展示物は、美しいプロポーションが求められます。
そもそもメガネ自体、ノーブルでインテリジェントな感じのする商品なので、ディスプレイも品よく構成するのが望ましいです。

低価格帯のメガネは、一方向に等間隔でズラッと並べていますが、プラダとかバーバリーなどのハイブランドは展示のように置かれています。
ただし、メガネが通常のVP,PPと違うのは、それは見本ではなく売り物だということです
メガネ店ではディスプレイしているメガネはすべて現品です。
そのため、展示する商品は、取りやすく戻しやすくする必要があります

三角構成にする際は、本や辞書のようなプロップスやメガネスタンドを使った方が安定します。
針金やワイングラスを使ったワフティング(宙に浮かせること)も面白いですが、そこにフレームを置いたら不安定になります。
そういう展示はウインドウの中だけにしましょう。

サイン編集・POP編集

この場合のサインとは分類サインのことです。
メガネはその性質上、どれも同じに見えるし、メンズとレディスとを見間違えることもあります。
ブランドの他に、読書用・釣り用・スポーツ用・PCメガネ用など用途を絞ったメガも多数販売しています。

そんなみんな同じに見えるメガネをわかりやすくするために、分類サインや分類POPがあるのです。
分類サインとは、プラカードのようなものを什器上や天井近くに展開するもので、スーパーの「ふりかけ」「コーヒー」のようなプラカードと同じようなものです。

ところが、この分類サインが下記の理由でわからないケースが多いです。

  • サインとPOPの位置関係が逆転している。
  • サインがPOPや商品に隠れて見えない。
  • サインの位置がバラバラ。
  • サインのデザインがバラバラ。

例えば、一つの什器に「レイバン」「サングラス」「ポリス」というサインやPOPがあったとします。
レイバンの大きいPOPが什器の一番上にあって、その下に「サングラス」のサインと「ポリス」のPOPがあったりします。

これでは、サングラスの売場というのはわかるけど、どれがレイバンで、どれがポリスか、わからなくなります。
分類サイン展開の仕方は、天井近くが大分類のサイン、その下が中分類サインと心得ましょう。

POPに関しては、メーカー提供のPOPの扱い方に特に注意します。
POPを適当に置いている売場はどうなっているかというと、「メガネがPOPに埋まった状態」になっています。
スタンド型POPにしろ、プライスカードにしろ、棚でのPOPの位置を決めないと、POPが商品より主役になってしまいます。

ましてやタグ処理を怠っていて、フレームのブリッジやリムにタグが引っかかっていたり、ヨロイに糸がぐるぐる巻きついていたりと、タグがフレームのノイズになっている状態をよく見ます。
これでは、メガネのシルエットがよく見えません
タグは最小限にとどめ、つけたとしてもどの位置にどのようにつけるか決めなければいけません。
こうしたタグ処理とPOPの適正数量、POPの位置と取り付け器具をコントロールして、商品が主役になる売場づくりを心がけます。

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メガネVMD関係者の皆さん、わかりましたでしょうか、
メガネを心地よくショッピングできる快場つくってくださいね。
ちなみにホームページで私がかけているメガネは、シャルマンのラインアートです。
●オーバルリンク代表 深沢泰秀
さわやか~な感じを醸し出しています。(^^)

メガネのVMDもっと覚えたい、というあなたは、毎月開催している日本橋のセミナーにお越しください。
●VMDセミナー
またはオンラインでもやっています。
●オンラインVMDセミナー

(VMDインストラクター協会事務局)

インディジョーンズの倉庫

マグネット売場で店内回遊率を上げよう

インディジョーンズの倉庫

この写真を見てください。
●インディジョーンズの倉庫

ご存じ、映画インディジョーンズシリーズ「レイダーズ 失われたアーク」に出てくる倉庫です。
危険なアークを壮大な倉庫に保管してしまう、というラストシーンです。
これなら、誰も柩を探すことができないから安心ですね。
めでたし、めでたし。

と、さーて、本題に入りましょう。
今日は、「寄りどころ」の話です。

上図を見てください。
なんだか、インディジョーンズの倉庫みたいですよね。
これはあなたのお店かもしれません。

お店に入って、180度見渡してもすべて同じような風景に見えるフロアは、どこに何があるかわからず不安です。
とりあえず、探偵のように手前から棚をしらみつぶしに見ていくしかありません。

でも、よい商品に出会えるのか不安なうえに、どこまで行っても同じような雰囲気なので、歩く気力がだんだん失せてきます。
そのうちに、先に行くのもおっくうになって買い物するのをやめてしまいます。
失われた柩は永遠に見つからないでしょう。

そんなあなたのお店はインディジョーンズの倉庫になっているのです。


「寄りどころ」とは

砂漠の中にぽつんと1人でいると不安です。
敵に見つかりやすいうえに、何かあった時に身を隠す場所もありません。

大きな岩があったり、木が立っていたり、池があったらそこをめがけて歩いていくでしょう。
そこが安全そうに見えるからです。
これが「寄りどころ」です。

同じように、倉庫のような店は砂漠と同じ。
整然と什器が並び、品物が整理整頓して棚に収まっていては、寄りどころが見えません。
フロア内見渡しても、すべてが同じ風景に見えるからです。

上図を見てください。
寄りどころをつくってみました。

倉庫のような店の中に、赤い売場をつくりました。
すると、お客様にとってはそこが気になって「オアシスかもしれない」と、踵を赤い売場の方に向けて歩いていきます。

このようにフロアの中に目標物をつくってやると、人はそれを意識して歩くのです。
これは建築心理学でおなじみの現象で、

  • 人は公園の木の周りに集まる
  • 休憩するときは、壁や柱を背にする
  • 山に登るとき、ランニングするとき、道しるべとなる目標物を設定する

フロアを180度見渡した時に、視覚的に目立つ場所をつくると、人はそこに注視します。
注視するところが来店客の寄りどころになるんです。

「寄りどころ」を色でつくる

上図のように、色で目立つ売場をつくりましょう。

その場所だけ色を変えると、そこだけ目立ちます。
白い壁の中に黒い場所をつくるようなものです。
すると、そこが注目点になります。

色はどのようにつくってもかまいません。
壁紙の色を変える。天井の色を変える。床の色を変える。
中でもお店は壁が一番目立つので、まずは壁の色を変えるのがベターでしょう。

その他、什器の色を変えてもいいし、陳列されたパッケージの色を統一してもいいのです。
遠くから見る売場は、色のカタマリに見えるので、他と違う色を用いて、なるべく単色にするとよいです。
多色にする場合はトーンを合わせて色のカタマリにします。

「寄りどころ」を構造物でつくる

店内店、いわゆるショップインショップのように、フロアの中に別の構造物が立っていると目立ちます。
通常は什器で埋まったフロアなのに、そこだけやぐらがあったり、オーニングがかかっていたりして、まるで店の中に店があるようなつくりをした売場です。

盆踊り会場の中のやぐらを思い出してください。
やぐらは会場の中心にそそり立っていますよね。
こういう構造物をみたら、「なにかやっている!」という感覚でお客様は寄ってくるのです。
上図を見てください。
同じ風景の見通しの中で、丸い赤い柱が目立っています。
これが店内店のイメージです。

やぐらやオーニング以外でも、柱を違うデザインの什器で囲ったり、天井からパラペットを吊るしたりしてもOK。

下図を見てください。パラペットを吊るしています。
このように、ある空間が閉合して見えれば、視覚的に目立つ売場になります

「寄りどころ」を展示物でつくる

展示物とは狭義で言うと、プロップスを利用したディスプレイのことです。
百貨店に行くと、フロアの天井から大きなオブジェが吊るされているのを見ますよね。
クリスマスシーズンには、大きなサンタが宙に浮いています。
テーマパークでは、アラジンの大魔神が天井からにらんでいます。
こうした展示物、特に人型の造作物はとても遠くから目立ちます

それはデパートの屋上から揚がっているバルーンのようなもの
いろんな方向からお客様が注視し、その正体を明かそうと「行ってみよう」ということになるのです。
上図はそのイメージです。

このような展示物は、ディスプレイが上手な人なら100円ショップの装飾品でも作ることができます。
テーマや構成、色使い等をしっかり行って造作物をつくれば、遠くのお客様を引き付けることができます。
プロップスの展示物のつくり方は、下記を参考にしてください。

●ディスプレイの装飾品「プロップス」とは

また、VP(ビジュアルプレゼンテーション)、PP(ポイントプレゼンテーション)も、この原理を生かした展示物です。
プロップスを使っていない場合も多く、商品同士を魅力的に組み合わせることによって、目立つ展示物をつくることができます。

「寄りどころ」をMDでつくる

今まで述べて来たことは比較的、目にすぐ訴えることのできる視覚反応に基づいた売場づくりです。
今度は情報を与えることによってできる、心理的反応に基づいた売場づくりについてお話しします。

MDとは品ぞろえのことです。
品ぞろえをそこだけ変えることにより、目立つ売場に変化させることができます
例えば、下記の様な品ぞろえです。

  • CMなどマス広告で話題になっている商品
  • 花見やハロウイン商品など季節もの商品
  • 廉価商品
  • 人気のブランド商品 etc

これらを遠くの人にわからせるには、文字という情報が有効
つまりサインやPOPが売場に設置されていれば、読んだだけで何の売場かわかります。
それが自分に価値ある情報とわかったら、お客様はその売場に近づいていくでしょう。
上図がその象徴です。
クリスマスと書かれているので、クリスマス用品に関心ある人を引き付けることができます。

人気のブランド商品ならそのブランドロゴ、CMなどマス広告で話題の商品ならCMに出演しているタレントのポスターやパネルが設置されていれば、注目率は増します。

これら情報は、プライスカードのような小さいものではなく、10m位からある程度読める広告の大きさが必要です。

「寄りどころ」をプロモーションでつくる

「寄りどころ」という文字は人が寄っているところという意味があります。
(実は、私の造語です)

つまり、フロアの一角に人がたくさん集まっている風景を設けると、人は「なんだろう」と、そこを注視します。
その要因は、店頭販促(プロモーション)であるケースが多いです。
下記の様なものです。

  • 試飲・試食
  • メイクデモ
  • 作家のサイン会
  • ミニセミナー etc

人が集まる場所は、来店客の注目を集め、文字通り「寄りどころ」となります
東急ハンズの店頭デモ、大丸デパートの試飲・試食、伊勢丹ミラーのメイク相談カウンターなど、多くの場所で見られるのがこの、店頭プロモーションです。
図にすると上の様になります。

人は元来、人が集まるところに注視する性質があるので、フロアの中にこのような寄りどころをつくってやりましょう。

マグネット売場を戦略的に配置する

そろそろ「寄りどころ」を「マグネット売場」に言い方を替えます。
マグネット売場の原理が今までの話で分かったと思います。

マグネット売場づくりには注意点があります。
お客様を歩かせて店内滞在時間を長くつくるには、ただ「目立つ売場」を作るだけでなく、これらを戦略的にフロア内配置しなければいけません

最初のマグネット売場に人が集まったら、そこから第2のマグネット売場に誘導する、第2のマグネット売場からまた第3、第4・・・に誘導していきます。

フライングタイガー・コペンハーゲンのように、一方通行の強制的な順路ならまだしも、普通の店は入ってすぐにUターンして帰ることができます。
お客様の進行方向に矢継ぎ早にマグネット売場を設定していかないと、動線長(お客様の歩く長さ)は長くなりません。

そこで、下記のマグネット配置が望まれます。

  1. 第1マグネット売場から第2マグネット売場が見える配置
  2. 第2マグネット売場から第3マグネット売場が見える配置(あとはこの繰り返し)
  3. フロア内主通路沿いにマグネット売場がある配置
  4. 通路の突き当りにマグネット売場がある配置
  5. 店の奥にマグネット売場がある配置

4,5のイメージは上図になります。

上記1~5のように客導線を想定した配置プランを立てて、どのようなストーリーでお客様を歩かせるのか考えなければいけません。
これを「導線ストーリー」と言います。

導線ストーリーがうまく行くと、お客様の店内滞在時間は増えます。
売場立ち寄り率、買い上げ率も増えていくので、お店の売上は上がります。

まとめ

あなたのお店は、インディジョーンズの倉庫になっていませんか?
フロアが倉庫状態になると、お客様は手探り状態で商品を探さなくてはいけません。
それはまるで砂漠をさまよっているよう。

適度なオアシスをそこかしこにつくって、お客様に歩く目標をつくってやりましょう。
それがマグネット売場です。

マグネット売場を戦略的に配置すると、来店客の店内回遊率は増え、お店の売上も上がります。

(vmd-i協会事務局)

ドン・キホーテ北千住店

VMDとは空間のブランディング

VMDとは空間のブランディング

VMDとは、「買い物空間のブランディングである」と売場塾でよく言っています。
小売店にとっては店舗がブランドですが、小売店という軒下を借りているメーカーにとっては売場がブランドです。

先週、近所に「ドン・キホーテ」がオープンしたので行ってみました。
やっぱり楽しい店舗ですね。
トンネルをくぐるような圧倒的な陳列と過度の装飾、そしてPOPのユニークさ。
この「熱帯雨林陳列」こそがドンキのブランドたるゆえんでしょう。

そして商品もユニークで安い!!
通常5,000円以上はする「モエ・エ・シャンドン」が4,500円で、私の好きな不二家の「LOOKチョコレート」も山積み価格。
こんなわけだから、私を含め北千住に住んでいる人は「またドンキに来よう!」というローヤリティが形成され、ブランディング効果絶大になったのでした。

ブランドは多階層になっている

さてここまでブランドがいろいろ出てきました。
「ドン・キホーテ」は店のブランド、「熱帯雨林陳列」は売場形態のブランド、「モエ・エ・シャンドン」や「LOOKチョコレート」は商品ブランドですね。
さらに、「ドン・キホーテ」は会社のブランドでもあります。

なんだか、ブランドってたくさんあってわかりにくいですね。
ちょっと下記に整理してみました。
ブランドって実は多階層になっていて、冒頭言った「買い物空間のブランディング」はおおよそ、緑色の層に属します。
下に行くほど、メーカーが関わる部分が多くなってきます。

上記ブランド階層図をドンキに当てはめてみましょう。
ドンキの親会社は、「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」という会社グループの組織がブランドになっています。
その下に事業ブランドがいろいろあって、そのひとつが株式会社ドン・キホーテになるわけです。

ユニクロで言うと、ファーストリテーリングが会社グループブランドで、株式会社ユニクロや株式会社ジーユーが事業ブランドということになります。

ここまでは会社ですが、これから下は店舗名ということになり、まずマスターブランドがあります。
マスターブランドとは核となる店舗チェーンのことで、事業名がそのまま店舗になるのがほとんどです
店舗の知名度やイメージは、「ブランドエクイティ」(知識資産のこと)として既に確立しているので、会社名と店舗名が一緒の方が大衆になじみやすい、ということです。

マスター店舗をさらに「ライン」店舗として、商品や対象顧客に合わせた店のバリエーションをつくっていくのが、ラインブランドです。
ドン・キホーテだと、「MEGAドン・キホーテ」や「ドン・キホーテUNY」になりますし、イオンだと、下記の様に「イオンスタイル」「イオンリカー」がラインブランドになります。

ラインのブランディングは、大きなフロア空間をどうデザインしていくかというVMDが中心になり、ゾーニングや導線、什器レイアウトやそのデザインなども関わってきます。

これから先の細かい売場施策に関わってくるブランドは、カテゴリーや商品といったブランドで、ドンキの場合は、「情熱価格」や「ありえ値え!」といったプライベートブランドや、「昆虫食のTAKEO」といったメーカーブランドになってきます。

イオンで言うとPB「トップバリュ」や、下着ブランド「BODY SWICH」「PEACE FIT」あたりになります。
ここでのVMDは、これらのPBブランド売場、商品ブランド売場をどうするか?というコーナー対策的なブランディングになります。
ABCマートで言うと、ナイキやプーマのインショップ売場ブランディングになり、メーカーと小売店が協業でVMDを行っていくことになります。

ライン・ブランドを成長させるのは超大変!

実は、ライン・ブランドは浮き沈みが激しいです。
私はもう18年VMDの仕事をしていますが、一世風靡をして消えてしまったライン・ブランドは多いです。

例えば、伊勢丹の「エムアイプラザ」。
これは、伊勢丹の小規模専門店ブランドで、郊外SC中心にかなり展開していましたが、今はほぼ終了間際になりました。

フランフランの原宿的なミステリアスな雑貨店「フランフランUFO」は、一昨年かなり話題を集めましたが、意外と持たず1年で閉店しました。

Zoffの女性業態店舗「コンソメ」は、スイーツショップをベースにした店舗デザインとMDPで一世風靡しましたが、こちらも数年で撤退。

そんな中、「ワークマン女子」や「ジーユー」などは、数少ない成功ライン・ブランドと言えるでしょう。

いずれにしろ、「百貨店」や「GMS(総合スーパー)」という業態ブランド自体が縮小していく昨今、マスター・ブランドのみの運営では、企業として心もとなくなりました。
なので、みんな必死でライン・ブランドを開発しています。
ましてや、特約店、FC店、代理店形態で直接ライン・ブランドを運営できない事業ブランドも多いので、本部として四苦八苦してVMDしているお得意先も多いです。
そんなブランドをやりくりしているクライアントの皆様、売場塾卒業生の皆さん、がんばりましょう!!

階層どうしのブランドのせめぎあい

ブランドの階層構造、だいたい分かったと思います。
この階層構造、いつも同じではなくて時代によりトレンドにより、せめぎあいが続いています。

特にマスターブランドの中に、インショップブランドが入る場合
家電業界で言うと、ビックカメラ。
昔は、ソニーやパナソニックなどのインショップメーカーとしてのブランド色が強く打ち出されていましたが、今はビックカメラのブランドが強く打ち出されていると思います。
今のビックを見ると、メーカーのPOPがほとんどありません。
フロアの見え方が均一になって白く、すっきりしています。
バーミキュラやダイソンのような強力な差別化ブランドでなければ、カテゴリーの中に包括されてしまうメーカーも多くなってきました。

「どこのメーカーの商品も同じ」時代に、マスターブランドである小売店が今一度店舗ブランドを見直しているのではないかと思います。
でないと、生き残っていけないからでしょう。

コロナ禍の後に、どんな風にブランド階層が変化していくか。
これからも推測していきたいと思います。

(vmd-i協会事務局)