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箱出しフェイシングで商品はわかりやすくなる

フェイシングとは、商品を一目瞭然にわかる置き方をいいます。
店内を歩いているお客様は一瞬棚を見ますが、その時に商品の特徴が一目瞭然にわからないと、次の売場にさっさと行ってしまいます。

しかし正しいフェイシングをすると、お客様が商品をパッと見た瞬間に下記の商品特徴がわかるので、立ち止まって商品を見てくれます。

  • 柄がわかる
  • シルエットがわかる
  • 使い方がわかる
  • 開いた状態がわかる
  • 閉じた状態がわかる
  • コーディネートがわかる
  • ブランドがわかる
  • 商品名がわかる
  • 世界観がわかる
  • 機能がわかる
  • 効果がわかる

フェイシングを怠って、お客様をスーッと通り過ぎさせてはいけません。

さて、箱出しフェイシングとは、商品を箱から出して陳列または展示することを言います。
世の中、ほとんどの加工商品は箱や袋の中に入っています。

  • お土産店のお菓子、調味料、飲料、酒
  • 玩具店のおもちゃ、プラモデル
  • 文具店のギフトカード、フレーム、アルバム
  • 薬局の薬、化粧品、サプリメント
  • スポーツ用品店のダイエット器具

お菓子を例にとってみましょうか。
箱や袋の中に入っているお菓子は、そのままでは見えません。
透明袋のお菓子の場合でも、袋の中でお菓子ひとつひとつが小包装されています。
お菓子を袋から出してフェイシングしないと何が入っているのか、お客様はわかりません。

菓子袋や菓子箱をそのまま陳列してもわからないのです。
単純な話、
・ドーナッツが入っているのがわからない。
・バームクーヘンが入っているのがわからない。
・マドレーヌが入っているのがわからないのです。

なので、菓子店、またはメーカーはサンプルを用意して、皿に盛りつけるなどして「何が中に入っているのか」わかるようにする必要があります。
デパ地下のGケースでは、お菓子の盛り付け例は頻繁にディスプレイされていますが、お土産店では箱をどさっと置いただけの状態になっています。
その場合は、アクリルフィギュアケースを利用してサンプル展示するなどしなければいけません。

玩具店の場合は、おもちゃのパッケージが透明塩ビのブリスターケースになっているので、何が箱に入っているのかわかります。
ブリスターケースでない場合でも、箱に中身の写真が施されています。
しかし、ここで安心してはいけません。
この場合、箱をフェイスアウトして中身を見せたり、箱の写真を見せなければいけないのです。
平置き、つまりシェルビングして置いているお店は、お客様にとってただの在庫置き場にしか見えないでしょう。

クリスマスや誕生日のギフトカードもそうですね。
カードだけ棚に陳列しても、わかりません。
カードを袋から出し、カードを開いて立体的なオブジェになるということを見せなければいけないのです。

クリスマスカードを袋から取り出して、飛び出すクリスマスツリーをディスプレイすれば、
お客様はそれを見て「わあー、このクリスマスカードすごーい」ということになります。

さて、箱出しフェイシングするスペースがない!!と悲鳴を上げている方は、演出POPか商品説明POPを掲示することをお勧めします。
演出POPとは、商品を魅力的に見せるPOPのことです。
見えないフィナンシェを皿にきれいに盛り、美しいテーブルに置いて写真を撮ります。
それをA5POPに掲示するのです。

すると、それを見たお客様は、美しいお菓子のシズル感に感銘して、「おいしそう」と商品を購入する気になるのです。

次に、薬局の薬や化粧品のフェイシングはどうあるべきでしょうか。
薬の場合は、ピルを箱から出して展示しても意味はないですよね。
お客様にとって、薬の形状はあまり関心ないからです。
かぜ薬などは箱出しフェイシングは必要ないでしょう。

では何が必要か。
それは、薬のパッケージをよく見えるようにして陳列することに他なりません。
というのは、薬はパッケージ自体がPOPになっているからです。
効果、効能、用途などがパッケージにイラスト入りで書かれていて、商品説明POPと同じ働きをしているからです。
POPレールでパッケージを隠さないこと、これにつきます。

化粧品の場合は、化粧水や乳液などのびん自体がきれいなフォルムになっているので箱からびんを出してフェイシングします。
ただし、化粧品の場合も薬と同じく、「効果が期待できるか」にお客様の関心はいくので、効果・効能を商品説明POPに集約して掲示します。
この場合は、びんの横に商品説明POPをA5~A6POPサイズで置くとよいでしょう。

スポーツ用品店のダイエット器具も薬や化粧品と同様です。
器具がどのようなものか、箱から出して展示してください。
そして、どのようにトレーニングしたらよいのか、器具を試す体験スペースをつくるとさらによいです。
そして、POP。これを使えば本当に痩せるのか?というのがお客様の最重要課題なので、効果・効能の商品説明POPを設置します。

だいたいわかりましたでしょうか。
箱出し・袋出しフェイシング。

特にお土産屋さんにアドバイスしたいです。
平素からたくさんの外国人が押し寄せています。
お菓子の箱を平置きで積むだけにしないでくださいね。
ニッポンの個性的なお菓子を箱出し、袋出しして、魅力的に見せてください。

ラグビーワールドカップ、そしてオリンピック。
この機を逃さず、ニッポン繊細なVMD、発揮させてください。

なお、フェイシングに興味ある方は、ディスプレイ・ワークショップを時々行っていますので、ぜひ遊びに来てください。
お待ちしております。

●VMD売場づくりのディスプレイセミナー

(vmd-i協会事務局)

陳列は幾何学にするとアートになる

ディスプレイは、展示にしろ、陳列にしろ、これをやればなんとかなるというコツがあります。

それは、
●リピテーション
●シンメトリー

です。

リピテーションというのは繰り返しのこと、シンメトリーというのは左右対称のことです。

さて、このリピテーション、ディスプレイ以外にはどんなところに見られるのでしょうか。それは、音楽、演劇、料理、スポーツ、自然界など。
何かを繰り返すというのは巷にすごくあふれていて、寄せては返す波のように、自然に思えるからこそ、なじみがあると言えます。

一方、シンメトリーは自然界をベースに、建築、商品でたくさん見られます。
世の中の生物はほぼシンメトリーにできていますし、観光地の建築物はシンメトリーが多いです。
商品に至っては、圧倒的にシンメトリーが多く、いまこれを書いているデスクまわりでも、パソコン、マウス、時計、電話機、コンポ、箪笥、ペン、マグカップ、ティッシュ・・・これらはすべてシンメトリーになっています。

早い話が、リピテーションとシンメトリーは、身の回りになじみがあるからこそ、見ていて気持ちいいディスプレイと言えましょう。
なので、陳列に困ったら、とにかくこの二つを行うと解決します。

ただ、この二つはディスプレイの基本中の基本。
VMD担当なら、さらに陳列のアート性を高めたいものです。
ただ棚に商品を並べるだけでなく、芸術性を感じるように並べれば、壁面やアイランド売場が楽しい空間に変わります。

アートな陳列にするためには、この二つを組み合わせた幾何学デザインをベースにするとよいです。
幾何学デザイン(いわゆる幾何学模様)とは、直線や曲線をシンメトリーかリピテーション形式で組み合わせたデザインのことです。
人工的に思われるかもしれませんが、ハチの巣やタコの吸盤など自然界でも見られます。

このシンメトリーとリピテーションを組み合わせた幾何学模様は、多くの専門店がIPに取り入れています。
国内では、ジョーマローン、無印良品、ゴディバのオーケストレーションやテーブルフーレゼンテーション。
海外では、M&S、ウイリアムソノマ、ホールフーズ、シュガーフィナといった専門店でよく見られます。

それではどうやってリピテーションとシンメトリーをベースに幾何学模様をつくったらよいのでしょうか。
それは大よそ下記にするといいです。

  • ウエーブ状にする
  • チェッカー型にする
  • ストライプ型にする
  • プラス型にする
  • バイヤス(斜めのストライプ)型にする
  • トライアングル型にする
  • これらを、私はよく「カッコつけ陳列」と言っています。
    やってみると、文字通り、売場がカッコよくなります。

    私のリバイス・コンサルの仕事では、最近は土産店が多いので、壁面やアイランドの商品を陳列するのにこれらの手法を使って、幾何学模様に展開するように指導させていただいています。

    商品をただ整然と並べるだけでなく、幾何学に並べるとアート性がでてきて、お客様から「何このお店、オシャレ」という声が漏れてきます。
    フツーのコンビニやドラッグストアならやる必要はありませんが、化粧品店、バラエティストア、高級洋菓子売場、キャラクター売場など、来店したお客様をワクワクさせたい店はぜひ使ってください。

    売場塾ディスプレイ指導講座でも教えていますが、VMDインストラクター協会のインスタグラムでも幾何学的なアメリカのディスプレイを紹介しています。
    時間ありましたら、ぜひ見てください。
    (ただ、最近はカフェテーブルのマテリアル・コーデばかりアップしているので、前半にしかありませんが)

    ●VMDインストラクター協会インスタグラム
    shop_space_stylist

    VMD関係者の皆さん、幾何学模様の陳列、ぜひトライしてくださいね。
    リピテーションとシンメトリーをやってみたい方は、今月26日のセミナーでワークショップやっていますので、お気軽にお越しください。

    参考リンクはこちら。
    ●リバイスとは

    (vmd-i協会事務局)

ディスプレイ万能ツール「ライザー」のフィリング効果

今回は、フィリングをどのような時に行えば効果的なのかについてお話します。

フィリングとは、「詰めもの」のことで料理でお馴染みの用語なんですが、ディスプレイ用語としても使います。
まずはフィリングとは何かについてお話します。

透明ライザーなどにオブジェやオーナメントを詰めることをフィリングと言います。
よく、デパ地下の惣菜店で見ると思います。
透明の筒にくだもののを入れて飾っている、あれです。
また、コーヒーショップでは、キャニスターにどどっとコーヒー豆を入れて、それをオブジェにしています。

透明の四角いライザーにそういった装飾品を入れると、下記の効果があります。

[フィリングの効果]
  • 無駄な空間を埋めてくれる
  • それ自体がオブジェになる
  • ディスプレイテーマの補助となる
  • ブランドの世界観を醸成させてくれる

ひとつひとつ解説します。

●無駄な空間を埋めてくれる

透明アクリルライザーと言うものは、使い勝手がいい半面、ヘンに使うと、ガランと空間が空いたり、棚の中で歯抜けをしてしまいます。
これをムダ空間と呼んでいます。

ライザーとは、そもそもrise、つまり商品を持ち上げる役目がありますので、ライザーの上に展示商品を置くことが多いです。

ところが、商品に対してライザーが大きかったり、ライザーがもろ見えだったりすることがあります。
そんな場合は、空間がぽっかり空いてしまうムダ空間が散見されますので、展示品でライザーを隠すか、フィリングしてライザーをオブジェのように見せるかします。

●それ自体がオブジェになる

透明ライザーにプロップスを入れて、ライザー自体をオブジェにします。
どのようなプロップを入れるかは、ディスプレイのテーマやブランディング等で決めます。
例えば、季節がテーマのディスプレイの場合は、春なら菜の花や桜、秋なら松ぼっくりやカエデ、冬なら、氷の結晶などを入れます。

これらは特にインサートオブジェと言って、IPの中に挿入することもできます。
例えば、高級スーパーがクリスマスシーズンにオードブル的なつまみ缶詰を陳列しているラックに、ポインセチアをフィリングしたライザーを棚ごとに点在させる・・・といった具合です。

●ディスプレイテーマの補助となる

ライザーがプロップスやPOPの代わりになることにより、ディスプレイテーマをわかりやすくしてくれます。
例えば、海辺でバーべQというテーマでは、ライザーの中にビールや野菜、ウインナなどのバーべQ食材のサンプルを入れると、それらししくなります。

●ブランドの世界観を醸成させてくれる

老舗、クラシック、モダン、前衛的、シンプル&ナチュラルなど、ルック&テイスト的な見地から見るとブランドの世界観は多様です。
例えば、クラシックなブランド観を表現する場合は、古びた本を透明ライザーの中に挿入します。
快活で楽しそうなブランドなら、ビリヤードの球をライザーに入れてもいいでしょう。

フィリング・テクニック、だいたいわかりましたでしょうか。
透明アクリルライザーは単なる商品を置く台だけででなく、プロップスの役目をしてくれます。

なお、参考リンクはこちら。

●ライザーの使い方

●フィリングテクニック

(vmd-i協会事務局)

ディスプレイのフィリングテクニック

フィリングとは、料理用語でもありますが、VMDの世界ではディスプレイテクニック用語です。
詰めるという意味です。

バッグにライスペーパーやプチプチを詰め込むこともフィリングなのですが、こちらはフォーミングという方が適切です。
フォーミングとは、フォームをつくる、つまり詰め物をして形をつくるという意味です。
展示しているバッグがへたっとしていたら、なんだか格好悪いですよね。

フィリングとは、5面ライザーなどの容器にパーチクルを詰めてオブジェにすることをいいます。
例えば、上記の写真のような感じです。アクリル5面ライザー(プラスチックの箱のこと)に、クリスマスボールを詰めていますね。これがフィリングというテクニックです。

例えば、デパ地下のフルーツショップなどに行くと、カウンタバックにきれいなディスプレイが施されているのを見ると思います。円柱ガラスの中にレモンやカシスが入っていて、色彩よろしくディスプレイされていますよね。
あれがそうです。
このくだものはサンプル(模型のこと)だと思いますが、あれがあると売場が華やかになります。
フランスのマルシェでは、野菜売場にもあって、円柱ガラスにきぬさややトウモロコシを詰め込んでいます。無印良品の中にも壁一面に展開している場合もあります。

フィリングテクニックを明記する下記のようになります。

●フィリングの仕方1
例えば、スポーツウォッチの1棚PP展示にフィリングを使う場合を例に挙げます。

  • ディスプレイのテーマにふさわしいオブジェを想起します。
    この場合は、リゾートのビーチというシーンにし、オブジェは炭酸カクテルという想定にします。
  • 透明のグラスを用意。
  • その中にサンプル氷をフィリング。グラスのてっぺんまで氷を入れます。
  • 氷の上にスポーツウオッチを載せます。これを5個くらい作ります。
  • グラスの下に疑似砂を敷いて、フィクサチーフで固めて完成。

●フィリングの仕方2
例えば、メガネの1棚PP展示にフィリングを使う場合を例に挙げます。

  • ディスプレイのテーマにふさわしいオブジェを想起します。
    この場合は、入学式のシーンにし、オブジェは桜という想定にします。
  • 蓋つき6面ライザーを用意。
  • その中に桜の花びらを枝付きでフィリング。
    ぎゅうぎゅうに詰めないで、ほどよい空間を入れて下さい。
  • 詰めたら、ふたをします。これを3つくらい作ります。
    ライザーの上にメガネを置いて完成。

フィリングにふさわしい詰め物は、パーチクルです。
パーチクルとは、ディスプレイに敷き詰める小さな小物のことです。
下記のようなものです。

●詰め物の種類

  • 白玉のスチロール →雪をイメージさせます
  • 紙吹雪 →パーティをイメージさせます
  • ヒマワリの花 →夏をイメージさせます
  • ビー玉 →みずみずしさをイメージさせます
  • カエデ →秋の紅葉をイメージさせます
  • キャンディ →ティータイムをイメージさせます

などいろいろ。

フィリングテクニック、ぜひディスプレイで試してください。
簡単にできますよ。

(vmd-i協会事務局)

演出POPと告知POPをごちゃごちゃにしない

今日は、演出POPと告知POPについて説明します。
いろいろなPOPの種類がありますが、この二つのPOPは、2大POPと言っていいほど、売場で重要なPOPです。
それぞれ使用目的や置く場所、サイズや器具などが違います。

まずは、演出POPからお話します。
演出POPとは、商品や店舗を演出するPOPのことです。
文字ではなく、イラストや写真が中心になっているPOPで、店舗やブランドの世界観を醸成する役目があります。

  • タレントやモデルのポスター
  • 都会や田舎の情景描写
  • 職人の手作業風景、工房の写真
  • 商品を使っている情景描写
  • テレビCMと連動した表現
  • 芸術家のアート作品

などが演出POPです。

ドラッグストアで見かけるエビちゃんやガッキーのポスターがそうです。
GAPやユニクロで見るモデルのポスターがそうです。
ラルフローレンで見る、都会のモノクロイメージ写真がそうです。
吉田カバン売場の皮革製品を作っている工房の写真がそうです。
クルマのショールームで見る、草原を走っている車のポスターがそうです。

これらは下記の特徴があります。

  • サイズは比較的大きく、フレームを使う傾向がある。
  • 壁面に設置することが多い。
  • 商品写真が映っていない場合もある。
  • 商品名や商品説明がない場合も多い。
  • 複数固めて、あるいはリピートで設置される場合が多い。
  • POPと背景の環境、すなわち照明や壁紙・什器などと一体化されることが多い。

掲出注意点としては、下記が上げられます。

  • 設置する場所を選ぶ。棚の空いたところにペタペタ貼るようなPOPではない。
  • ショップデザインと表現テイスト一体化させなければいけない。
    つまり、都会的でモダンな店なのに、田舎の風景写真を演出すると、イメージがちぐはぐになる。
  • 店頭に吊るしたり、テープでチープに貼るようなPOPではない。
  • 名刺大のようなサイズの小さいPOPにしても意味はない。B3以上の大きさはほしい。

演出POPはまさにブランディングなのです。

次は、告知POPです。
これは連呼のPOPと言ってよく、フェアやイベント、キャンペーンを告知するPOPのことです。
今バーゲンシーズンなので、どこの商業施設も告知POPが多く露出していると思います。
告知POPは下記の特徴があります。

  • POPは1枚だけでは意味がなく、3枚以上リピートさせないと告知の効果はない。
  • 高さを揃えないと意味がない。繰り返している様が分からない。
  • 等間隔に並べなくなくてはいけない。
    例えば、フロア通路沿いに5m間隔に置く、棚ごとに左側にグリッドラインを縦に揃えて置くなど。
    リズム感が必要である。
  • 繰り返すPOPのデザインは同じでなくてはいけない。
    不用意に色を変えたりすると、効果は半減する。
  • 文字をたくさん書くと読めない。キャッチフレーズ位の文字でないと、歩いたり車でドライブしている人が読めない。
  • POP器具も統一しなけれ、リピート感はない。

告知POPは「パチンコ店の新台入れ替え」ののぼりと同じです。
繰り返して店頭に設置しないと意味がないのですし、注目率も低くなり、にぎやかさもなくなります。

◆◇◆

さて、本題です。この告知POPと演出POPがゴチャゴチャになっているお店が実に多いです。
告知POPと演出POPは、今まで語ったように、場所と体裁を選ぶのですが、棚や壁に適当に貼るお店が多いです。
例えば、スイーツショップの壁にA4「中元フェア」の告知POPをペタッと1枚だけ壁に貼りつけても意味はないです。
インパクトがないですし、フェアのにぎやかさはみじんもありません。
そのフェアのPOPの横に、お菓子職人の演出ポスターが貼ってあるとしましょう。
その場合は、ブラントの世界観はまったく出ていません。
告知POPが演出POPの荘厳さを汚してからです。

同じように、カーディーラーのショールームに行くと、「ボーナスフェア」のA1POPが1枚だけウインドウに貼られています。
これを唐突POPと呼んでいますが、いきなり清楚なウインドウにペタッとあります。
まさに唐突!
これらのPOPはペナント、のぼり、L字型スタンドPOPにして、連続で店頭に少なくとも5枚は並べないと意味はありません。

その他、車に乗っているタレントの演出POPがトイレのドアに貼ってあったり、カタログスタンドの横にしなれた形で貼ってある風景を見て、ガックリと肩を落としてしまいます。

店は子供部屋ではないですからね。。。。

わかりましたでしょうか。演出POPと告知POPの違い。

POPには種類があり、それぞれ役目と正しい使い方があります。
VMDインストラクターの皆さん、これをしっかり覚えて、POPを管理してください。~

(vmd-i協会事務局)