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自店の店舗デザインはどうあるべきか

デザインとは何でしょう。ウィキペディアでは次のように定義しています。
「ある物事について、それを真に理解し、ふさわしい姿を与える。そのとき顕れた美しみを、人々はdesignと称する。」

これを、A店を新装する場合に置き換えてみましょう。
「新装するA店舗において、それを真に理解し、ふさわしい姿を考える。その結果、新しくできたA店舗表現を、人々は店舗designと称する。」
こんな感じだと思います

さて、「A店にふさわしい姿」とは何でしょうか?
ふさわしい店舗の姿というのは、店舗ブランドによって違います。
ユニクロのふさわしい姿は無印良品とは違い、スターバックスのふさわしい姿はドトールコーヒーとは違います。

ユニクロは色とりどりのにぎやかな姿であり、無印良品はシンプルでナチュラルな姿です。
スターバックスはモダンで落ち着く姿ですが、ドトールはさっと入ってさっと出るピットインのような姿です。
だから小売店を営んでいるあなたは、自店のふさわしい姿とは何か?から店舗デザインを考えなければいけないのです。

よく見る有名店舗のデザインを模倣しても仕方がありません。
そのような行為はあなたのお店の顧客を遠ざけるでしょう。
今回は、自店の店舗デザインをどうやって決めるか、お教えします。
それによって、店舗デザインを施工会社に丸投げする常態から脱却できるのです。

さて、VMDとはビジュアルマーチャンダイジングの略で、直訳すると「品揃えを視覚化する」ノウハウです。
実はVMDにおける店舗デザインは、通常思いつく建築デザインよりも定義が広いんです。
店頭・床・壁・天井・什器のデザインだけではない、下記の4分野のデザインを担います。

  1. ショップデザイン分野 →店頭・床・壁・天井・什器・照明など、店の構造物全般
  2. マーチャンダイジング分野 →商品のパッケージデザイン・包装紙・ショッピングバッグ、場合によってはプロダクツデザインそのもの。商品に関わるもの全般
  3. ディスプレイ分野 →マネキンや展示台などのディスプレイ用品、花や壺などの装飾品、ウインドウディスプレイ、商品群の佇まいなど、展示・陳列全般
  4. ロモーション分野 →ポスターや値札などのPOP、ビジョン、テーブルの腰巻・柱巻、バルーンなどの販促ツール全般

早い話が、店舗にやってくるお客様が見るものすべて、と考えていただければ。
したがって店員のユニフォーム、店員そのものも店舗デザインの一部であり、ここではプロモーション分野に入ります。
VMDを知ることによって、店舗デザインの監修ができる。自店にふさわしいデザインを決めることができるのです。

次に、店はコンセプトでできていることをお話しします。

店舗をハコです。
お客様はハコに買い物にやってきます。
そのハコのデザインを買い物しながら体感するのです。
床・壁・天井という構造物ひとつひとつに感心するわけではありません。
ハコの中の雰囲気を体感するのです。
きれいなパッケージの商品がたくさん並んでいる佇まい。
手書きPOPが林立している賑わい。
品のある店員の立ち振る舞いとユニフォーム。
これら目に見えるすべてのデザインが、場の雰囲気としてお客様に感動を与えているのです。

では、自店のハコのデザインをどうやって決めればいいか?
ズバリ店舗コンセプトを決めればよいです。
「わが店舗はどんな店舗なのか」という概念を言葉にしたもの、それが店舗コンセプトです。
あなたが店の経営者、バイヤー、SV、店長、店員、販促担当、商品開発担当という店舗に関わりのある方なら、店舗コンセプトを決めるのは必須です。

例えば、スターバックスは「第三の場所」という店舗コンセプトがあります。
家でも職場でもない第三のリラックスできる場所である、という意味です。
だから、店内は落ち着いたたたずまいになっているはずです。
ダークトーンの木のイスとテーブル、照度を落とした照明、漆喰の壁、そこに掲げられている絵画、そしてバリスタの威勢のいい声。目に見えるものすべてが第三の場所としてふさわしいデザインになっています。

このようにコンセプトは店舗デザインを決める考え方のもとになっているのです。
ほとんどのブランドショップにはコンセプトがあります。

例えば下記です。

  • SHIPS DAYSのコンセプト「眺めのいい日々と、居ごこちのいい服」
  • フランフランのコンセプト「好きな「いろ」で生きよう。笑おう。」
  • アフタヌーンティのコンセプト「spice of a day」

このコンセプトをテイスト、そしてトーンアンドマナーに意訳する作業をしましょう。
店舗コンセプトが決まれば、あとはそれをもとに前出の4分野のデザインに落とし込めばよいです。

ですが店舗コンセプトをそのまま業社に言っても伝わりません。
ここでクエスチョン!
例えば、あなたがPOP制作を外注するとします。

どのようにしたらよいか。下記からひとつ選んでみてください。

  1. なるべく優秀なデザイナーにデザインを丸投げする
  2. トーンアンドマナーをしっかりデザイナーに提示し監修する
  3. いつもの施工会社に頼んで店舗デザインに沿ったPOPを作成してもらう

答えは2です。

そう、トーンアンドマナーをデザイナーに提示しなくてはいけないのです。
トーンアンドマナーとはデザインのルールのことです。

「うちのコンセプトは「第三の場所」だからそのようなデザインにしてほしい」とPOPデザイナーに言っても伝わりません。
トーンアンドマナーを伝えないと店にふさわしい姿のPOPにはならないのです。

一番上の図を見てください。
これは店舗(ハコ)の構成要素です。
まずハコの左外の「デザインテイスト」に注目してください。
デザインテイストとは次のようなものです。

お客様は買い物をして出るまで店内で短時間を過ごします。
店内で目にするものはPOPだけでなく、商品だったり什器だったり壁紙だったりします。
スタッフも目にするし、テーブルのディスプレイも目にします。
この時、テイストというお客様の感じ方があり、「自然でナチュラル」「クールでモダン」「元気でにぎやか」「フレッシュでみずみずしい」などお店によっていろいろな感じをお客様は受けています。
これを司っているのがデザインテイストであり、デザインテイストはお客様の目に見えるすべてのものが発している感じや気持ちのことです。
その「感じ」をお客様は五感でハッシ!と受け止めるわけなのです。

チェーン展開しているあなたのブランド店舗もテイストを決めなければいけません。
それが空間ブランディングという行為で、同じ店なのに一方は都会的で一方は田舎っぽいとなると、妙な感じになります。
ブランドの世界観はないに等しいです。
無印良品やユニクロはどこに行っても世界観は一緒であるように、あなたのお店のデザインテイストは規格化しなければいけないのです。

VMDインストラクターはブランド空間の監修役なので、チェーン店全体のデザインテイストを統一して保つ役目を担っています。
チェーン店においては、POPはPOPデザイナー、商品はプロダクツデザイナー、床・壁・天井は店舗デザイナーなどと役割分担されています。
ところがデザインにルールがなくて、各デザイナーが好きなようにそれぞれ作ってしまったら、店内はいろいろなデザインでごった煮になるのです。
そうなると、お客様にとってどの店に行ってもテイストが違うため、店のブランド感はなくなり、よろず屋で買い物している感覚になってしまいます。
そうならないために、VMDの専門家はデザイナーにきちんとオリエンしなければいけないし、監修しなければいけません。
まずはあなたの店舗のデザインテイストを設定し、トーンアンドマナーを決めましょう。

最後に、トーンアンドマナー事例についておはなしします。
「屋根裏部屋のような秘密基地」とか「離島の人のいない自然観」とか「重厚で伝統的だがモダン」のような表現と模写でストーリーボードをつくり、デザインテイストをデザイナーに提示できるようにすします。
その上で、下記をチェックする。

「離島の人のいない自然観」の場合では、

  • 「離島の人のいない自然観」テイストが什器デザインに表れているか。
  • 「離島の人のいない自然観」テイストがPOPデザインに表れているか。
  • 「離島の人のいない自然観」テイストが定数・定量に表れているか。
  • 「離島の人のいない自然観」テイストがディスプレイに表れているかどうか。

POPひとつとっても、「離島の人のいない自然観」テイストの下、書体はどうあるべきか、レイアウトはどうあるべきか、POP用具はどんなものがよいのか、考える必要があります。

POPデザイナーにデザイン発注してできたデザインを校正する場合は、デザインがトーンアンドマナーに沿っているかチェックします。

施工会社の設計士と改装について打ち合わせするときは、壁紙の柄、照明の明るさ、什器のデザイン、床のパターンがトーンアンドマナーに即しているのか監修しなければいけません。
これを「トーンアンドマナーのフィルターを通してデザインを見る」といい、店内デザイン物を精査する際、このフィルターを通します。

だいたいわかりましたでしょうか、あなたの店のデザインの決め方。
「どんなお店にするか」明確化するコンセプトが決まらないと、デザインテイストも決まらず、トーンアンドマナーもつくることができないのです。

もしあなたの店舗にコンセプトがなかったら、まずはとりあえずでいいのでコンセプトを決めましょう。
でないと、「私はモダンなデザインが好きだから、こんな什器にする」みたいに経営者の好みで決めることになりかねません。

もしあなたの会社にVMD担当がいないのならば、担当を育成しましょう。
店のデザインの指南役をつくるのです。
担当はVMD知識に加えてデザインセンスを身につけ、設計図面を読めたり、コピーを書けたり、色のコーディネート術を身に着けたりと、デザインについての知識やスキルは磨いた方がよいです。
でないとデザイナーや設計者と会話できないどころか、デザイン丸投げになってしまうからです。
またそのような人材育成の余裕がない場合は、VMDインストラクターという職業人がいるので利用してほしいです。
文字通り、あなたのお店のデザインを教えてくれます。

(vmd-i協会事務局)

なぜホームセンターは倉庫型で、雑貨店はインショップ型か

ホームセンターと雑貨店、什器の配置方法を見てみましょう。
ホームセンターは、倉庫型什器配置をしていて、主通路・副通路はまっすぐ伸びていて、見通しもよいです。
200坪以上の広いフロアにズラッと同じようなデザインの什器がタテヨコ整列正しく並んでいます。

一方、雑貨店、セレクトショップなどは什器の並びが不一致で、
グリッドラインに合わせて同じ方向を向いていないケースも多いです。
フロアのところどころにテーブルが置かれていて、什器もゾーンによってデザインが変わっています。

特徴的なのは、什器で空間を囲っている点です。
コーナー囲い、柱周り囲い、アイランド囲い、テーブル囲い等を駆使してMDテーマに沿った品揃えを展開しています。
例えばキッチン用品店では、バーベキュー、カフェ、包丁・ナイフ、調味料、お酒、和食器、スイーツ用具、テーブルカバーなどがMDテーマです。

ホームセンターの売場にももちろんMDテーマはがありますが、MDテーマによる囲いは、水平的、連続的に配置されています。
例えば副通路8スパンに、スパンのカタマリごとにグリッドラインに沿って同じアイテムのものが並べられています。
MDテーマは、雑貨店がライフスタイル別やデザイン別だとすれば、ホームセンターがアイテムテーマが主流です。

ホームセンターと雑貨店の違いは他にもあり、売場面積と取り扱い数量です。
雑貨店が30坪~50坪標準だとすれば、ホームセンターは200坪かそれ以上のフロア面積で、2,3層のフロア構成も珍しくありません。

雑貨店は、ホームセンターにおける日用品ゾーンの中の取扱数量が少ない店のようなもの。
客層を絞った品揃えをしているため、日用品のセレクトショップといっていいでしょう。

この日用品のセレクトショップである雑貨店は、先ほど言ったようにデザイン別、ライフスタイル別のフロア展開が多いため、暮らしの世界観の演出が大事になってきます。
什器という壁で囲い、その中に世界観を演出しています。

例えば、「大人のカフェタイム」というMDテーマの売場をつくるとします。
MDは本格的なコーヒー抽出器と質感のあるコーヒー食器、ナチュラルなデザインのランチョンマットや丸山珈琲店のようなブランド豆を用意します。
それらを置く什器に、木目のカフェテーブルを用意し、PPとしてテーブルコーディネートを設置します。

世界観を演出するのに、こうしたPP(ポイントプレゼンテーション)があるとよく、品揃えや什器デザインだけでなく、展示で世界観を演出できます。
加えて照明の色温度や照度、床・壁、サイン・POPのデザインの演出があると、さらに世界観は深まります。

この極端な例がイケアで、囲いごとにライフスタイルを演出しています。
一部を採用しているのが東急ハンズやMUJIと言えます。
小さな雑貨店の例としては、アフタヌーンティーやフランフランが挙げられます。

アパレル店舗に照らし合わせてみれば、ユニクロが倉庫型、ビームスがインショップ型と言えます。

書店ならば、ジュンク堂が倉庫型、未来屋書店がインショップ型です。
未来屋書店では、例えばミステリー書籍、趣味の書籍、旅行の書籍というように、MDテーマごとに什器で囲われた部屋になっています。
中央が座り読みするスペースになっていて、そこにはミステリー作家がテーマのディスプレイが施されています。
天井には西洋のランプが吊り下がっていて、まるでアガサクリスティの世界に入り込んだようです。

さて、ホームセンター、GMS、スーパー、大型書店、図書館がなぜ倉庫型でアイテム別構成がメインなのか解説しましょう。
それは、これらの業態ではどこに何があるか、すぐにわからなければいけないからです。
広いフロアの中で迷子にならないように、分類サインを道しるべとしてフロアにめぐらせ、関連するアイテム同士を近くに集積しています。
通路もタテヨコまっすぐに伸びていたわかりやすく、モノも探しやすいです。

分類サインとは、本屋でいうと、小説、ビジネス、雑誌、キッズ、旅行、コミックといった表示サインのことです。
これが規則正しく通路沿いに並んでいるので、お客様は短時間でその売場に到達できます。
特に目的買いのお客様にとって便利です。

話しは変わりますが、倉庫型の店舗でも、インショップ型を取り入れることによって、セレクト的な売場を作ることができます。

単調な倉庫型のフロアにインショップ型囲いをつくると人目を引いて、ぶらっと寄れる憩いのスペースになります。
買い物という作業ではなく、見て触って楽しむ、比べて商品をせる、と言った娯楽の売場にもなります。
これが広いフロアのところどころにあると、「買い物作業」をして苦労して歩いている方の憩いのスペースになります。

私はこれをコネクトポイントと言ってまして、東急ハンズやロフトのような都市型ホームセンターではよく見ます。
東急ハンズの主通路沿いのテーブル売場がそれにあたります。
これがあると、目的買いだけでなく、アミューズメントとして売場に寄るお客様も多くなります。

これからは、倉庫型・インショップ型の折衷型の店舗が有効だと思います。
なぜならば、目的買いの場合はインターネットで済んでしまうことも多くなっているからです。

自分のお店は倉庫型がよいのか、インショップ型かよいのか、一度考えてみましょう。

(vmd-i協会事務局)

ショップスタイリングについて

スタイリングとは何か?
それはショップデザインにかかわりのある

  • 大道具(床・壁・天井のこと)
  • 中道具(什器・照明・サインのこと)
  • 小道具(ディスプレイ用品・商品パッケージ・POPのこと)

のデザインテイストを決め、トーンアンドマナーを決めることなんです。

MUJIがなんでいつもシンプルでナチュラルな感じでいられるのか?
ユニクロがなんでいつもカラフルでプチセレブリティな感じがするのか?

それはショップスタイリングをきちんと
決めているからなんです。
売場塾の唱えるショップスタイリングは、下記の
3つの課目で構成されています。

それは

  • スタイリング
  • クリンリネス
  • 快適性

です。

ひとつひとつ見ていきましょう。
スタイリングとは、整然さとブランドテイストを重んじます。

●整然さ
余分なものが見えていないか、モノが倒れていないか・傾いていないか・よれていないか

●ブランドテイスト
店内・売場内インテリア、インテリア小物等がブランドテイストに合っているか

特にブランドテイストに関してはペンひとつ見逃してはいけません。
高級ブティックで洋服を買い、アメックスで支払いを済ませるとき、サインを書くペンが100円ショップの安いペンだと興ざめしてしまいます。

だから、ブランドテイストは、電球ひとつ、ペンひとつ、トイレの案内看板ひとつ、こまめにチェックしておかないといけません。

ペンひとつでお客様をがっかりさせたくないですね。

次の課目、クリンリネスを見ていきましょう。
クリンリネスとは、下記の細則で成り立っています。

●整然さ
店内や売場に、ほこれ・汚れ・ゴミ等はないか

●新鮮さ
店内や売場に、色あせ・はがれ・老朽した部分等はないか

●身だしなみ
スタッフの身だしなみは適正か
(汚れ・シワ・服のコーディネート・髪・メイク etc)
私が店舗診断する中で、最初に出てくるのが、このクリンリネス。
VMD以前の問題なんですが、意外と守られていない店が多いです。

特に多いのが壁面のセロテープの残骸。
これ専門店や量販店に多いです。
これらはクリンリネスの不徳によるものです。
次は、快適性。
このショップスタイリングの課目はサービス業に多く用いています。
つまり、ホテル、ヘアサロン、カフェ・レストラン、ブライダル施設などサービス業に活用できるVMD課目なんです。

細則は下記の通り。

●明るさ
床・壁・天井の色など顧客心理的に店内は明るいか、照明は快適か

●プライバシー
待合・受付・カウンセリングスペースなどは、プライバシーは保持されているか

●広さ
待合・受付・カウンセリングスペースなどのスペースは、快適な広さに保持されているか
たとえば、エステサロンや皮膚科など、プライバシーを守るショップスタイルは当然のことです。
相手と目が合わないように、ソファのレイアウトを組み、個室はオープンでいてクローズな形が必要です。
ストレスの感じない空間の作り方が適正です。

明るさもそうで、過ごしやすくてストレスフリーな空間はアンバー色で、スポットライトを多用しています。
蛍光灯バリバリの自動車ショールームは今こそ、ショップスタイリングの見直しが必要なんです。

サービス業こそ、居心地のよさが必須なので、まさにVMDで快場にするのが必要な業種なんです。

ぜひ、このショップスタイリングというVMD課題をあなたのVMDに加えてみてください。
ブランド力向上すること、間違いなしです。

(vmd-i協会事務局)

店舗コンセプトのつくり方

コンセプトとは「どんなお店なのか」ということです。
新しいお店をつくったり、お店をリモデルする場合は 「どんなお店にしたいか」ということを考えることです。

あなたが、経営者でない、店長やスタッフの場合、ショップコンセプトは本部がつくるものなので、あなたが考えてもしかたないかもしれません。

その場合、本部に「どんな店を目指すのか」や 「どんなお店なのか」。改めて訊きましょう。
店長やスタッフは、コンセプトはつくらなくても、コンセプトを 知ることは義務といえましょう。

つまり、「モノを売る」スタッフというよりも、コンセプトを明確にさせるスタッフと心がけます。

たとえば、「お金のない人でも手軽に買える、My フラーショップ」 というコンセプトでしたら、そのようなイメージをスタッフであるあなたが持つべきです。
「お金のない人でも手軽に買える、My フラーショップ」 にするためには、自分はどうすればいいか。
男性でも気軽に声をかける。デートにいい花を教えてあげる。
花言葉を行ってみる。栽培の仕方を教えてあげる・・・など接客態度からして変わるものなのです。

私は店員だから、売上を上げるだけでいい、というのは全くの間違い。
お店のコンセプトに沿った動きをしなければ、店長をやっている資格はないでしょう。

とはいえ、ショップコンセプトを店長に教えていない本部もたくさんあります。
これはとても困ったこと。本部の責任と言えるでしょう。今一度、店舗スタッフに「どの方向をむいている店なのか」 「どんなお店を目ざしているのか」、伝えるのは本部VMDの義務なんです。

さて、本部VMDのあなた、コンセプトの表現の仕方はいろいろあります。
一般的なものは「言葉で表現すること」。

そのほかに

  • コンセプトを絵で表現する
  • コンセプトを図で表現する
  • コンセプトをストーリーで表現する

など、いろいろあります。

例えば、スターバックスのショップコンセプトは「第三の場所」です。
たんなる喫茶ではなく、「家」、「職場」の次にある、第三の安らぎの場なんです。

スープストックは、ストーリーにし、「ケンタッキーフライドチキンの営業部にいる田中さん」という OLが登場してきます。
田中さんはストレッチもこなすスポーティ派で曲がったことが嫌い、プライベートの友達付き合いもよく、 自然食が好き・・・という性格です。
そんな都会派の彼女が行くのがスープストックというわけです。

どうですか。
一口にコンセプトと言ってもいろいろ表現方法があるのです。
その表現は全店舗スタッフに伝えやすい方がよいでしょう。

だから、オーバルリンクも「快場を日本に広げる」などと 、わかりやすい表現を使っているんです。

ショップコンセプト、とても大事なので今一度考えてくださいね。
あなたが店舗スタッフでも、「自分が雑貨屋を開くとしたらどんな店にするか」 みたいに空想してもいいと思います。

全国の店長さん、コンセプト磨き、がんばってください。

(vmd-i協会事務局)

お店の通路が狭いと売上は減る

このあいだ、できたばかりの秋葉駅構内のお土産店舗へいってきました。

このお店、狭いのにまずびっくり。
上野駅と違って、コンビニというかリーチインキオスクと言った感じです。

これ、JRがやっているだけあって、全国各地の名産が日替わりで楽しめるお店なんです。
1階はコンビニ風お土産売り場で、2階はカフェでした。
おもしろい試みのお店ではあります。

ただ、土産物、販売苦戦しているのではないかな。
なぜなら、ズバリ、通路が狭いからです。
1日30万人は通過するであろう秋葉原駅構内のお店にあって通路幅70cmは狭すぎました。。。。
これでは通路に人一人入ったら、もう入る気がなくしてしまいます。

私もお菓子たくさん買う方なんですが、店内に5人いるだけでもう奥に行けません。
行けないこともないのですが、人をかき分けて買い物するのがいやなんです。
奥にいるお父さんの図体がでかいので、ますますそこに行く気がなくなります。
特に女性ならいやでしょう。

このお店、店舗レイアウトからやり直した方が・・・。

確かに壁面は固定PP棚が高さ1800位にあり、赤ペコや招き猫やらおもしろいオブジェがディスプレイされていますが、問題は居心地ですね。
通路幅をなんとかしないと解決できないでしょう。
しかも、ジャンブル什器が通路角にありました。

日本の店舗、書店、スーパー、レンタルビデオ、どこをとっても狭いです。
秋葉原にヨドバシカメラができて、他の小さい家電店が撃沈したのは通路幅が原因といっても過言ではないでしょう。
それほど、今までの秋葉原電気街の通路は狭いんです。
SCに人が言っているのは、テナントスペースが高くて広くて、スムーズに歩けるからです。

私も今までは通路幅90cmはないといけないと言っていましたが、今の時代は120cmが標準だと思います。
でないと、通路に複数人が入りません。
ということは、買い物機会喪失で、店舗は売上高にすごく響いているんです。
気軽に歩けない店内では、回遊時間・回遊距離が減って、関連買いもなければ、 ついで買いもありません。

書店もそうなんですよね。。。
実に通路が狭い大型書店がありますが、これは本末転倒。
商品よりも通路幅を大きくする方が売上、上がるでしょう。
90cmの通路に人が立ち見しているだけで、人はその通路に入らなくなります。
よほど目的買いで買うものが決まっている場合はいいかもしれませんが、それでも、他店に行くか、アマゾンで買うか選択肢がたくさんあります。

店舗VMDの皆さんは、通路を見直してみてください。
それには、客の動きを見た方がいいですよ。
見る時間がなければ、セキュリティ会社にいってビデオを見せてもらえばいいんです。
すると、以下に「通路に入るのをためらう客が多いか」わかります。

その画像に店長さんは震え上がるでしょう。
つ・通路が狭い!! これでは快場ではありません。

ということで、ゾーニング科目の中で通路幅は大切なんです。
まずは自分のVMDを担当するお店の通路幅を見てみましょう。

(vmd-i協会事務局長)